MSFSアドオンレビュー:スホーイ スーパージェット100

フライトシムのアドオンレビュー

Microsoft Flight simulator(MSFS)へ導入可能なアドオンのレビュー。

今回レビューするのは無料で入手可能なフリーウェアのアドオン“スホーイ スーパージェット100”です。

Table of Contents

今回レビューする機体データで遊ぶためにはMSFSが必要になります↓

実機について

実機は2000年代初頭にロシアのスホーイという航空機メーカーが主体となって開発したリージョナルジェット。

機体規模としてはエンブラエルE-JetシリーズやボンバルディアCシリーズと競合し、開発が凍結されている三菱スペースジェットとも思いっきりバッティングする、80~100人前後の乗客を乗せて比較的短距離の路線を運航する双発のジェット旅客機になります。

スホーイといえば旧ソビエト時代から戦闘機や攻撃機の名門で、それ以外にも民間のアクロバット機の製造もしていて、小型で運動性の高い飛行機を作るのが得意なメーカーとして飛行機好きな人にはお馴染みですよね?

歴史と伝統のあるメーカーなんですが、実は意外にも旅客機の製造はこの機体が初めて!

多少詳しい人なら『旅客機の製造経験のない会社がいきなり大丈夫かいな?』なんて思うかもしれませんが、スホーイスーパージェット100(以下SSJ100)の開発主体はスホーイとなってはいるものの、実際のところは旧ソビエト時代からの大型機の名門であるアントノフや、イタリアのアレーニアやレオナルドといった企業も開発に関与する国際開発の機体となっています。

ここまでの規模の国際開発になった経緯はそれまでのロシア製旅客機の販売不振というのがあったからなんでしょうね…。

旧ソビエト時代からロシアでもジェット旅客機の開発・生産はしていたんですが、旧西側諸国の設定していた環境基準や安全基準をクリアできないことが多かったようで、ロシアの国内線ならともかく国際線に投入しようにも安全性が低いために入国規制を受けたり、騒音規制をクリアできずに空港に着陸出来ないなんて機種もあるそうで…。

しかもサポート体制が貧弱なため、仮に色々な基準をクリアしていても修理や定期交換の部品の手配がままならない…。

結果、ロシア製の旅客機はボーイングやエアバスの機体よりも大幅に導入・運用コストが安いにも関わらず、使い勝手の悪さから敬遠されてロシアの航空会社とごく一部の“事情があってボーイングやエアバスの機体が買えない国”の航空会社くらいしか導入していないようです。

ではなぜロシアの旅客機が安いのにそこまで販売に苦戦していたかというと、旅客機の装備が殆どロシア製だったから!

別にロシア製が悪いという訳じゃなくて、単純に旧西側諸国の規格にマッチしてなかったりするんですよ。

それとロシアとその周辺諸国、あるいは友好国くらいまでしかアフターサービス網がなく、そのうえロシアの経済状況の問題から部品供給もままならなかったというのもあったようで。

昔、航空自衛隊が戦闘機部隊の仮想敵としてスホーイ製の戦闘機の購入を検討したことがあるんですが、機体本体価格はF-15の1/3程度だったにもかかわらず、整備コストはそれほど変わらないことが判明して導入を断念したということがあるんですが、恐らく旅客機も似たような状況だったんでしょうね…。

Wikipediaより引用

そういった経緯からSSJ100は計画段階から安全基準や環境基準のクリアはもちろんの事、販売後のサポート体制についてもボーイングやエアバス並みとなるようにしているようで、エンジンはサトゥールンとフランスのスネクマの共同開発、空調機器や制御系はドイツのリープヘル、販売と顧客管理はなんとアメリカのボーイングが担当しているそうです。

肝心の旅客機としての型式認定はロシアの大型機の老舗イリューシンが担当しているということで、機体本体の安全性は申し分なさそうですね。

Wikipediaから引用

操縦方法はエアバスと同じくサイドスティック式の操縦桿を使うフライ・バイ・ワイヤで最新型の旅客機と遜色なく、アビオニクスはエアバスとほぼ同一のものを搭載しているようで、レイアウトもエアバスとほぼ同じ。

恐らく部品の互換性向上を狙ったものだと思いますが、もしかしたら設計にエアバスが開発に一枚噛んでたりするんですかね?

こうして旧西側諸国の最新型の旅客機と同じ水準の旅客機として完成し、2008年に初飛行。

飛行試験を経て2011年にロシア航空当局、翌2012年に欧州航空安全局(EASA)、メキシコ民間航空当局、インドネシア航空当局、ラオス航空当局から型式証明を取得。

2011年4月から航空会社に引き渡しが開始され、2020年時点で300機程が販売されているようです。

過去のロシア製旅客機がいずれも100機前後で生産を終えていることから考えると、SSJ100はかなり成功している部類になるのではないかと思います。

ちなみにSSJ100は日本に飛来することもあるようで、ヤクーツク航空の成田~ユジノサハリンスク線の定期便として運行されているそうです。

ダウンロードとインストール

ダウンロード

機体データのダウンロードはいつもと同じくFlightsim.toから↓

この記事を書いている時点ではVer0.1.4なのでまだ開発がスタートしたばかりといった感じですが、機体データ自体はかなり仕上がっていて普通に飛ばす分には問題はなさそうですね。

細かい所は後述しますが、一部の機能が使えなかったりします。

こういった部分の修正のためか、かなり頻繁にアップデートされているのでダウンロード後も定期的に巡回したほうが良さそうです。

インストール

Zipファイルでダウンロードされるので、これを任意の場所に解凍してMSFSのCommunityフォルダへ格納すればインストールは完了!

