航空無線通信士の試験対策:法規その1 電波法の概要

パイロットへの道のり

電波は目に見えず匂いがするものでもないため普段の生活で意識することはありませんが、テレビやラジオ、スマホ、Wi-Fiなど、日常生活の様々な所で無意識に使っています。

なんとなくだれでも自由に無尽蔵に使えるものというイメージがありますけど、実は使うことの出来る周波数帯を考えると、電波は決して無尽蔵に使えるわけでは無い限りある貴重な資源で、実はあんまり余裕がなかったりします。

そんな状態で誰もが自分勝手に電波を使う(発射)してしまうと、混信や妨害が発生してしまうので、何らかの規制や規則を作らないといけない訳ですが、そのために設けられているのが電波法をはじめとした法律や政令です。

Table of Contents

電波法の目的

(目的)

電波法第一条

この法律は、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする

電波は限りある貴重な資源なので、許可なく自分勝手に使用(=電波を発射)することは出来ません

電波を秩序無しに使用すると混信や妨害が発生してしまいます。

最近ではあまり聞かなくなりましたが、昔は違法無線局が多かった時代があり、テレビやラジオの受信障害が発生することがあったりしました。

平時にテレビやラジオが見れないくらいならまだいいんですが、受信障害が発生するのが災害時だったり、さらには消防や救急の使う周波数帯だったりすると、非常時の円滑な通信が出来なくなってしまうので国民の生命や財産を守ることが出来なくなってしまいますよね…。

このため、電波をすべての国民が公平に使えて、各無線局が能率的な運用が出来るように電波法が制定されているという訳です。

波法は日本国内の電波に関する各種法令規則の解釈、理念を表すもので、法律を運用するための細かい具体的な物事は政令や省令に記されています。

電波法と関連する政令、省令(電波法令)の構成

電波法令は

  • 国会の議決を経て制定される法律である電波法
  • 内閣の議決を経て制定される政令
  • 総務大臣により制定される総務省令(省令)

で構成されています。

本来、法律や規則というのは時代に合わせて柔軟に改正されて行かないといけない訳ですが、あまりに細かいことまで法律にしてしまうと環境が変化するたびに国会で決議しなければならなくなるため、柔軟に対応することが出来ません。

そこで、電波法では国(政府)の電波に関する規制の概念や各種用語の定義、関連する法令、電波法の管轄する下位の規則についてのみ記述し、無線局の技術的な基準や運用上の規則といった細々とした具体的な規制は政令や総務省令で定められています。

条文の構成

電波法に限った話でもないですが、日本の法律の条文は、おおむね「条」、「項」、「号」で構成されています。

通常、条には漢数字、項と号にはアラビア数字が使われ、号以下の文章で複数の項目に分ける必要がある場合はイ、ロ、ハ、の順で項目が設けられています。

こういった法律文の書き方もフォントのサイズやインデントの入れ方レベルまで省令で決まってたりするんですが、実は各省庁で個別に制定されてたりするので、省令や施行規則レベルになるとその規則を所管する省庁ごとに書き方が違うことがあります。

とはいえ一応は総務省令や内閣法制局の規則を下敷にしてた記憶があるので、法律文レベルであればどれも同じ書き方で統一されてます。

用語の定義

電波法第二条では電波や無線局、無線従事者などについて定義しています。

(定義)

第二条

(1) 「電波」とは、300万MHz以下の周波数の電磁波を言う。
(2) 「無線電信」とは、電波を利用して、符号を送り、又は受け取るための通信設備をいう。
(3) 「無線電話」とは、電波を利用して、音声その他の音響を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
(4) 「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
(5) 「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。ただし、受信のみを目的とするものを含まない。
(6)「無線従事者」は無線設備の操作又は監督を行うものであって、総務大臣の免許を受けたものをいう。

電波法の定義する無線局というのは

  • 物的要素である“無線設備”(←無線機など)
  • 人的要素である“無線機の操作又は監督を行う人”(←無線従事者)

の総体(取りまとめて考えた全体)なので、無線設備だけがあっても法律上は無線局とはなりません。

また、テレビやラジオは無線設備の一種(電波を受けるための電気的設備)ではあるんですが、受信のみを目的とするものなので無線局とは定義されませんので、設置と取り扱いに免許は不要です。

じゃあ携帯電話はWi-Fiは?

これらの機器は無線の受信だけでなく送信もしているので“無線設備”になりますよね?

となると、何らかの法規制がされているはずなんですが…。

その辺の事情は次回の”無線局の免許”で解説していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました