ここ最近ネットによく登場するトイドローンの広告。
Googleアドセンスの広告なので、たまたま私が飛行機とか模型とか、ドローンについての記事を見ていたから表示されているだけで、誰もが目にする広告という訳ではないんでしょうけどね。
見たことの無い方に簡単に説明すると、漢字が中国語の繁体字だったり言い回しが不自然だったりとかなり怪しげな広告なんですが、某メーカーの高級機種とほぼ同等の性能を実装し、それでいて低価格を実現しているとか。
まぁ色々上手い事言ってますが要するにDJIの小さいドローンのコピー商品なんでしょう。
DJIで10万円超えの機種なんですが、なんとそこの製品は6千円で買えるとか!
魅力的な話ではあるものの、流石に怪しいのでスルーしていましたが…。
この間Amazonを見ていたら、件の広告に出ていたのとほぼ同じドローンが6,800円で売られてるじゃないですか!
得体のしれない怪しい業者と直接やり取りするよりは、まだAmazonが仲介していたほうがマシだろうということで、試しにポチってみました。
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商品概要
実はこれと同じ“形状”のドローンはAmazonで何種類も売られてます。
あくまで形が同じだけで性能がすべて違うんですけどね…。
恐らくコピー元になっているのはDJI社の↓
“Mavic Mini”というモデルなんでしょうけど、色々なメーカーが全く同じ形状のドローンを何種類も販売してます。
価格帯も様々ですが、今回見つけたのは例の広告と大体同じくらいの性能と価格帯の機種↓
4DRCというメーカー(ブランド?)のドローンです。
商品説明を見ると
- 1080P 高画質HDカメラ
- 200g未満 WI-FI FPVリアルタイム航空写真
- 収納ケース付き
- バッテリー3個付き(飛行時間54分)
- 小型折りたたみドローン
- ヘッドレスモード
- 3Dフリップ
- 高度維持
- 日本語の取扱説明書
- 2.4GHz 国内認証済み
といった感じで、例のネット広告と大体同じことが書かれてますが…。
開封の儀
注文から3日ほどで商品が到着!
早速開封して内容を確かめてみましょう。
過剰包装で開封の面倒なAmazonの梱包ですが、今回はAmazonの箱の中に4DRCのロゴの書かれた箱が綺麗に収まり比較的梱包は少ないですね。
4DRCの箱を開けると↓

こんな感じのキャリングケースが出てきました。
キャリングケースの寸法は22×18×6㎝といったところで、国語辞典や英和辞典くらいのサイズ。
重さは200g前後かな?
あまり詳しくないんですが、機体重量が200gを超えるドローンは届け出は必要になる?らしいですけど、キャリングケースに本体とコントローラーに付属品含めた状態で200g前後なら多分届け出の必要は無いでしょうね。

キャリングケースを開けるとこんな感じで割ときれいに収納されてます。
内容品は
- 説明書(英語・日本語・フランス語・ロシア語)
- ドローン本体
- コントローラー
- バッテリー×3本
- プロペラガード1セット
- 交換用のプロペラ1セット
- プロペラ交換用のドライバー
- バッテリー充電用のUSBケーブル(USB A – microUSB)

とりあえず必要な物はすべてそろっているようですが、コントローラーに別途単4電池が3本必要になるので、ドローンと一緒に買っちゃたほうがいいかも…。

コントローラーとドローン本体には総務省の技術基準に適合していることを証明する技適マークが貼られてます。
日本国内で電波を発射する機器を取り扱う場合、ごく一部の例外を除いてこの技適マークがないと違法無線局ということで処罰対象になります。
それはたとえおもちゃでも!
電波法違反で処罰されると100万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役が科せられることもあるので、技適マークの無い機器は使っちゃダメ!
とはいえ中国のブランドの商品を中華系の業社が販売しているあたり、この技適マークもどこまで信用していいのやら…。

ドローン本体の技適マークの下に丸い穴が見えますが、これは上空から真下を撮影するためのカメラ。
真下が撮影できるのは面白いですが、正面にあるカメラも真下を向くんですよね…。

↑この画像では真正面を向いていますが、指で動かしてやると真正面~真下までの90°の範囲で撮影角度を調整できます。
飛行中にコントローラーからカメラの角度を調整できればいいんですけど、6,800円のドローンにそこまで求めるのも酷ですね…。
ドローンで撮影した映像を見る、または記録するためには4DRCの専用アプリをスマホまたはタブレットにインストールし、Wi-Fiで接続する必要があります。
アプリ自体は無料で、説明書に印刷されたQRコードをスマホかタブレットで読み込めば簡単にダウンロード出来ますが、ただ飛ばすだけなら別にアプリもいらないですし、スマホやタブレットを接続する必要もありません。
飛ばす前の準備
内容品を確認したら飛ばすためのもろもろの準備をしておきます。
まずはプロペラガードの取り付け↓

別にプロペラガードを取り付けなくても問題なく飛びますが、何かにぶつけてプロペラが折れたりモーターが壊れたりしたら面倒ですし、反対に周囲の物を壊したくないですからね。
それに、操縦を誤って自分の所に飛んできた時にケガをしたくないですから…。
取り付け自体は簡単で、プロペラの根元にある穴に、プロペラガードのポッチを差し込むだけ!
どう頑張っても付くようにしか取り付けられない、取り付け間違いが起こることの無いデザインになっていつのは評価したいですね!