なんですが…。

この機体データを動かすためには別途FlyByWireのA32NXの“Stable Ver0.6.1”が必要になります。

という訳でA32NXをまだお持ちでない方はSSJ100のインストールの前にこちらを導入してください↓

上のリンク先のDownloadをクリックすると“FlyByWire Installer”というZipファイルがダウンロードされるので、これをPCの任意の場所に解凍します。

解凍されたフォルダの中に“setup-stable.exe”という実行ファイルがあるのでこれを起動↓

起動するとA32NXのインストーラーが立ち上がるので、①Stable v0.6.1 → ②Installの順にクリックすればA32NXのインストールが始まります。

A32NXのインストールが完了したらSSJ100をCommunity フォルダに移動しましょう!

機体データのレビュー

外観(エクステリア)

リージョナルジェットということで小ぶりな機体ですが、旅客機としてはオーソドックスなデザイン。

ロシア製の軍用機やヘリコプターはかなり独特なデザインだったりしますが、旅客機に関しては昔から東西でそれほど違いがなかったりします。

フリーウェアなのでモデリングに関してはそれほど精密さを期待していませんでしたが、近くから見てみると足回りの部品やピトー管、ブレードアンテナといった細かい部品もちゃんと再現されています。

ただ、近づくと塗装がそれほど細かく表現されていないため、モザイク状ににじんでしまいますね…。

まぁこれは有志作成のリバリー(塗装データ)でも導入すればどうとでもなるので気にしない事にしましょう!

エントリードアやサービスドア、貨物ドアの開閉のアニメーションもありました。

ドアから機内を覗くとCAさんが立ってますけど、なんかめちゃくちゃ強そうですね…。

ロシアっぽい感じ?

機内(インテリア)

機体のモデリングはSSJ100ですが、コクピットはA32NXの物がそのまま流用されてます。

実機のコクピットも多少機器類の配置の違いやモニターのサイズの違いはあれどほとんどエアバスの物と同じなので、これでもかなり再限度は高いのではないでしょうか?

A32NXのコクピットがそのまま使われているので電源の投入やエンジンの始動手順、飛行管理システム(MCDU)の入力方法などはA32NXと全く同じですが、MCDUの一部の項目(機体重量や燃料搭載量など)が入力できなかったりします。

恐らく今後のアップデートでそういった部分が改善されて行くと思いますけどね。

タキシング

機体のサイズに対してエンジンの出力がかなり大きいらしく、パーキングブレーキをリリースして少しエンジンを煽ってやるとすぐに機体が動き出します。

機体が動き始めたらすぐにスロットルはアイドルへ!

アイドリングの状態でも推力がかなりあるようで機体がスルスルと加速してしまうので、フットブレーキを踏んで速度をコントロールしましょう。

地上でのハンドリングは機体が小さい分A320よりは小回りが効くように感じますね。

それでいてステアリングが急に切れるということも無いのでかなりタキシングしやすいという印象です。

離陸

いつも通りセントレアのランウェイ36からテイクオフして伊勢湾上空を軽く飛んでみます。

地上滑走中の直進安定性が高いのでステアリングを微調整しなくてもまっすぐ進んでくれます。

エンジン推力にも余裕があるので離陸は極めてスムーズですね!

この辺りはA320よりも扱いやすいように感じました。

操作性

あらかじめ設定したコースを飛んでA320と比べてみましたが、空中で操作した感覚はA320とそれほど変わらない感じですかね?

A320よりも機体が小さく、エンジン推力は大きいためSSJ100の方が動かしやすいかと思ったんですがそんなことも無いようです。

そして推力に余裕があるので加速が良いですね!

油断してるとあっという間にオーバースピードします!

でも、これがおかしいんですよ…。

エアバスの機体ってスロットルを特定のポジションに入れてやると自動でオートスロットルが作動してあらかじめ指定された速度を保つようにエンジン出力を制御してくれるはずなんですけどね…。

SSJ100の場合はオートスロットルのスイッチは自動でONに切り替わるものの、オートスロットルは機能しません。

なので離陸したらエンジンを手動で調整してやらないといけないようですね。

流石に旅客機なのでロールやループといったアクロバット飛行は無理みたいですね。

操縦桿を思いきり横に倒してロールしようとしましたが、バンクリミッターが働くようで一定以上のバンク角は取れないようになってました。

着陸

今回はセントレアを中心にして8の字を書くような経路で飛び、再びランウェイ36へアプローチ。

感覚的にはA320とさほど変わりませんが、旅客機タイプの飛行機の操縦に不慣れなので2回ゴーアラウンドして3度目のアプローチです。

どちらも進入速度が速すぎたのと進入角度が高すぎましたね…。

3回目は進入角度が一時的に低くなったものの、十分に減速して静かに着陸することが出来ました。

フルフラップ、140ノット前後くらいでアプローチするといいみたいですね。

サマリー

極めて一般的なデザインの旅客機で、コクピットはA320の物をそのまま流用。

高性能に関してはエンジン推力に余裕があるため加速性に優れていますが、機動性は旅客機として見た場合ごくごく平均的でやはりA320と大差はない。

まだ開発中のアドオンのため一部動作が怪しい所もありますが、普通に飛ばす分には特に問題は無いですし、今後のアップデートで改善していくと思いますので気長に待ちましょう。

取り立てて目立つところもありませんが、今のところMSFSで飛ばせるロシア製の飛行機はスホーイスーパージェット100とアントノフのAn-225“ムリーヤ”の2機種しかないので、ロシアの飛行機が好きな人は導入してみてはいかがでしょうか?

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