航空無線通信士の試験対策:法規その16 義務航空機局の無線設備の機能試験​

パイロットへの道のり

航空機には色々な種類の無線設備が搭載されていますが、それらの無線機の中でも航空法の規定によって搭載を義務付けられている“義務航空機局”というものがあります。

無線局免許状の付与の辺りでも軽く義務航空機局について触れていますが↓

今回はもう少し義務航空機局の事を深掘りしつつ、航空法に規定されている義務航空機局と、電波法に規定されている義務航空機局の機能試験について解説していきます。

Table of Contents

義務航空機局とは?

航空機が安全かつ正常に飛行するために航空機に設置した無線局(移動局)を航空機局といい、旅客や貨物などを運ぶ航空運送事業用の飛行機など、航空法第60条に規定する特定の無線設備を装備した航空機局の事を義務航空機局といいます。

航空法 第60条(航空機の航行の安全を確保するための装置)
国土交通省令で定める航空機には、国土交通省令で定めるところにより航空機の姿勢、高度、位置又は針路を測定するための装置、無線電話その他の航空機の航行の安全を確保するために必要な装置を装備しなければ、これを航空の用に供してはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

といっても“航空機の航行の安全を確保するための装置”の具体的な規定は航空法第60条ではなく“国土交通省令で定めるところ”とされ、詳細は航空法施行規則の第145~147条に規定されています。

これらの規定では、航空機の航行の安全を確保するために必要とする航法計器や無線機器といった機器類や機体の構造などが規定されていますが、その中から無線装置のみをピックアップすると

  • 無線電話
  • 航空交通管制用自動応答装置(ATCトランスポンダ)
  • 航空機衝突防止装置(ACAS)
  • 機上DME装置
  • 方向探知機(NDB)
  • VOR受信装置
  • 機上タカン装置
  • ILS受信装置
  • 対地接近警報装置
  • 衛星航法装置
  • 気象レーダー

が該当し、これらの無線設備を搭載した航空機局を義務航空機局といいます。

義務航空機局の無線設備の機能試験​

義務航空機局の無線設備の機能試験については、無線局運用規則において次のように規定されています。

無線局運用規則 第9条の2(義務航空機局の無線設備の機能試験)

義務航空機局においては、その航空機の飛行前にその無線設備が完全に動作できる状態にあるのかどうかを確かめなければならない。

当たり前の話ですが、無線設備の機能試験は飛行前に行わなければならず、完全に動作できる状態にあることを確認しなければいけません。

無線局運用規則 第9条の3(義務航空機局の無線設備の機能試験)

義務航空機局においては、1000時間使用するたびごとに1回以上、その送信装置の出力及び変調度、並びに受信装置の感度及び選択度について設備規則に規定する性能を維持しているかどうかを試験しなければならない。

機能試験は飛行前だけでなく、飛行1,000時間に1回以上の定期的な無線設備の試験が法令により義務付けられています。

また、これらの機能試験以外にも、無線局の定期検査を行うことが法令によって定められています↓

まとめ

航空法第60条に規定する特定の無線設備を装備した航空局の事を義務航空機局といいます。

義務航空機局を搭載した航空機は、その飛行前に無線設備が完全に動作できる状態にあるのかどうか確かめなければならないと規定されています。

また、飛行前の機能試験だけでなく、1,000時間使用するたびに1回以上、無線設備規則に規定する性能を維持しているかどうか検査することも義務付けられています。

義務航空機局は航空法で“航空機の航行の安全を確保するための装置”として定められた無線機器なので一般の航空機局よりも厳格な条件が課されていますが、無線局免許の有効期間は無期限とされています。

次回は限られた電波資源を有効に活用するために守るべき“無線通信の原則”について解説していきます。

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