航空無線通信士の試験対策:無線工学その12 電子回路(増幅回路)

パイロットへの道のり

無線機の中には送信する信号や受信した電波を増幅するために“増幅器”という回路が入っています。

増幅器にはいろいろな種類があるようですが、航空無線通信士の試験ではオペアンプを使った増幅回路についての問題が出題されるようですね。

という訳で、今回はその“オペアンプを使った増幅回路”についてまとめてみました。

Table of Contents

オペアンプとは?

オペアンプ(Operational Amprifier)とは“演算増幅器”のことで、交流信号だけでなく直流信号も増幅できる増幅器の事。

演算増幅器というのは、電子回路で微積分・比較・加算・減算などをアナログ演算によって行うために開発されたことに由来するそうで、こうした演算回路を組み合わせて各種のリアルタイム演算ができるようにした装置をアナログコンピュータというんだとか。

考案された当初は真空管をいくつも組み合わせたモジュールだったそうですが、現在は集積回路化されているとwikipediaには記載されています。

現在はオペアンプICといった物が市販されてるみたいですね↓

Wikipediaより引用

オペアンプには

  • 入力インピーダンスが高い
  • 出力インピーダンスが低い
  • 利得が大きい

といった特徴があります。

反転増幅器

オペアンプを使用した増幅器のうち、下のような回路を反転増幅器といいます↓

回路図中の“+”は非反転入力端子、“-”は反転入力端子といい、マイナスは位相が逆走になっているということを表しています。

入力電圧をvi、出力電圧をvoとすると、非反転入力端子は接地されていて入力インピーダンスが高いため入力電流は流れることが無く、反転入力端子は0Vになります。

オームの法則により

vi– 0 = i × R1

0 – vo= i × R2

という式が成り立ちます。

これらの式により、電圧増幅度Aは↓

となります。

負帰還回路

下のような回路を負帰還増幅器といいます↓

負帰還増幅回路は増幅回路(回路図のAの部分)と帰還回路(回路図のβの部分)で構成されています。

増幅器本体は入力した信号(上の回路図ではVin)を増幅する部分ですが、帰還回路は出力の一部を入力に戻し(βvout)、ここから減算(※符号を逆にして加算)します。

ここで

  • A:帰還(減算)が無い場合の増幅度
  • β:帰還率

とした場合、電圧増幅度Aは↓

で求めることが出来ますが、負帰還増幅器は帰還回路の働きで増幅度が小さくなるように動作するので、増幅器に入力される電圧V1

となり、負帰還増幅器全体としてみた場合の増幅度Af

この式より、Aβ ≫ 1(β ≫ ( 1 / A ) )の場合

となり、十分な帰還をかけると帰還増幅器の電圧増幅度Aは増幅回路の増幅度Aに関係せず、帰還率βだけで決まり安定します。

負帰還増幅器には

  • 利得は低下するが帰還回路に周波数特性を持たせない抵抗を使用すれば周波数帯域幅が広くなる。
  • 電源電圧の変動に対して増幅回路の利得が安定する。
  • 入力インピーダンス、出力インピーダンスを変えることが出来る。
  • ひずみや雑音は、負帰還をかけない増幅回路よりも少なくなる

といった特徴があります。

例題

増幅回路に関する問題は出題率がそれほど高くは無いですが、過去数年分の問題を見ていくと負帰還増幅器についての問題が出題されやすい傾向にあるようです。

次の記述は、図に示すように増幅度(Vo/ViA)がAの増幅回路と帰還率(Vf/Vo)がβの帰還回路を用いた原理的な構成の負帰還増幅器について述べたものである。

( )内に入れるべき字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。

  1. 負帰還増幅器の電圧増幅度(Vo/Vi)は、Aより( A )なる。
  2. 負帰還増幅機の電圧増幅度(Vo/Vi)は、β 》(1/A)として十分に負帰還をかけると、ほぼβだけで決まり、( B )する。
  3. 負帰還増幅器のひずみや雑音は、負帰還をかけない増幅回路よりも( C )なる。
解説

正しい組み合わせの選択問題ですが、いつも通り( )の部分に入る言葉だけ埋めていきます。

まず1番ですが、負帰還増幅器の電圧増幅度は帰還回路の働きで“ViA = Vi – Vf”となるので、電圧増幅度はAより小さくなります。

次に2番ですが、負帰還増幅回路は“ β 》(1/A)”として十分な負帰還をかけると、増幅回路Aの電圧増幅度に関係なくβだけで負帰還増幅器の電圧増幅度が決まって安定します。

最後の3番は、負帰還回路の特徴の一つ“ひずみや雑音は、負帰還をかけない増幅回路よりも少なくなる”というやつです。

まとめ

オペアンプを使った増幅回路には

  • 反転増幅器
  • 負帰還増幅器

があります。

この2つのうち航空無線通信士の試験では負帰還増幅器についての問題が出やすいようです。

色々と計算式が出ては来るものの、

  • 負帰還増幅器は帰還回路の働きで電圧増幅度が小さくなる
  • 十分な負帰還をかけると、増幅回路の電圧増幅度に関係なく負帰還回路の帰還率βだけで負帰還増幅器の電圧増幅度が決まって安定する。
  • 利得は低下するが帰還回路に周波数特性を持たせない抵抗を使用すれば周波数帯域幅が広くなる
  • 電源電圧の変動に対して増幅回路の利得が安定する。
  • 入力インピーダンス、出力インピーダンスを変えることが出来る
  • ひずみや雑音は、負帰還をかけない増幅回路よりも少なくなる

という負帰還増幅器の特徴を押さえておけば試験はそれほど難しくもないのかもしれません。

今回はオペアンプを使ったアナログ回路での信号増幅についての話でしたが、次回はデジタル回路の基礎的なところ“論理回路”と“真理値表”についてです↓

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