航空無線通信士の試験対策:法規その28 公益上必要な監督

パイロットへの道のり

電波行政を主管する総務省は『電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進するという電波法の目的を達成するため、無線局の監督を行っています。

監督には

  • 公益上必要な監督
  • 不適法運用等の監督
  • 一般的な監督

の3種類があるわけですが、ここでいう監督とは、『国が電波法令に掲載されている事項を達成するために、電波の規整、検査や点検、違法行為の予防、摘発、排除及び制裁などの権限』を指し、免許人や無線従事者は監督に従わなければなりません。

選任された主任無線従事者の業務の一つに『無線設備の操作監督』というものがありますが、これとは異なるものであることに注意しましょう。

今回は、3つの監督のうちの一つ、『公益上必要な監督』について解説していきます。

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周波数の変更

日本国内で運用されている無線局は、一部のノーライセンス局(電波が微弱で免許や登録が不要な無線局)を除いて、ほとんどが免許や登録が必要で、総務大臣あるいは地方総合通信局長から使用する電波の型式や周波数などが指定されます。

免許や登録を受けた無線局は、その免許、登録が効力を失うまでの間、原則的には指定された範囲内でしか運用することができません。

ただし、公益上の必要がある場合、総務大臣は免許された事項の一部について変更を命令することができます。

電波法 第71条(周波数などの変更)

総務大臣は、電波の規整その他公益上の必要があるときは、無線局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲内に限り、当該無線局(登録局を除く。)の周波数もしくは空中線電力の指定を変更し、又は登録局の周波数もしくは空中線電力もしくは人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができる。

条文中にある“電波の規整”というのは、各無線局の使用する周波数を整えて、使用目的ごとの周波数帯の再編や新規の割り当てなどをを行うこと。

バンドプランの再編や、テレビ放送のアナログ→デジタル移行に伴う周波数の変更が“電波の規整”に該当します。

似たような言葉に“電波の規正”というものがありますが、これは『割り当てられた周波数や使用を認められている電波の型式、質などから逸脱している場合にそれを正す事』です。

公益上の必要から総務大臣が命令できるのは

  • 免許された無線局の周波数もしくは空中線電力“指定”
  • 登録局の周波数もしくは空中線電力の“変更”
  • 人工衛星局の無線設備の設置場所の“変更”

の3つ。

これ以外の

  • 電波の型式
  • 識別信号
  • 運用許容時間

については、免許人が指定の変更を申請した場合で、混信の除去その他特に必要があると認めるときに、総務大臣がその指定を変更することができる(電波法第19条)と規定ため、一度指定してしまうと総務大臣の命令でもこれらを変更することはできません。

非常の場合の無線通信

免許を受けた無線局は無線局免許状に記載された“無線局の目的”や“通信の相手方”といった記載事項の範囲を逸脱した運用を行ってはいけないことされています↓

といっても、遭難通信や緊急通信といった、人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のためにやむを得ないと無線従事者が判断した場合や、総務大臣の要請によって行う『非常の場合の無線通信』を行う場合は、免許状の記載範囲を逸脱した運用を行うことができます。

電波法 第74条(非常の場合の無線通信)

総務大臣は、地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合においては、人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために必要な通信を無線局に行わせることができる。

2.総務大臣が前項の規定により無線局に通信を行わせたときは、国は、その通信に要した実費を弁償しなければならない

非常の場合の無線通信を行った際は、電波法施行規則 第40条に定めるとおり、無線業務日誌に通信の概要と、これに対応する措置の内容を記載しなければいけません↓

非常の場合の無線通信は総務大臣の要請によるものなので、総務省はこの要請に従って非常の場合の無線通信を行った無線局に対して通信に係った実費を支払わなくてはならないとされています。

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