航空無線通信士の試験対策:無線工学その6 共振回路

パイロットへの道のり

コイルとコンデンサを並列または直列に接続した回路を共振回路といい、コイルの誘導リアクタンスωLとコンデンサの容量リアクタンス1/ωCが等しくなると回路が共振状態になり、回路の電気抵抗が最小または最大になる。

というのが共振回路の説明になるんですが、この説明では何のことだかよくわからないですね…。

そして何のための回路なのかもよく分からない!

とはいえ航空無線通信士の免許試験を受けるためには最低限の理屈は覚えておかないといけないようなので、なんとか自分なりに理解しやすく纏めてみました。

Table of Contents

共振回路とは?

冒頭に書いた通り、共振回路というのはコイルとコンデンサの性質を利用した回路で、特定条件になると回路のインピーダンス(交流回路での抵抗値)が0Ωになったり、逆に無限大になったりするというもの。

なんでそんなことになるかというと↓

コイルの誘導リアクタンスXLは、XL=ωL=2πfLなので、周波数の増加に合わせてリアクタンスが増加するという性質を持っています。

一方で、コンデンサの容量リアクタンスXCは、XC=1/ωL=1/2πfLなので、周波数が増加すればリアクタンスが減少していく。

ということは、この2つを接続して交流電流を流して周波数を徐々に上げていくと、ある周波数の時にインピーダンス値が最小(直列共振回路)または無限大(並列共振回路)になるわけです。

これが共振が起こる理屈なんですが、コイルとコンデンサの接続方法によって特性が変わってきます。

直列共振回路

直列共振回路は、コイルとコンデンサを直列に接続した回路で、コイルの誘導リアクタンスωLと、コンデンサの容量リアクタンス1/ωCが等しくなった時に共振が起こり、互いの電位を打ち消し合うため回路のインピーダンスが最小になります。

ここでおさらいですが、コイルの誘導リアクタンスを求める式は

コンデンサの容量リアクタンスを求める式は

回路を共振状態にするためにはXL=XCとしなければいけません。

双方が等しい値となる共振周波数を求めるためには、共振時の角周波数をω0とすると“ω0L=1/ω0C”より

よって

となりますが、角周波数ω0=2πf0なので、共振周波数f0

で求めることが出来ます。

直列共振回路の先鋭度

直列共振回路の共振特性の良さを表す量として、先鋭度Q(quality factor)というものがあり次の式で表します↓

仮にQ=50の場合、直列共振回路でのコイルまたはコンデンサの両端の電圧は印加電圧の50倍になります。

つまり、電源電圧を増加したり、増幅装置のような物を使ったりしなくても電圧を増加させることが出来るという訳です。

直列共振回路の先鋭度Qは、共振時の角周波数をω0とすると、V=RI、VL=ω0LI、VC=1/ωCなので、上の式にこれらを代入すると↓

で求めることが出来ます。

並列共振回路

並列共振回路はコイルとコンデンサが並列に接続された回路↓

こちらは直列共振回路とは逆に、誘導リアクタンスXLと容量リアクタンスXCが等しくなると、互いの電流を打ち消しあうため、回路のインピーダンスが最大になります。

共振周波数は直列共振回路と同じ

で求めることが出来ます。

並列共振回路の先鋭度

共振時の角周波数をω0としたときの先鋭度Qは

I=V/R、ILV/ω0L、IC=ω0CVから

で求められます。

例題

実際の試験問題は↓

次の記述は下に示す並列共振回路について述べたものである。このうち誤っているものをしたの番号から選べ。

ただし、誘導リアクタンスをXL、容量リアクタンスをXC、抵抗をRとし、回路は共振状態にあるものとする。

  1. XCの大きさは、1kΩである
  2. 交流電源Eから見たインピーダンスの大きさは、10kΩである
  3. 交流電流Eから流れる電流I0の大きさは1mAである
  4. XLに流れる電流ILの大きさは、10mAである
  5. XLに流れる電流ILと、XCに流れる電流ICとの位相差は、π/2(rad)である
解説

並列共振の条件はXL=XCなので、1番は正しい。

並列共振回路が共振している時の回路のインピーダンスは無限大となるので、コンデンサとコイルのある部分は絶縁されているのと同じ状態。

つまり共振時はこんな回路になっているということになります↓

この回路でコイルとコンデンサが共振状態の時の回路インピーダンスは抵抗Rの10kΩとなるので2番も正しい。

共振状態であればインピーダンスは抵抗Rの部分だけ考えればいいので、電流I0オームの法則のI=E/Rから↓

という訳で、3も正しい。

電流ILの大きさもオームの法則から↓

となるので、4番も正しい。

最後の5番で述べられているILとICの位相差ですが、コイルの電流の位相は電圧より90°遅れ、コンデンサの電流の位相は電圧より90°進むという特性があります。

なので、ILとLCの位相差は180°ということになりますが、360°=2π(rad)なので、180°=π(rad)。

ILとICの位相差はπ(rad)ということになるので、5番は誤りです。

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