MSFSアドオンレビュー:デ・ハビラント・カナダ DHC-7

フライトシムのアドオンレビュー

Microsoft flight simulator(MSFS)に導入することのできるアドオンのレビュー。

今回はカナダのデ・ハビラント・カナダ(現ボンバルディア・エアロスペース)が1970年代に開発したターボプロップ4発のコミューター機“DHC-7”です。

Table of Contents

今回レビューしている機体データで遊ぶためには事前にMicrosoft flight simulatorをインストールしておく必要があります↓

実機について

実機は冒頭でも触れたとおり、1970年代にデ・ハビラント・カナダで開発された短距離航路向けのコミューター機。

Wikipediaより引用

当時デ・ハビラント・カナダは1960年代に開発したDHC-6 ツイン・オッターで20席規模のコミューター機市場で成功していたようですが、1970年代に入るとツイン・オッターを使用していた小規模な航空会社や路線が成長し需要が拡大。

さらには環境問題への関心の高まりから騒音公害予防のために厳しい騒音防止規制がかせられるようになります。

そこでデ・ハビラント・カナダは“従来のターボプロップ機よりも低騒音かつ短い滑走路から離着陸できる50席級の大型の機体”に需要があると予測し、DHC-7の開発をスタート。

基本的にはツイン・オッターを拡大してバージョンアップしたような機体になるようですが、最新技術を適宜導入し技術的にはいくらか洗練されているとか。

外見的な特徴は何といっても短距離路線の機体には似つかわしくない4発のターボプロップエンジンでしょうね。

20人乗りから50人乗りに拡大、つまり搭載重量が倍以上になっているわけですが、今までツイン・オッターの就航していた路線に投入するからには離着陸性能が少なくとも同等でなければ買い手はつきません。

開発スタッフが“搭載重量が倍ならエンジンも倍で!”と思ったかどうかは知りませんが、エンジンをより出力の大きいものにしたうえで搭載数を2発→4発へ増強。

半ば力任せに要求性能を達成したようですが、騒音規制はクリアできてたんですかね?

こうしてツイン・オッターの後継となるべく1975年から販売が開始されたDHC-7ですが、残念ながら高い短距離離着陸(STOL)性能を持ったコミューター機の需要はデ・ハビラント・カナダの予想を裏切って少なく、かなり販売に苦戦したようで…。

冷静に考えればいくら需要が増したからといてもツイン・オッターを使っていた地方の小規模な航空会社が整備コストのかさむ4発機は望んでないでしょうからね…。

乗客の立場からすれば今までと同じダイヤで機体が大きくなるよりも多少狭い機体でも便数を増やしてもらったほうが利便性が高いですし、航空会社としても新機種を導入して複数の機種を運用するよりは既存の機体を増やしたほうがトータルではメンテナンスコストを抑えることが出来ますからね。

デ・ハビラント・カナダはDHC-7の販売開始後も性能向上版のDHC-7-200を開発していたそうですが、ボンバルディア・エアロスペースに買収された際に今後DHC-7の生産は行わないとして1988年に生産終了。

総生産機は113機と成功したとは言い難い旅客機でした。

ダウンロードとインストール

実機はイマイチパッとしない機体ですが、フライトシム用の機体データであればメンテナンスコストもペイロードも考える必要はありません!

日本国内ではまず見ることのない機体ということで珍しさもありダウンロードしてみました!

ダウンロード

機体データのダウンロードはフリーウェアのデータを数多く扱っている“Flightsim.to”から↓

この記事を執筆している時点でのバージョンは1.05なので、開発は一通り終わって不具合が出ている部分の細かいマイナーチェンジが行われているというような段階ですかね?

上のリンク先の“Download”をクリックするとZipファイルがダウンロードされます。

フリーウェアのアドオンなので無料でダウンロードすることが出来ます!

