趣味と実益を兼ねて今までいろいろな免許や資格を取得してきましたが、生まれて初めて取得したのが“第四級アマチュア無線技士”の免許。
この免許があればアマチュア無線の操作ができるようになるんですが、対価を得て、つまり仕事として無線を取り扱うことはできないので、完全に趣味のための免許です。
とはいえ『アマチュア無線を通じて得た知識』を使って対価を得ることはできるので、完全に趣味のための資格ともいえなかったり?
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免許を取ったいきさつ
私の場合は高校の部活が無線部だったからというのが免許を取った理由になるんですが、そもそもそれまで無線に興味はなかったんですよね…。
興味がないのになぜ無線部に入ったのかというと、活動内容が緩くて、部室で駄弁るだけだったからというしょうもない理由です。
私の通っていた高校はかなり特殊な学校で、部活への加入は義務で、体育会系と文科系の部活を両方掛け持ちしなければならなかったんですが、文科系の部活はどれもそれほど興味がなかったので、とにかく楽そうな部活に入りたかったんですよ。
そんなしょうもない理由で無線部に入ったわけですが、さすがに駄弁るだけでは活動実績が怪しいというわけで、対外的に活動していることをアピールするためにも部員は必ずアマチュア無線の免許を取得しなければならないことになっていました。
免許の難易度
そんな消極的でしょうもない理由から無線部に入ったものの、最低でもアマチュア4級の免許取得はマストだったので、在籍するためには免許の取得はしなければいけない…。
しぶしぶ勉強してアマチュア4級の国家試験に臨んだわけですが、そもそもアマチュア4級の資格は、数ある無線の免許の中でも最も簡単に取得が可能なんですよ。
クルマの免許に例えると原付や小型特殊みたいなもんですかね?
無線機の取り扱いに関する工学的、法的な知識が問われるので、試験問題を見るとなかなか難しそうに見えるんですが、実は試験の問題の8割程度は過去に出題された問題のリサイクル…。
なので、過去問の答えだけ覚えていけば合格できちゃいます。
アマチュア無線に限った話ではありませんが、無線の国家試験の受験には年齢制限がないので、日本国籍さえあれば誰でも受験することができるので、たまに幼稚園くらいのチビッ子が合格して地方版のほのぼのニュースに取り上げられたりしますね。
少し気になって調べてみましたが、アマチュア無線技士の最年少の合格者は3歳だそうです。
というわけで、アマチュア4級程度であれば、無線工学や無線法規の専門的な知識がなくとも、問題と解答を丸暗記すればマジで誰でも簡単に取得することができます。
試験会場と試験の日程
アマチュア4級の試験は日本無線協会の本部または支部で実施されます↓
私のころは本部が毎月1回、大阪と名古屋が4半期に一度、その他の支部が年に一度で、それ以外にアマチュア無線家向けのイベント“ハムフェア”などで出張試験が行われるといった感じだったと思います。
現在は
- 名古屋:1,2,3月
- 大阪:1,3月
- その他:1,2,3月のいずれかの月に1回
さらにこれに加えてイベントでの出張試験が行われているようですね。
2022年からはネットで受験できる“CBT(Computer Based Testing)”が導入されるそうで、わざわざ試験日に試験会場まで出向かなくても自宅で好きなタイミングで受験できるようになるようです。
当時は埼玉の熊谷に住んでいたので、日本無線協会の本部がある東京の晴海で受験しました。
試験費用
受験したのが20年以上前なので、当時の試験費用を覚えていませんが、現在の受験費用は5,100円となっています。
確か私が受験した頃も同じくらいじゃなかったかな?
試験科目
アマチュア4級の試験科目は、無線工学と無線法規の2つにわけることができます。
そのうち無線工学では
- 無線設備の理論、構造及び機能
- 空中線系等の理論、構造及び機能
- 無線設備及び空中線系の保守及び運用
に関する問題が出題されます。
なかなか厳つい文字が並んでますが、試験の難易度は工業高校の電気科を卒業程度になるとかならないとか?
これでも数ある無線の国家資格の中でも最低レベルの難易度です。
無線法規では
- 電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
についての問題が出題されますが、実はこちらのほうが変な専門知識や実務に関する問題が出題されたりするので意外と難易度が高かったり…。
試験勉強
妙に難易度が高めのくせに幼稚園児でも合格してしまうというアマチュア4級試験。
馬鹿正直にアンテナの理論や電波法の概要について勉強しなくても、試験問題と答えを丸暗記してしまえば何一つ難しくありません!
