Microsoft Flight Simulatorは定期的にソフトウェアアップデート(SU)が行われ、シミュレーションのリアリズムの向上やソフトウェアの信頼性、安定性が向上されているはずなんですが、ここしばらくまともに飛ぶことが出来ません…。
以前もこんな記事を書いていますが↓
ここに書かれていることをもう一度試してみても状況は変わらず、悪化する一方…。
いい加減MSFSの復旧は諦めようかとも思いましたが、これはこれでブログネタとしてはおいしいと思ったので、復旧するまでの話を紹介してみたいと思います。
私の場合はどうにか正常に機能するようになりましたが、これはあくまで『パソコン向けのMSFSをMicrosoftストアから購入』している場合の一例です。
パソコンの場合はハードウェアの構成やインストールしているアプリケーションの違いもあると思いますので、今回紹介する方法で必ずリカバリーできるという保証はありません。
参考にはなるかもしれませんが、この方法でもリカバリーが出来ない可能性があることに留意してください!
Table of Contents
クラッシュの症状
クラッシュが起こるのは
- 起動時のロード中
(Xboxロゴが出た次の瞬間、パッケージファイルの読み込み中など、メインメニューに至る前) - 起動直後
- メインメニューから他のメニューに遷移するタイミング
- シミュレーション開始直後
- シミュレーション中に特定のショートカットキーを押したとき
(高度規制値の校正、マップの表示など) - キーアサインの変更を確定したとき
- 空港へのアプローチ中
- 接地寸前
- 特定のフライトトレーニングの終了直前
といったタイミングで、クラッシュの発生は完全にランダムで再現性はそれほど高くないようです。
ちなみにゲームオブザイヤーエディション(GOTY)導入後のクラッシュ率は驚異の100%!
まともに1フライト出来たことは1度もありませんw
クラッシュした後にMSFSを再起動すると起動直後に次のようなウィンドウが表示されます↓

このウィンドウの説明を読んだ感じだと、MSFS向けのアドオンやドライバの互換性が原因でクラッシュが発生していそうな感じ…。
セーフモード起動するとアドオンのロードを飛ばしてMSFSが起動するため、クラッシュの発生する可能性は低くなはずなんですが、私の場合はセーフモードで起動してもダメで、起動して10分以内には後に何かのはずみでクラッシュします…。
クラッシュの原因を探る
リカバリーの前にまずはクラッシュの原因を特定しておく必要があります。
原因を特定して排除しない限り、いつまでも症状が改善しませんからね。
とはいえクラッシュの発生が完全にランダムで再現性が乏しいため、原因として考えられるものは無数に存在します…。
流石にすべて潰していくことは現実的ではないので、まずはパッと思いつく限りでリストアップして↓
- ハードウェアのリソース不足
- 他のアプリケーションとの競合
- プログラムファイルの破損
- アドオンの不適合
とりあえずこれらを一つづつ確認していくことにしました。
アドオンの不適合
上のリストの順番と違いますが、まずはアドオンの不適合の有無を確認してみました。
さすがにアドオンを1つづつ確認するのは面倒だったので、手っ取り早く導入済みのアドオンをすべてCommunityフォルダから削除してMSFSを起動してみます。
これでMSFSがまともに動くようであればクラッシュの原因はアドオンにあるわけですが…。
結果としてはアドオンを削除したところで症状は変わらないので、アドオンは全く関係なかったようです。
まぁ、セーフモードで起動してもクラッシュしているのでアドオンが原因でないこと予想出来てはいましたけどね…。
とはいえ、SUを適用すると今まで使っていたアドオンが足を引っ張ってクラッシュが発生しやすくなるのは間違いありません。
トラブルシューティングの中でも一番簡単にできるので、何かトラブルが有ったらまずはアドオンを削除又は最新版に更新してみましょう。
ハードウェアのリソース
今使っているパソコンはMSFSをやるためだけに自作したパソコンなので、リソース不足になることは無いとは思うんですが、念のためにリソースモニターを使ってMSFSを起動してからクラッシュするまでのハードウェアリソースを何度か確認してみました。
結果としては、クラッシュする時のリソースの使用率は
- CPU:30~40%
- メモリ:20~50%
- GPU:40~70%
といった感じで、それほどの負荷はかかっていないようですね…。
腑に落ちませんが、とりあえずハードウェアには問題がないことが分かっただけでも良しとしておきましょう。
他のアプリケーションとの競合
アドオンと同じようにアプリケーションにもMSFSと競合するものがあるんじゃないか?ということで、MSFSに接続する外部デバイスのドライバをアンインストールしてみましたが、こちらも全く関係なかったようでアンインストールの前後で症状は変わらず…。
一向に状況は改善されていませんが、とりあえずクラッシュの原因はMSFS本体にありそうです。
プログラムファイルの破損
インストール済みのアプリケーションのプログラムファイルが破損することは考えづらいですが、アドオンや外部デバイスのドライバが原因でないとなるとMSFSに何らかの問題があるとしか思えません。
とりあえずWindowsの設定にある『アプリと機能』のメニューでMSFSを修復してみることにしました。

