一般的に免許といわれると、まず思い浮かぶのが『運転免許』という人が多いんじゃないでしょうか?
運転免許ってのは実に種類が多いわけですが、普通は運転免許というと、乗用車やミニバン、あるいは軽自動車なんかを運転するために必要になる『普通免許』のことを指すかと思います。
『運転免許』とか『普通免許』なんて言うことが多いですが、正式には『第一種普通自動車免許証』なんて言うそうですね。
多くの人は高校から大学の間に自動車学校に通って取得するかと思います。
私もご多分に漏れず自動車学校に通いましたが、その学校がまためちゃくちゃで面白かったので、今回はそれも含めて私が第一種普通自動車免許を取得したときのことを書いてみました。
第一種普通自動車免許とは?
このブログの読者を分析すると40代以上の日本人男性が7割くらいになるので、この記事を読んでいる人のほとんどはすでにこの免許を取得済みかと思いますが…。
2021年現在、第一種普通自動車免許で運転することのできる車は
- 車両総重量3,500kg未満
- 最大積載量2,000kg未満
- 乗車定員10人以下
の条件をすべて満たす4輪以上の自動車と
- 排気量50㏄以下の原動機付自転車
- 小型特殊自動車
となっています。
免許取得のための条件
普通自動車免許を取るための条件というと年齢や視力くらいしかなさそうですが、改めて調べてみると結構いろいろあるんですね。
とある教習所の入校条件から抜粋してみましたが↓
- 年齢
18歳以上 - 視力
両眼0.7以上
単眼0.3以上
単眼視力が0.3に満たない、または1眼が見えない場合は、他眼の視野角が左右150度以上で、視力が0.7以上
(眼鏡・コンタクトレンズ使用可) - 色彩識別能力
赤色、青色及び黄色の識別ができる - 聴力
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる
(補聴器使用可) - 運動能力
自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと。
自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障を及ぼす恐れが無いと認められるものであること。
この条件は道交法で規定されているものらしく、だいたいどこの教習所も同じような条件になってます。
視力や色彩識別能力については免許更新でも検査を受けるので、免許条件の一つになっていることは判りますが、聴力や運動能力は免許更新の時に確認されませんからねぇ。
よくよく思い出してみると、教習所の入校手続きの時に膝屈伸や腕の曲げ伸ばしをさせられたことがあったような気がしますが、あれが運動能力の検査だったんでしょうか?
聴力はどこで確認してたんだろ?
取得方法
本来ならば運転免許は
- 免許センターで仮免許の学科と実技を受験
- 免許取得後3年以上の人の監督のもと公道で19時間以上の練習
- 免許センターで本免許の学科と実技の受験
- 指定教育機関での救命講習
という割と面倒なプロセスを踏まないと取得することができません。
こんな感じで免許センターで直接試験を受けることを“飛び込み試験”とか“一発試験”なんて言ったりすることもありますが、この方法で免許を取得する人はかなり少ないでしょうね。
一般的は自動車教習所に通う人のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか?
教習所にもいろいろな種類があるんですが、ほとんどの人は免許センターでの実技試験が免除になる“公安委員会指定教習所”に通ったのではないかと思います。
指定教習所を卒業していればいろいろと免除されて免許センターで学科試験を受けるだけで免許を取得することができますからね。
もちろん教習所内で仮免の試験や救命講習、さらには公道での実技試験を受けることになるので、実際に何かが免除されるわけではありませんが、何度も免許センターに通う必要はないので、楽といえば楽。
とはいえ“飛び込み試験”に比べると、免許取得までの費用が割高になってしまいます。
免許センターでは試験のたびに審査料や車両使用手数料などを支払う必要があるんですが、これがだいたい1回につき1万円行くか行かないかくらい。
見事1発で免許の取得ができれば仮免、本免合わせて2万円ほどで取得できる計算になりますけど、一発で合格する人なんかまずいません…。
『合格するまで免許センターに通ったらなんだかんだで指定教習所に通うより高くついた…』なんて話を聞いたこともあります。
ちなみに指定教習所での普通免許の取得費用は時期や地域、通学方法などによってばらつきがありますが、2021年時点での全国的な相場は30万円前後といったところ。
何とか費用を抑えたいけど、何度も免許センターに通うのは面倒だし、免許センターで実技試験を受けて1発で合格できる自信はない…っていう人におすすめなのが“届出教習所”。
届出教習所は公安委員会の指定するカリキュラムに従っていないので、免許センターで仮免と本免の学科と実技の試験を受けなければいけませんが、指定教習所に比べると割安なところが多いです。
届出教習所体験記
私は安さにひかれて届出教習所に通いました。
当時の教習所の相場は、指定教習所が30万円前後だったところ、届出教習所は20万円ほどと、10万円も差がありましたからね!
