航空無線通信士の試験対策:法規その14 無線局の目的に関わらずすることのできる通信

パイロットへの道のり

無線局は原則的に免許状に記載された範囲でしか通信・放送を行うことが出来ないとされていますが、遭難通信や緊急通信、安全通信、非常通信といった、人命や財産へ差し迫る危険を回避するためであれば、免許状に記載された範囲を超えて通信・放送することが許容されています↓

一方で、電波法52条の「その他総務省令で定める通信」を行う場合は、遭難通信や緊急通信といった“人命財産の危機を回避する”という目的でなくても、無線局に免許された範囲外の運用をすることができます。

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免許状の目的等に関わらず運用することのできる通信​

おさらいになりますが、航空無線通信士は航空機に施設する無線設備並びに航空局、航空地球局及び航空機のための無線航行局の無線設備の通信操作”をするための資格です。

この資格で操作することのできる無線設備の通信の相手方として免許されているのは、基本的には航空機局、航空局、航空地球局、無線航行局、航空同局といったところで、これ以外の無線局と通信は“無線局の目的外使用”となってしまい違法となります

とはいえ、杓子定規に電波法の規定を当てはめていては効率の良い電波の利用が出来ず、電波法の目的である“電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって公共の福祉を増進すること”が達成できません。

そこで「目的外利用の禁止の例外規定」という形で、電波法施行規則の中で、「本来は目的外通信はダメだけどこの通信は目的外通信とはみなしません!」という具体的な通信方法を規定しているわけです。

電波法施行規則 第37条(免許状の目的等にかかわらず運用することができる通信)

次に掲げる通信は、電波法第52条第6号の通信とする。この場合において、第1号の通信を除くほか、船舶局についてはその船舶の航行中、航空機局についてはその航空機の航行中又は航行の準備中に限る。ただし、運用規則第40条第1号及び第3号並びに第142条第1号の規定の適用を妨げない。

航空無線通信士が目的に関わらず出来る通信

免許の目的などに関わらず運用できることのできる通信には全部で34項目が規定されていますが、航空機に関する通信だけを抜粋すると↓

  1. 無線機器の試験又は調整をするために行う通信
  2. 気象の照会又は時刻の照合のために行う航空局と航空機局との間若しくは航空機局相互間の通信
  3. 方位を測定するために行う航空局と航空機局との間若しくは航空機局相互間の通信
  4. 航空機局又は航空機に搭載して使用する携帯局と海上移動業務の無線局との間で行う砕氷、海岸の汚染の防止その他の海上における作業のための通信
  5. 航空機局において、当該航空機局の免許人のための電報を一般航空局(電気通信業務を取り扱う航空局をいう。)又は電気通信業務を取り扱う航空機局に対して依頼するため、又はこれらの無線局から受領するために行う通信
  6. 航空局において、航空機局にあてる通信その他航空機の航行の安全に関する通信であつて、急を要するものを送信するために行う他の航空局との間の通信(他の電気通信系統によつては、当該通信の目的を達することが困難である場合に限る。)
  7. 航空無線電話通信網を形成する航空局相互間で行う次に掲げる通信
    (1)航空機局から発する通報であつて、当該通信網内の他の航空局にあてるものの中継
    (2)当該通信網内における通信の有効な疎通を図るため必要な通信
  8. 航空機局が海上移動業務の無線局との間で行う次に掲げる通信
    (1)電気通信業務の通信
    (2)航空機の航行の安全に関する通信
  9. 電気通信業務を行うことを目的とする航空局が開設されていない飛行場に開設されている航空運送事業の用に供する航空局と外国の航空機局との間の正常運航に関する通信
  10. 国又は地方公共団体の飛行場管制塔の航空局と当該飛行場内を移動する陸上移動局又は携帯局との間で行う飛行場の交通の整理その他飛行場内の取締りに関する通信
  11. 同一の免許人に属する航空機局と当該免許人に属する海上移動業務、陸上移動業務又は携帯移動業務の無線局との間で行う当該免許人のための急を要する通信
  12. 電波の規正に関する通信

全部で12項目となります。

まとめ

本来無線局はその免許状に記載された

  • 無線局の目的
  • 通信の相手方
  • 通信事項

の範囲でしか通信を行うことが出来ません。

とはいえ、杓子定規に電波法の規則を適用していては、電波法の本来の目的である『電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって公共の福祉を増進すること』が達成できなくなってしまうので、いくつかの例外が定められています。

これらの例外規定は

  • 無線設備の試験又は調整のための通信
  • 乗員乗客の安全を守るための通信
  • 運航の安全を守るための通信
  • 通信経路の代替性を確保ののための通信

といった無線設備を正確に使う事、あるいは公共の福祉や安全を確保することを目的とした通信に限られ、具体的には

  • 無線機器の試験又は調整をするために行う通信
  • 気象の照会又は時刻の照合のために行う航空局と航空機局との間、もしくは、航空機局相互間の通信
  • 国又は地方公共団体の飛行場管制塔の航空局と当該飛行場内を移動する陸上移動局又は携帯局との間で行う飛行場の交通の整理その他飛行場内の取り締まりに関する通信、又は、航空局と航空機局との間もしくは航空機局相互間の通信
  • 一人の免許人に属する航空機局と、当該免許人に属する海上移動業務、陸上移動業務又は携帯移動業務の無線局との間で行う当該免許人のための急を要する通信
  • 電波の規正に関する通信

に限られています。

次回は“混信の防止と通信の秘密の保護”を目的とした条文について解説していきます。

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