前にクラッシュした時もこれで修復できましたからね。
今回も大丈夫だろうと考えてましたが、修復が完了してMSFSを起動しても状況は変わらず…。
となると、原因として考えられるのはMSFS購入後の初回起動時やSU適用でダウンロードされるファイルに原因がありそうです。
MSFSの構成ファイルの破損?
Microsoftストアなどで購入してMSFSをインストールすると、デフォルトではCドライブの“Program Files”内の隠しフォルダ“WindowsApps”の中に
“Microsoft.FlightSimulator_1.21.13.0_x64__8wekyb3d8bbwe”
というフォルダが生成され、アプリケーションとしてのMSFSはこちらのフォルダに格納されます。
通常のアプリケーションならば、プログラムファイルが格納されるフォルダは1つだけなんですが、MSFSの場合は少し特殊で、シミュレーションに使用する機体データやシーナリー、各種エフェクトなどは別の場所に格納されます。
デフォルトならこれらのシミュレーションに必要なファイルは
“C:\Users\【ユーザーネーム】\AppData\Local\Packages\Microsoft.FlightSimulator_8wekyb3d8bbwe\LocalCache\Packages\Official\OneStore”
に格納されますが、これがMSFSインストール後の初回起動時にダウンロードされる100GB越えのアレです。
SUでは“OneStore”フォルダに一旦更新ファイルが格納された後、展開されて新しいフォルダを生成するか古いフォルダを書き換えています。
私の場合はネット回線の不安定さからSUが上手く適用されていない可能性があるんですよね…。
特定のファイルをいつまでもダウンロードしていたりするので、ファイルが破損している可能性があります。
OneStore内の特定のフォルダのみダウンロードする
GOTYエディションの適用では“fs-base”のダウンロードが上手くいかないことが多かったので、とりあえずこのフォルダだけダウンロードしてみることにしました。
と言っても難しいことは何一つしてません。
OneStoreフォルダからfs-baseフォルダを削除してMSFSを起動するだけです。
MSFSを起動すると更新状況のチェックが自動で開始されますが、この時OneStoreフォルダに不足しているデータの確認も行われるので『本来ならあるはずのフォルダが無い』となれば、自動でインストールマネージャーが立ち上がります↓

あとはいつものSUを適用する時と同じように“ダウンロード”のボタンをクリックすれば必要なデータがダウンロードされ、MSFSが正常に起動します。
今回はfs-baseがスムーズにダウンロード出来たので問題なく起動できると思ったんですが、ダウンロードしたファイル展開が完了すると同時にMSFSがクラッシュしました…。
一旦パソコンを再起動させてMSFSを立ち上げてみたものの、症状はfs-baseフォルダの更新前と変わらず、相変わらずランダムなタイミングとシチュエーションでクラッシュします。
ということは、クラッシュの原因はOneStoreフォルダに格納されているファイルの破損では無さそうですね。
MSFSの再インストール
OneStoreフォルダに原因が無いとなると、残るはMSFSのアプリケーション本体。
色々と面倒なことになりますが、MSFSを再インストールすることにしました。
アンインストールするとOneStoreフォルダも削除されてしまうので、まずはOneStoreフォルダを丸ごと別の場所にバックアップ↓
バックアップが出来たらMSFSをアンインストールして再インストールするわけですが、今回はMicrosoftストアからではなく、Xboxアプリからインストールすることにしました。
どうもSU5以降はXboxアプリからインストールしないと、アカウントの紐づけが上手くいかないようで、これが原因でクラッシュすることもあるんだとか。
再インストールが完了したら、一旦MSFSを起動し、インストールマネージャを表示させて追加データの格納先のパスをメモしてMSFSを終了させます。
最後にバックアップしていたOneStoreフォルダを先ほどメモしたパスの場所に移動すればMSFSの再インストールは完了!
MSFSを起動してみますが…。
これでも状況は変わらない!
という訳で、MSFS本体にもクラッシュの原因は無いということが分かりました…。
Xboxアプリのリセット?
クラッシュのトラブルシューティングは振り出しに戻ってしまいましたが、なんとなくヒントが出てきましたね!
Xboxアプリです!
アカウントの紐づけのためにMSFSをプレイするためにはパソコンにXboxアプリをインストールしなければいけない訳ですが、もしかするとXboxアプリにクラッシュの原因があるのかもしれません。
流石にいきなりXboxアプリを再インストールするのもどうかと思うので、まずは“アプリの修復・リセット”をしてみることにしました。
アプリの修復・リセットは
Windowsの設定→アプリと進み↓

アプリ一覧にある“Xbox”をクリックしてメニューを表示させ↓

メニュー内の“詳細オプション”をクリック。
オプションのウィンドウに遷移するので下にスクロールして↓

リセットのオプションを探しましょう。
リセットには
- 修復
- リセット
の2つのオプションがありますが、今回は“修復”だけにしておきます。
リセットしてしまってもいいんですが、リセットまでしてしまうとXboxとMSFSのアカウントの紐づけが切れてしまうので、このあとの設定が面倒くさくなるのと、MSFSクラッシュの原因が余計に分かりづらくなりそうですからね…。
リカバリー成功!
Xboxアプリを修復したらMSFSはクラッシュしなくなりました!
理屈はよくわかりませんが、何かのはずみでXboxアプリが破損してMSFSを巻き込んでいたようです。
Xboxアプリを修復してからは特に問題なくMSFSがプレイできているので、クラッシュの原因は間違いなくXboxアプリです。
そういえばクラッシュが多発するようになったのはSU5を適用してからのこと。
恐らく今までのクラッシュも多分Xboxアプリのせいだったんでしょうね…。
原因特定までかなり遠回りして解決までかなりの時間がかかりましたが、おかげで無駄に知識を蓄えることが出来たので良かったとしましょう!
同じトラブルを抱えている人はそうそう居ないとは思いますが、何かの参考にしてみてください!
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