航空無線通信士の試験対策:法規その10 主任無線従事者

パイロットへの道のり

原則的に無線局から電波を出すためには無線設備に対して与えられた無線局免許状と無線設備を操作する人に対してあたえられる無線従事者免許証が必要です↓

ただし、無線従事者免許証を持つ人の中から“主任無線従事者”を選任して総務大臣に届け出ですることで、主任無線従事者の監督の下であれば無線従事者免許証を持たない人でも無線設備を操作することが出来るようになる…というのが前回の記事。

主任無線従事者を置くことで無線設備を運用する人の確保や柔軟な勤務割り当てが可能になるわけですが、無線従事者免許を持つ人ならば誰でも主任無線従事者に出来るわけではありません。

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主任無線従事者にふさわしくない者

主任無線従事者は運用する無線設備の操作範囲を含む無線従事者を持つ人の中から選任されますが、免許証を持っていれば誰でもなれるわけではありません。

電波法第39条第3項に

無線設備の操作の監督を行うことができる無線従事者であって、総務省令(電波法施行規則第34条の3)で定める事由に該当しない者でなければならない

とあり、次のような非適格事由が規定されています。

電波法施行規則 第34条の3(主任無線従事者の非適格事由) 

主任無線従事者は次に示す非適格事由に該当する者であってはならない

1.電波法上の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることが無くなった日から2年を経過しない者であること。

2.電波法令の規定に違反したこと等により業務に従事することを停止され、その処分の期日が終了した日から3箇月を経過していない者であること。

3.主任無線従事者として選任される日以前5年間において無線局の無線設備の操作又はその監督の業務に従事した期間が3箇月に満たないものであること。

この規定により

  • 電波法違反で罰金以上の刑を受け、2年以内に刑が執行された無線従事者
  • 電波法令の規定に違反して業務停止命令を受け、業務停止の期日から3カ月以内の無線従事者
  • 5年以内の業務実績が3カ月以下の無線従事者

を主任無線従事者に選任することは出来ません。

主任無線従事者の選任と解任

無線局の免許人は無線従事者を選任、又は解任した場合には、遅滞なくその旨を所定の様式により総務大臣に届け出なくてはいけません。

届出をしなかった者及び虚偽の届出をしたものは、処罰(30万円以下の罰金)の対象となります。

免許人は主任無線従事者を選任したら届出するだけで終わり…という訳では無く、免許人は主任無線従事者を選任したら無線設備の操作の監督に関する講習を受けさせなければいけないと規定されています。

電波法 第39条(無線設備の操作) 

7.無線局(総務省令で定めるものを除く。)の免許人等は、第4項の規定によりその専任の届出をした主任無線従事者に、総務省令で定める期間ごとに、無線設備の操作の監督に関し総務大臣の行う講習を受けさせなければならない。

総務省令で定める期間”というのは電波法施行規則第34条の7に規定され

  • 主任無線従事者を選任されたときは、選任の日から6ヶ月以内

  •  前回の講習を受けた日から5年以内

  •  船舶が航行中であるとき、その他の場合で別に告示するもの

となってます。

ちなみに船舶又は航空機の無線局の主任無線従事者が航行中に上記の“前回の講習を受けた日から5年”の期間を満了してしまった場合、その船舶又は航空機が日本国内の目的地に到着した日から3ヶ月以内に講習を受けることができると規定されているため、日本国外を航行中で講習を受けられないといった場合でも、帰国するまでは主任無線従事者としての業務が可能になっています。

まぁ、主任無線従事者を置くのは何らかの企業の開設した無線局ですから、有効期間を満了する航行の前に講習を受けさせるでしょうけどね。

主任無線従事者の職務

電波法第39条第5項には

選任の届出がされた主任無線従事者は、無線設備の操作及び監督に関し、総務省令(電波法施行規則第34条の5)で定める職務を誠実に行わなければならない

とあり、主任無線従事者の職務は以下のように規定されています。

電波法施行規則 第34条の5(主任無線従事者の職務) 

電波法第39条第5項の総務省令で定める職務は、次の通りとする。

1.主任無線従事者の監督を受けて無線設備の操作を行う者に対する訓練(実習を含む。)の計画を立案し、実施する事

2.無線設備の機器の点検もしくは保守を行い、又はその監督を行うこと。

3.無線業務日誌その他の書類を作成し、又は、その作成を監督すること(記載された事項に関し必要な措置を取ることを含む。)。

4.主任無線従事者の職務を遂行するために必要な事項に関し、免許人等に対して意見を述べること

5.その他無線局の無線設備の操作に関し必要と認められる事項

具体的な職務内容は勤務先によってマチマチでしょうけど、電波法では最低限これだけの職務を遂行しないといけないことになっています。

主任無線従事者を雇用している免許人は、主任無線従事者がこれらの業務が円滑に遂行できるようにしなければなりませんよね。

そのために第4項の規定があり、免許人等は主任無線従事者からの意見を元に業務内容を改善しなければなりません。

まとめ

無線局に主任無線従事者を配置することで、主任無線従事者の監督下に限り無線従事者以外の人でも無線設備の操作(モールス符号の送受信や遭難通信、緊急通信等を除く)が可能になります。

免許人等は主任無線従事者を選任したら、遅滞なく総務大臣に所定の様式で選任したことを届け出しなくてはならず、選任した主任無線従事者に講習を受けさせなければいけません。

この講習は総務省令で定める期間ごとに受けさせる義務があり

  • 主任無線従事者選任の日から6ヶ月以内

  • 前回の講習を受けた日から5年以内

とされています。

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