指定教習所は入校の手続きが終わると、入校式を済ませなければ教習が始められなかったりしますが、届出教習所の場合は入校式なんかありません!
教習費用を手渡しで納めたら、いきなり実車教習が始まります!
実車教習1時限目は教習所の場内コースを1周するというような内容だったかと思いますが、コースが狭いので怖くて仕方がない…。
教習所の敷地はだいたい100m×60mといったところで、一番長い直線も90mくらいしかない。
生まれて初めて自動車の運転をするのに、助手席では教官が『もっとアクセル踏み込んで40km/h出せ!』とか言ってるわけですよ。
それならってことで加速していきたいわけですが、AT車ならいざ知らず、MT車での教習を選択していたので、単純にアクセル踏めばいいってもんじゃない。
カーブを曲がり終えるか終えないかってところから次々とシフトアップして加速しないといけないわけですが、初めての運転でそこまでスムーズに加速するのは難しいですよね…。
どうにかこうにか加速したら目の前には隣の敷地との壁が迫ってくる。
そこで慌ててブレーキを踏むと、これまた教官から『壁ごときにビビんな!男だろうが!ぶつかる気で行け!』と檄が飛ぶ!
といった感じで、最初の1時限目は何が何だかわからないうちに終了…。
休憩をはさんで2時限目を受けますが、どうにかこうにか指定の速度に到達して無事にその日の教習を終えることができました。
実車教習があんな感じなら学科教習のほうはどうかというと、なんとその教習所学科講習どころが教室自体がありません。
教習所の所長からテキストと問題集を渡されて『仮免の試験までに問題集のここのページまで終わらせといてね』と言われただけでした。
学科に関しては自習でどうにかするしかなく、教習生の自主性に任せるというなかなかに無茶な教習所ですが、考えてみれば指定教習所で学科講習受けてても、免許センターの学科試験落とす人もいますからね…。
それに学科講習を受けたからと言って道交法をすべて暗記しているという人もいないでしょう。
正直なところ、試験のために教習所の学科講習を受けるくらいなら↓
市販されている問題集を一通りこなしたほうがよほど短時間で効率よく合格できますよ。
仮免試験
教習所での実車教習も一通り終わり、学科のノルマも達成したところで仮免の受験をするのはどこの教習所も同じだと思います。
指定教習所なら仮免も教習所内で取得できますが、届出教習所の場合は最寄りの免許センターまで出向いて学科と実技の試験を受けないといけません。
学科は特に心配することもありませんでしたが、問題は実技試験です。
実技のコースを1回も走ったことがありませんからね。
さすがに初見のコースを走るのはリスクが高すぎるということで、学科試験が終わった後の昼休みの時間に教官と二人で試験場の場内コースを歩きながら注意点なんかを確認していきますが、一度コースを歩いたくらいで覚えられるほど余裕はありません。
ほぼ初見のコースを走るだけでも緊張するのに、試験車両はいつもと違うし、助手席と後部座席には制服を着たお巡りさんが座ってるわけですからね…。
後部座席のお巡りさんは『私は試験の評価をしないので気にしないでくださいね~』なんて言ってはくれますが、試験中に咳払いでもされようもんなら「何かまずいことでもしたんじゃなかろうか?」と気になって仕方がない!
結局緊張しすぎてコースを何度か間違えて、間違えた先で減点されて不合格…。
その後2回実技試験を受けて3回目にしてようやく仮免を取得することができました!
