航空無線通信士の試験対策:無線工学その9 半導体(電界効果トランジスタ)

パイロットへの道のり
JFETとMOSFET

トランジスタと一口に行っても色々な種類があるのであれもこれもと覚えていくのは大変!

幸い航空無線通信士の試験では“接合形トランジスタ”と“電界効果トランジスタ”の2つのタイプしか試験に出ないようですが、電界効果トランジスタにもいくつか種類があるので特徴や違いを上手く掴んでおかないと何が何やらさっぱりなんてことになりそうです…。

前回は“接合形トランジスタ”についてまとめてみましたが↓

電界効果トランジスタとは何がどう違うんでしょうね?

Table of Contents

電界効果トランジスタの特徴

電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)は、入力電圧を変化させることによって出力電流を大きく変化させることのできる電圧駆動素子です。

いくつかの種類がありますが、航空無線通信士の試験に関係してくるのは

  • 接合形電界効果トランジスタ
    (JFET:Joint Field Effect Transistor)
  • MOS形電界効果トランジスタ
    (MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)

の2種類です。

電界効果トランジスタにも電極が3本付いていますが接合形トランジスタと呼び名が違い、電界効果トランジスタの場合はそれぞれの電極をソース(S)ゲート(G)ドレイン(D)と呼びます。

接合形電界効果トランジスタ(JFET)

接合形電界効果トランジスタ(JFET)は前回まとめた“接合形トランジスタ”と似たような構造で、N形半導体にP形半導体を埋め込んだような構造です。

名前も似ているために混乱しそうになりますが、接合形半導体とは作動原理が異なります。

JFETのドレイン-ソース間に電圧VDSを加えると、電流はN形半導体を通ってドレイン電流IDが流れます。

この時、ゲート電極に逆バイアス電圧VGS(逆方向接続)を加えるとPN接合部に電子も正孔(ホール)も存在しない空乏層が広がり、電流が流れにくくなるためドレイン電流が減少。

空乏層はVGSの電圧が高くなるほど広がるので、VGSを高くする程ドレイン電流IDを減少させることが出来ます。​

電圧で制御する電流のレギュレーターみたいなものですかね?

回路図に使う図記号はこちら↓

MOS形電界効果トランジスタ(MOSFET)

MOS形電界効果トランジスタ(MOSFET)は“Metal Oxide Semiconductor”とあるように酸化半導体を使用した電界効果トランジスタです。

MOSFETには

  • エンハンスメント形MOSFET
  • ディプレッション形MOSFET

の2種類があります。

エンハンスメント形MOSFET

エンハンスメント形MOSFETは、P形半導体基板上に二つのN形半導体の領域を作り、その上からSiO2の絶縁膜を作成、絶縁膜を介してゲート電極G、N形半導体の領域にそれぞれソース電極S、ドレイン電極Dを取り付けられています。

ドレイン-ソース間に電圧VDS、ゲート-ソース間に電圧VGSを加えると…

  • VGS<0の場合はドレイン-ソース間に空乏層が広がりドレイン電流が流れない
  • VGS>0になるとゲート電極に電子が引き寄せられてNチャネルを形成し、ドレイン電流が流れる

つまり、ゲート電圧VGSをコントロールすることで、ドレイン電流を増減する事が出来るという訳です。

また、ゲート電圧VGSが無ければドレイン電流が流れないことから、エンハンスメント形MOSFETを回路のスイッチに使うこと省電力化が期待できます。

エンハンスメント形MOSFETの図記号はこちら↓

ディプレッション形MOSFET

ディプレッション形MOSFETの構造はエンハンスメント形MOSFETに似ていますが、こちらはあらかじめドレイン-ソース間にNチャネルが形成されています。

このため

  • VGS=0の場合でもドレイン電流が流れる
  • VGS<0(逆方向接続)にするとゲート電極近くの電子が無くなって空乏層が生じるため、ドレイン電流が減少する

という性質を持っています。

振る舞い方がエンハンスメント形と逆ですね。

ディプレッション形MOSFETの図記号はこちら↓

バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ

前回の記事でまとめた接合形トランジスタのように、P形半導体とN形半導体で構成されてるトランジスタを“バイポーラトランジスタ”と呼びます。

名前の由来はP形半導体に電子、N形半導体に正孔(ホール)の“2つ”のキャリアを持つことから。

電界効果トランジスタの方はNチャネル形とPチャネル形がありますが、Nチャネルは電子だけ、Pチャネルは正孔(ホール)だけをキャリアに持つことから“1つ”を意味する『ユニ』を付けて“ユニポーラトランジスタ”とも呼ばれます。

バイポーラトランジスタと比較した時の電界効果トランジスタの一般的な特徴としては

  • 入力インピーダンスが高い
  • キャリアは1種類
  • 雑音が少ない
  • 電圧で電流を制御する電圧駆動素子である

といった物があります。

 

試験への出題傾向

電界効果トランジスタに関連する問題が試験に出ることはありますが、ここまで公式が出てこないところからも分かる通り、計算問題は出題されません。

各タイプの電界効果トランジスタの性質や特徴、電圧をかける方向といったことを問う問題が出題されるようなので、それらを暗記するしかなさそうですね。

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