インストール

ダウンロードされたZipファイルをパソコン上の任意の場所に解凍します。

解凍すると“MSFS2020_DeHavilland_Dash7_V1.05_ObGqC”というフォルダが現れるので↓

このフォルダを開いて、中にある“dash7_ng”というフォルダを↓

MSFSのCommunityフォルダに移動します。

インストール方法がよくわからない方はこちらをどうぞ↓

機体データのレビュー

外観(エクステリア)

無料で入手することのできるアドオンデータですが、以外に細部にわたって作りこまれてます。

足回りはブレーキ用の油圧配管やショックストラットのヒンジ、さらにはヒンジのボルトといった所までモデリングされていました。

機体の塗装のパターンはデフォルトの状態で10種類。

塗装もかなり細かい所まで表現されていて、プロペラブレードに書かれたパーツナンバーや警告文が判読可能なレベル↓

こんな所まで細かく見る人はほとんどいないとは思うんですけど、それでもキッチリ作ってしまうあたりかなりこだわりがある人が作ってくれたんでしょうね!

これ以外にもエンジン排気で主翼の汚れを描きこんでいたり↓

3Dモデルとしては表現できない細かなリベットをテクスチャーとして表現していたり↓

外観の完成度はかなり高いです!

機内(インテリア)

実機はコミューター機なんですが、残念ながら客室はモデリングされていません。

そしてコクピットも↓

デフォルトのボーイング747の物が流用されています。

スイッチ類は一部機能がオミットされているため、操作は出来ても機能しない“飾り”のスイッチが多数あるので『コクピットでスイッチを操作してコールド&ダークの状態から機体をスタート』というのは出来ません!

APUはスイッチだけで本体が搭載されてませんし、燃料バルブスイッチも固定されているのでOFF位置から操作できませんからね…。

他の機体は飛行場の駐機場(エプロン)からシミュレーションをスタートするとエンジンも電源も切れている“コールド&ダーク”という状態からスタートするんですが、DHC-7はなぜか電源もエンジンも立ち上がっていて、すぐにでも離陸できる状態からスタートするんですよ。

今回は説明のためにショートカットキーでエンジンを止めたのですが、この後離陸のためにエンジンを始動しようしたらショートカットキーの操作でもエンジンが始動できませんでした…。

仕方がないのでシミュレーションをリスタートしたんですが、スイッチ操作やショートカットキーでエンジン始動が出来ないということは、飛行中にエンジンが止まっても再起動が出来ないということになりますね。

自分で設定しない限りはエンジンの故障なんか発生することはありませんが、この辺りの故障を設定して飛ばすのが好きな人はうっかりエンジン4発すべてに故障設定を入れないように気を付けましょう!

タキシング

機体が完全に静止した状態から動き始めるためにはかなりスロットルを開けてやる必要があります。

エンジン計器のN1回転数で言うと75~77%くらいですかね?

これくらいまで出力を上げてやらないと機体が動き出しません。

地上滑走を始めてスピードが乗ってきたらスロットルを閉じてN1回転数で60%前後に。

これで一定の速度でタキシングが出来ます。

地上でのハンドリングは切れすぎず鈍すぎず丁度いい感じですね。

ホイルブレーキの効きが良いのでラダーと併用すれば小型機並みに小回りが効きますし、エンジン出力を調整すれば小型機よりも小さな旋回半径でカーブすることが出来ます。

離陸

フラップは0~3の4段階に調整可能で、今回は1に設定して離陸してみました。

フラップ1とはなっていますが↓

他の機体でいうアプローチくらいの角度が付いているようです。

まぁこれは3Dモデルの見かけ上の話で、空力モデル的にはどうなのかは分かりませんが、それでもかなりの揚力が発生するらしく110ノット前後まで加速すると操縦桿を操作しなくても勝手に上昇していきます。