ただし、強度上の心配があるんですよね…。
プラスチック製の部品なのであまり頻繁に抜き差ししているうちにピンが折れそうな予感がするんですが、キャリングケースに収納するためにはプロペラガードを外してやらないといけないので、割と頻繁に抜き差ししないといけないんですよ…。
プロペラガードを取り付けたら、次はバッテリーをドローンに装着↓

ドローンのお尻の部分にバッテリーを差し込みますが、形状的に上下や前後を間違えないようにしてあるのは素晴らしいですね!
この部分の設計がいい加減だとバッテリーを逆に取り付けてしまってドローンを壊してしまったりしますからね。
ビギナー向けの製品ということでそれなりに気を使って設計しているんでしょうか?
バッテリーを装着したらドローン本体の背中にある電源ボタンを長押ししてスイッチON!
ドローン本体の正面と後ろ(バッテリー挿入口の上)にあるLEDが点滅したらドローン側の準備は完了!
今度はコントローラーの電源ボタンを長押ししてコントローラーをONにします。
コントローラーの電源を入れたらコントローラーの左スティックを前→後ろと動かすと、ドローンとコントローラーのペアリングが完了します。
昔のラジコンは混信を避けるためにクリスタルというものを使ってマッチングを取っていましたが、最近のドローンはこれをソフトウェア的に処理することで混信を防いでいるようですね。
飛ばしてみた!
準備が完了したので早速飛ばしてみましょう!
どんな感じで飛ぶのかは文章で説明してもさっぱりだと思うので、こちらの動画をご覧ください↓
動画の中でいろいろ言ってますが『6,800円なりの性能』ですね。
わざわざ屋外で飛ばしてますが、このドローン本来は屋内用のため、そよ風程度でも風があれば流されてしまい、すぐにコントロールが効かなくなります。
じゃあ屋内ならまともに飛ばせるかというと、体育館のような広い場所ならともかく、普通の家の6畳間で飛ばしても、自分のプロペラで発生した風にあおられてどんどん流れて行ってしまい、一定の位置でホバリングするためには常に微調整をしてやる必要があります。
位置の微調整をしている内に高度も上下するので、商品説明にある“高度維持”はほぼ不可能…。
また“飛行時間54分”というのも『バッテリー3個を入れ替えながら飛ばした場合』の話。
飛ばし方にもよりますがバッテリー一つで連続して飛ばせるのは約20分程度。
屋外で飛ばす場合は、風に流されると修正操作が必要になり余計にバッテリーを消費するので15分程度になります。
とはいえこれくらいの事は予想の範疇だったので『まぁそんなもんか…』といった感じ。
個人的には飛行性能よりもカメラの画質の方が気になってたんですが↓

これがまぁ酷いのなんのって…。
画質はガラケーに搭載されたばかりの頃のカメラ並み!
商品説明に書かれていた“1080P 高品質HDカメラ”というのは真っ赤な嘘でした。
しかもこのカメラ、固定倍率の上に初めから妙にズームが効いているので視野角が恐ろしく狭い…。
ドローンの真下に付いているカメラも性能はほぼ同じで、こちらも画質が悪く妙なズームが効いている上に視野角が狭いため、5mくらい上空から撮影しても写っているのは地面の20㎝四方といったところ…。
これでFPVは無理があるんじゃないの?
結論『性能はアレだけど…』
散々こき下ろしてきましたが、ドローン初心者が操縦を練習するのには案外丁度いいんじゃないかと思います。
風に流されやすくてホバリングが難しいという欠点も、見方を変えれば微調整をしながら任意の場所にホバリングするための練習になりますし、カメラの画質が悪くても空撮のイメージをつかむためには十分!
値段が圧倒的に安いので壊れてもそれほどダメージはありませんし、見かけのわりに頑丈なのでちょっとやそっと手粗に扱ったところで壊れませんしね。
修理用部品の確保が難しそうですが、このドローンだったら下手に修理するよりも買い替えの方が安く済みそうです。
そして私の場合壊すより先にどこかに引っ掛けたり落としたりしてロストするか、調子に乗って水面近くを飛ばして水没させそうな気がしますね。
という訳で、性能は色々アレですが、『目的達成のための手段としてドローンを使う』のではなく、『ドローンを飛ばすのが目的』といった人達、特に初心者の入門機にはお勧めです!
購入はこちらからどうぞ↓
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