パソコンや家庭用ゲーム機の中で自由に空を飛び回ることができるフライトシミュレーション。
気象条件や時間帯、飛行経路を自由に設定して世界中のあちこちを飛び回るだけでなく、セスナ機のような小さな飛行機から、ジャンボジェットのような大型機まで、好きな飛行機を操縦することもできますが、中には一風変わった乗り物(?)もあったりします。
今回レビューするのはそんな変わった乗り物のひとつ、“Flying Christmas Tree”です。
Table of Contents
ダウンロードとインストール方法
ダウンロード
今回レビューする『空飛ぶクリスマスツリー』は無料で手に入れることができるアドオンです。
ダウンロードはいつも通り“Flightsim.to”から↓
ページを下にスクロールしていき、中ほどにある“Download”と書かれた緑のボタンをクリックするとカウントダウンが始まり↓

その後に表示される↓

”Start Download”をクリックするとデータがダウンロードされます。
インストール方法
ダウンロードされたzipファイルを解凍しましょう!
解凍されたフォルダを開くと“benjaminwinter-flyingchristmastree-v1-x”というフォルダがあるので、それをMSFSのCommunityフォルダにコピーします。
Communityフォルダの場所はデフォルトの設定だと
- Microsoftストア版
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Packages\Microsoft.FlightSimulator_8wekyb3d8bbwe\LocalCache\Packages\ - Steam版
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Packages\Microsoft.FlightDashboard_8wekyb3d8bbwe\LocalCache\Packages\
となっています。
インプレッション
外観
まずは機体(?)の外観から見ていきましょう。

外観は見た通りクリスマスツリーなんですが、ツリーの形状はMSFSで飛んでいるときに見ることのできるようなリアルな樹木ではなく、90年代に流行った3D格闘ゲームのキャラクターような、3Dポリゴンで構成されています。
なんとなくレゴっぽい感じもしますね。
リアルなクリスマスツリーではありませんが、これはこれで味があっていいです!
横倒しになったクリスマスツリーの上にはサンタさんが座っていますが、あそこがコクピットになるんですかね?
足回りはスキー板になっているので、雪が積もったところでも安全に着陸することができそうです。

外観を一回りしてみましたが、見たところエンジンやプロペラはついていないようです。
何か不思議な力が働いて推進力を得ることができるんでしょうか?
だってトナカイが引くサンタさんのソリだって空飛んでますからね!
コクピット
テスト飛行をするために飛行場に移動しました。

駐機場にクリスマスツリーが横たわっている光景はなかなかシュールですねw
コクピットは予想通りサンタさんが座っているあたり。

操縦桿やスロットルレバー、各種のスイッチというものはなく、何やら黒い丸がいくつか宙に浮くのみです。
本当ならこれらの黒い丸は速度計や高度計などの飛行計器なんですが、あいにく私のMSFSのファイルが破損しているために表示されなくなってしまっているようで…。
MSFSが正常であれば問題なく表示されますのでご心配なく!
仮に私と同じような症状が出ていたとしても↓

コクピット内のヘッドアップディスプレイ(HUD)を表示すれば速度や高度などの情報が表示できるので問題なく飛ばすことができます。
ちなみにコクピット内のHUDは↓

オプションメニューからアシストオプションを選択し、“ユーザー体験”にある『計器ヘッドアップディスプレイ-コクピット』の設定を“オフ”から”最小”に切り替えることで表示することができます。
テストフライト
実際に飛んでいる様子がこちら↓
飛んでいるところだけ見たいという人は6:40までジャンプしてください。
そもそもクリスマスツリーは飛ぶのか?
従来のフライトシムの機体データというのは、機体の外観やコクピットを表示するためのの3Dモデルと、実際の飛行性能を再現するためのフライトモデルで構成されていたため、フライトモデルさえきっちり構築されていれば、外観がどんな形状でも問題なく飛ばすことができました。
例えばMSFSの前作のFSXの場合、船のアドオンは外観こそ船の3Dモデルですが、中身のフライトモデルは『翼を切り詰めた飛行艇』となっていたため、パラメータを弄って適当な面積の翼を定義してエンジン推力を増大してやれば、どんなサイズの船でも飛ばすことができます。
ところがMSFSの場合、機体の3Dモデルの形状が空力的な飛行特性に反映されるようで、ちゃんとした飛行機の形をしたものでないと飛ばすことができないようですね。
そのためクリスマスツリーのような形状ではまともに飛ぶことができません!
まぁそもそも飛行機ではないので飛ぶこと自体がおかしいんですけどねw
ではなぜあんなのもでも飛べるのか?
実は現代の航空力学では
- 強力な推力を発生するエンジン
- フライ・バイ・ワイヤー(FBW)での飛行制御
- FBWとリンクした推力偏向装置
の3つがあれば、どんな形状の物でも飛ばすことができるとされています。
NASAだかロッキード・マーティンだか忘れましたが、あのあたりの航空技術者が『FBWと馬鹿みたいに強力なエンジンと推力偏向があればベッドだって飛ばしてやるぜ!』なんて言ってたりしますからね。
なので、クリスマスツリーを飛ばすことは実はそれほど非現実的な話でもなかったりします。
ただし、実際に飛ばしたとしても、このアドオンのように安定性皆無のとんでもない乗り物になるんでしょうけどね…。
サマリー
無料のアドオンなのであまり悪いことを言いたくはないんですが…。
控えめに言ってこのアドオンはクソです!
今までFSXやP3D、MSFSの様々なアドオンに手を出してきましたが、まともに飛ばせないアドオンは初めてですよ…。
まぁ、クリスマスツリーをまともに飛ばそうと考える私もどうかしてますが、フリーウェアとはいえリリースする前にもうちょっとどうにかできなかったんですかね?
『ダッチロールを起こしてまっすぐ飛ばない』のと『ピッチアップの癖が強すぎる』というのはまぁいいです。
形状的や重心位置の問題があるのでどうしようもありませんからね。
せめてエンジン推力の設定はどうにかしてほしかったなぁ…。
飛行中に140ノットを超えたあたりからエンジンのコントロールが全く効かなくなって加速が止まらなくなるんですが、気が付くと700ノットまで加速したりするんですよ。
しかも、その状態でエンジンを切ってしまっても加速は止まらない!
そうなると垂直上昇して無理やり速度を落とすしかないわけですが、減速した後で降下しようとすると、降下中にまた加速してしまう…。
こんな調子なので、いったん速度がついてしまうと着陸することは不可能!
地上に墜落させない限り止めることはできません…。
こんなことしていて気が付いたんですが、飛行プロファイルは飛行機ではなく大陸間弾道ミサイルか巡航ミサイルですね。
とすると、飛行機のシミュレーターではなく、ミサイルのシミュレーターだと思えば面白いかもしれませんが、ミサイルは人が乗って操縦するものじゃないですからね…。
こんなもの面白がるのは極一部のもの好きだけでしょう。
というわけで、今回のアドオンは『大陸間弾道弾に搭乗してみたい』という人にはおすすめできるかもしれませんが、それ以外の人にはおすすめできません…。
普通の人にはおすすめできませんし、飛ばしていて面白いものではありませんが、フリーウェアなのでお試しで入れてみるのは止めませんw
あくまで自己責任でお願いします!
あっ、Youtubeやニコニコ動画にアップするネタくらいにはなるかもしれませんねw
面白い遊び方を見つけたらぜひYouTubeにアップして私に教えてください!
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