操作性

旅客機タイプのためそれほど操作性は良くないだろうと思っていましたが、見た目のわりに軽快に動けるという印象ですね。

旋回するためにバンクをとる時も抵抗なくするっと傾いてくれます。

左右に360°旋回してみましたが、バンク角や旋回率の維持も簡単にできて操縦しやすいです。

高度維持が出来てないのは私のスキルが原因だとは思いますが、もしかするとピッチ方向の安定性が低く姿勢維持が難しいという特性があるのかもしれません。

失速速度は計器表示上はフラップ0で70ノットということなので、小型のプロペラ機並みの低速で飛ぶことも出来ますが、制限速度は185ノットなのでエンジンを4発搭載しているからといってそれほど早く飛べる飛行機という訳でもないようです。

エンジンの大推力は自機と同じく高揚力を発揮するために使われているんでしょうね。

着陸

機体の操作性がなんとなくつかめたところで着陸します。

今回は減速しつつ段階的にフラップを展開し、フルフラップ(フラップ3)で着陸しました。

フラップポジションごとの計器読みでの失速速度は

  • フラップ0:70ノット
  • フラップ1:60ノット
  • フラップ2:55ノット
  • フラップ3:45ノット

ちなみにフラップインジケーターは実際のフラップのポジションに一致しておらず、フラップ1,2は“UP”表示、3は“DOWN”表示となっているので注意が必要です。

フラップの効果はかなり高いようで、フラップを展開するたびに機種が持ち上げられます。

フラップを展開するとロール方向の動きが鈍くなりますが、これ水平安定性が高まっていると見ることも出来ます。

失速速度が低いためゆっくりと落ち着いて滑走路にアプローチできる反面、進入コースが左右にズレた場合の修正が難しくなる傾向があるかもしれません。

着陸するときに気を付けておきたいのがコクピットからのビューポイントと3Dモデルのコクピットの位置の違いからくるパララクス(視差)があるという事。

コクピットはデフォルトのボーイング747のモデルだけでなく、ジオメトリデータまで流用しているため、3Dモデルのコクピットの5mくらい上にあります。

ためコクピットからの見た目ではまだ飛んでいるように見えて3Dモデルはすでに着陸しているなんてことも…。

滑走路にアプローチするときのPAPIライトの見え方も視点が5mも違うと変わってきますからね。

“白・赤・赤・赤”といった感じで低めのアプローチになると滑走路の手前に着陸することになるかもしれません。

着陸したら速やかにプロペラをリバースピッチへ…。

したいところですが、残念ながらこの機体にはリバースが付いていないのでホイルブレーキで減速します。

アプローチ速度がかなり低いのでリバース無しでもホイールブレーキだけで十分に減速出来ます。

失速ギリギリで可能な限り滑走路の手前に設置することが出来れば2~300mくらいで止まれるかもしれません。

サマリー

今回は日本ではまずお目にかかることのできない珍しい機種となるデ・ハビラント・カナダのDHC-7を飛ばしてみました。

アドオンも実機と同じく高いSTOL性能を備えているので、ちゃんとした飛行場だけでなくグライダー向けの滑空場や地方の広めのヘリポートみたいなところでも平気で着陸出来そうです。

これなら空港以外の場所にも路線を広げることが出来そうですが、流石に4発エンジンではメンテナンスコストがかかりすぎるでしょうし、STOL機は独特の飛行特性があるためパイロットの養成が大変らしいですからね…。

現実世界では販売が振るわないためかなりレアな飛行機になってしまいましたが、コストやスキルを問われないフライトシムの世界なら何も気にせず世界中の好きな場所に着陸することが出来ますし、低い失速速度を生かして遊覧飛行を楽しむことも出来ます。

フリーウェアなのであまり文句を言っても仕方がないですが、コクピットがデフォルトのボーイング747からの流用で、スイッチの機能が一部オミットされているのは残念なものの、3Dモデルは結構細部まで上手く表現されてますし、フライトモデルとしても操作性が良いので全般的には良く出来たモデルだと思います。

機体自体のレアリティもありますが、エンジンが4発の機体というのも珍しいので、買った飛行機が好きな方には特におすすめしたいですね!

もちろんそうでない方でも色々遊べると思うので試しにダウンロードしてみたヘいかがでしょうか?

どうせタダなので飛ばしてみた結果気に食わなくてもダメージは無いですしね!

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