路上教習
仮免が取得出来たら第2段階の路上教習が始まるのは指定教習所も届出教習所も同じですが…。
指定教習所の場合は教習所周辺の一般道や高速道路などを使い、卒業検定も路上教習で何度か走ったことのあるコースを使いますよね?
なので基本的には教習所から1時間で回れる範囲くらいしか運転することはないでしょう。
ところが私の通っていた届出教習所の場合、路上教習は実際に免許センターの本免許試験の試験コースを走るようになっていました。
教習所から免許センターまでは車で30分ほどあったわけですが、免許センターまではどうやって移動するのか?
『免許センターまでは教官が教習者を運転して、駐車場で運転を交代するんでしょ?』
まぁ普通ならそうでしょうね。
ところが私の通っていた教習所はそんな甘くありません。
教習生の運転で免許センターまで移動しないといけないんですよ。
もちろん助手席に教官が乗ってますし、車の前後には↓
『仮免許練習中』の標識が表示されているので、道交法的には教習生が運転することに問題はありません。
とはいえ、免許センターに到着したらすぐさま試験コースを2つばかり走り、そのまま教習所に帰ってくると、だいたい2時間くらい運転しっぱなしになるんですが、仮免取得したばかりの教習生には厳しすぎやしませんかね?
しかも教習中にも関わらず、教官は私用で電話し始めるは居眠りするわとやりたい放題!
今瀬も運転中はあちこち監視する癖があるんですが、この癖がついたのはこの教官のせいですね…。
『こんなめちゃくちゃの教官のいる教習所で大丈夫か?』と思うかもしれませんがご安心ください!
あまりに教習生が来なかったため、私が卒業した翌年に経営難で倒産してます!
本免試験
本免も仮免と同じく、学科試験と実技試験を受けに免許センターへ。
仮免と違うのは、免許センターまでは教官同乗のもと自分の運転で移動しているというところですね。
学科試験は何の問題もなく合格!
なぜか係の人から点数を教えてもらうことができましたが、100点だったそうです。
まぁ学科に関しては何の心配もありませんが、問題は実技の路上試験。
さすがに昼休みにコースを回ることもできないので、路上教習用に渡されたコース図を見てどのコースにも対応できるようにしておきますが…。
残念ながら1回目は自主経路選択の課題でコースを間違えた挙句、慌ててリカバリーしようと思ったらさらに道に迷い、歩行者の横断妨害か何かをやらかして不合格…。
2回目は別のルートでスピード違反をして不合格…。
3回目はその地域には珍しく雪の降り積もるような悪天候でしたが、そんな悪条件にも関わらす何の問題も起こさずに無事合格することができました!
届出教習所を選ぶメリットはあるのか?
都合6回免許センターまで足を運んで普通免許を取得したわけですが、これならあと10万円出して指定教習所に通ったほうがよかった気もしますね…。
届出教習所は学科講習が無かったので、拘束時間が極端に少ないことがメリットではありますが、実技試験免除というのはかなりのメリットです。
それぞれに一長一短はありますが、なるべく短期間で確実に免許を取りたいのであれば指定教習所、安く済ませたいのなら指定教習所、といった感じで、選択すればいいんじゃないでしょうか?
免許センターでの試験について
教習所でしっかりと運転技術を身に付けていれば、免許センターの実技試験もそれほど難しくはないかと思いますが、お巡りさんに半ば囲まれたような状態で試験を受けるのは想像以上に緊張するものですよ…。
右左折で前後左右の確認をしているときに、ルームミラー越しに後部座席のお巡りさんと目が合ったら、何もしてなくても『これ何か失敗したんじゃ?』なんて思っちゃったりしますしね。
それと、どうしても試験コースに不慣れな状態で試験を受けることになるので、『コースを間違えたらリカバリーが効かない!』というプレッシャーもかかります。
このように相当なプレッシャーの中での試験なので、少しでも何かやらかすと、あとは雪崩のようにミスが積み重なって不合格になってしまいます。
心臓に毛が生えてるような人なら平気かもしれませんが、そうでないなら免許センターで実技試験を受けるのはお勧めしません…。
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