私が受験に向けて投入した学習時間は正味4時間くらいで、試験当日の深夜1時ごろに起き出して、そのまま明け方まで問題集の丸暗記をしたような記憶があります。
なんでそんな時間に起きて勉強しようとしたのかは全く覚えてませんが、完全に試験を舐めてかかっていたのははっきりと覚えてますw
まぁ、当時でも幼稚園児が合格するレベルだってのは知ってましたからね。
当日の夜中から勉強すれば余裕で間に合うとでも考えていたんでしょう。
勉強というほどのものでもありませんが、試験対策として使ったのはこちらの『完全丸暗記』という問題集↓
今はどうなってるかわかりませんが、少なくとも私が使っていたころは、出題率が5段階評価でレーティングされていて、レートが高い問題だけ丸暗記しておけば高確率で合格できるという、なんとも便利な問題集です。
何の根拠もありませんでしたが、なんとなく『出題率60%以上の問題だけ覚えておけばいけるんじゃね?』と考え、ものの見事に4時間ほどで問題文とその回答を丸暗記。
そのあとは一度も問題集を見返すことなく晴海の試験会場に向かいました。
免許試験
アマチュア4級の試験時間は60分。
問題数は
- 無線工学:12問
- 無線法規:12問
の全24問で、配点は1問5点なので満点は各科目とも60点。
合格するためには両方の科目で40点以上取らなければいけません。
解答方法は4択のマークシート方式です。
試験は事前の予想通り、『完全丸暗記』の出題率60%以上の問題ばかりでしたね。
『あっ、これ進研ゼミでやったやつだ!』状態でサクサクと問題を解くことができました。
無線工学と無線法規で1問づつ見たことのない問題が出題されていましたが、過去に出題された問題を多少ひねった程度のものだったので、それほど悩むこともなく解答できたことを覚えています。
合格発表
今はメールで合格発表の通知をしてくれるそうですが、当時は試験の1か月後くらいに合格証が郵送されてくるというシステムになっていました。
受験から1か月後に合格の通知が届きましたが、特に感慨もありませんでしたね。
もともと大して興味のない無線の免許ですので、合格通知が来ることには受験したことすら忘れていたくらいですしw
免許交付の手続き
無事に試験には合格しましたが、まだ終わりじゃありません。
免許の交付を受けるための手続きをしないといつまで待っても免許が手元に届きません。
クルマの免許は免許センターで学科試験を受験して合格すると即日で免許が交付されますが、アマチュア無線技士を含めた無線の免許の場合は、総務省や地方総合通信局に対して免許交付のための申請を行わなくてはいけないんですよ。
今でこそネットで申請用紙をダウンロードすることができますし、免許によっては電子申請もできるようになっていますが、当時はそんなシステムありませんでしたからね…。
まず免許交付のための申請書類が簡単に手に入らない!
地方総合通信局に申請用紙を送付してもらうか、無線屋に行って申請用紙をもらってくるかしないといけませんでしたが、当時住んでいた場所の近くには無線屋がなかったので、わざわざ秋葉原にまだいくつもあった無線屋まで行って申請用紙をもらってきたような記憶があります。
申請用紙を手に入れるまでも時間がかかりましたが、申請してから免許が届くまでも結構時間がかかりましたね。
確か1か月から2か月くらいかかったんじゃないでしょうか?
なんだかんだで受験よりも免許を交付してもらうまでの手続きのほうが面倒に感じましたね。
こうして苦労して手に入れた免許証ですが、当時の免許証は『必要事項を記載した台紙に顔写真を張り付けてラミネート加工しただけ』という割といい加減なもので、現物を見て予想以上のしょぼさにがっかりしたことを今でも覚えています。
当時の免許証は紛失してしまいましたが、wikipediaにその当時の免許証の参考写真が貼られていましたので参考までに↓

こんな免許証ならカラーコピーすれば簡単に偽造できそうですよねw
総務省がそう思ったかどうかは判りませんが、平成22年以降に交付された免許証はホログラム入りのプラスチック製のカードになっています↓

こちらは紛失後に再発行してもらった私の免許証です。
正直なところ、交付された時よりも再発行された時のほうが嬉しかったですねw
免許の使いどころ
アマチュア無線技士の免許は対価を得ずに趣味で無線を使うためのものなので、この資格だけでは無線を取り扱う仕事に就くことはできません。
同じアマチュア無線を趣味とする人たちと無線で話したり、個人的に無線通信技術の研究をしたりするための免許です。
不特定多数の人たちと無料で通話できるSNSが登場した現代ではアマチュア無線の価値を見出すことが難しいですが、災害時にインフラが破壊された時のために免許を取っておくというのもアリといえばアリかもしれませんね。
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