英語に限らず外国語を覚えようとする時に高いハードルとしてそびえるのがその言語の単語を覚えるという事…。
最悪単語さえ覚えて思いつく限りに並べていけば文法を無視していてもそれなりに意思疎通は可能なんですが、そのレベルに達するためにはおおよそ3,000語程度を覚えて使いこなせなければいけないんだとか。
律義に3,000語も丸暗記するというのは非効率なので何とか簡単に覚える方法は無いんだろうか?ということで、なるべく簡単に大量の単語を覚える方法を考えてみました。
一応経験済み、というか実体験に基づいた方法なので馬鹿正直に1つ1つ暗記するよりは早く確実に沢山の単語を覚えることが出来る方法だと思いますが…。
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単語を使いこなすためのループ
あくまで個人的な見解ですが、英語に限らずあらゆる言語には
- 読めない単語は書けない
- 書けない単語は聞き取れない
- 聞き取れない単語は理解が出来ない
- 理解が出来ない単語は読めない
というループがあるんじゃないかと思ってます。
日本語で言うなら漢字が当てはまると思うんですが、普段使わない珍しい難読漢字が出てくると日本語話者であるにもかかわらず多くの人が読めなかったりしますよね?
ところが読みを教えてもらえばなんとなく覚えやすくなったりしませんか?
多分読み方が分からないと人はそれを感じではなく、模様か記号のように認識するんじゃないかと思うんですよ。
この記号の読み方が分かると、過去の経験や記憶から記号の意味をリンクさせることが出来るようになるわけですが、これだけじゃまだ書けません。
あまり難しい漢字だと何度も書かなければ覚えられませんが、少なくとも中学校まで卒業していれば、その漢字を構成する部品=部首の配置を覚えることで漢字を新しく覚えることが出来るかと思います。
そうすると今度は誰かが話した言葉を文字に書き起こす時にも割とスムーズにその漢字を使うことが出来ますし、そのレベルに到達すれば部首から判断して適切な使い分けが出来るようになっているはず…。
ここまで来ると完全にその漢字を習得出来ているため、文章中に出てきても辞書を引かなくても読めるようになってますよね?
例えで漢字を出しましたが、外国語の単語もそれとほぼ同じことが言えるのではないでしょうか?
発音で覚える
中学生くらいの頃は単語を覚える時にアルファベットの順番を律義に覚えるようにしてました。
例えば“apple”であれば「エイ・ピー・ピー・エル・イー…アップル…りんご」みたいな感じに。
もちろんこれでも覚えられますが、いちいちスペルを口ずさんでいるため覚えるのに時間がかかるうえメンドクサイ…。
そこで小学生の時に習ったローマ字読みに置き換えて『アップレ』みたいな感じで覚えていたんですが…。
これも覚え方としてはありっちゃありなんですけど、自分で覚えた発音と正式な発音が異なるのでリスニングで単語がリンクしないんですよねぇ。
方向性としては間違ってないんですよ。
ただ、英語とローマ字では微妙に読み方が違うのでそこを対応させないといけない。
例えば日本語の『ス』の音をローマ字にすると“su”になりますが、英語の場合は“th”とか“se”とかだったりするみたいな…。
こうして英語の発音とスペリングをリンクさせるようにしたら驚くほど簡単に単語を覚えることが出来るようになりました!
音で単語を組み立てることが出来るようになれば聞き取りも簡単にできるようになるため、ディクテーションなんかもスムーズに出来るようになりますし、単純にリスニングの理解度も比較的に向上します。
ただ、これが出来るようになるためにはひたすらディクテーションを繰り返すしかありません…。
無茶苦茶な方法ですが↓
- ネイティブが読み聞かせをするオーディオブックと元になってる本を用意する
- オーディオブックを聞きながらひたすら書き取り
- スペルが分からない単語はとりあえずローマ字で書いておく
- 元の本を見て答え合わせ
- 意味の分からない単語を調べる
という感じでひたすら聞いては書くを繰り返していくうちに耳が慣れると同時に音とスペルがリンクするようになってきます。
私はこれをDUOという教材でやっていたんですが↓
DUOのカバーする範囲は広大で、英語がほぼほぼわからないというレベルの人には難解な単語が多い…。
というわけでまずは絵本のオーディオブックを使う事をお勧めします↓
『いい大人がそんな子供っぽいものを…』と思うかもしれませんが、残念ながらこのブログ見てる人の英語のレベルは英語圏の子供とそう変わらないかそれよりも低いはず…。
その辺の4歳児捕まえてきて六法全書を読み聞かせ、一言一句漢字まで正確に書き取らせようったって無理ですよね?
バカらしく思うかもしれませんが、とっかかりは可能な限りハードル下げたほう良いんです。
いきなり難しいことやったってまず出来ないですし、すぐに嫌になって辞めちゃいますからね!
プリフィクスとサフィックスで覚える
冒頭で単語を覚える過程の例えに漢字を使いましたが、実は英語やそのルーツになったラテン諸語は漢字と同じようにいくつかの部品を組み合わせて作られています。
それがプリフィクス(接頭辞)とサフィックス(接尾辞)です。
プリフィクス(接頭辞)
ある程度単語を覚えてくると、単語の頭の部分のスペルが同じ単語にはなんとなく類似していることに気づくかと思います。
例えば
- telephone(電話)
- television(テレビ)
- telescope(望遠鏡)
の3つの単語はいずれも“tele~”で始まってます。
この3つの単語は『遠くの物に何かをするための物』という点で共通していますよね?
例えば電話なら“遠くの(tele)人と音(phon)でやりとり”するもの。
テレビは“遠くの(tele)ものを映し(vision)出す”もの。
望遠鏡は“遠くの(tele)ものを見る(scope)”もの。
といった感じでしょうかね?
“tele”の後に続く“phone” “vision” “scope”は元々別の単語として存在していて、こういった単語を語根とかルートといったりするそうですが、このように元の単語に別の意味を加えるために単語の頭に付けられるものを“プリフィクス(接頭辞)”と呼びます。
もちろん接頭辞は“tele”だけではなく何十という種類があり、品詞によって付けられるものと付けられないものがあったりしますが、代表的な物としては↓
動詞に付くプリフィクス
- de-(否定・下降):devalue(価値を減らす)※value(価値)
- dis-(反対・欠如):disappear(消える)※appear(現れる)
- pre-(以前の):precede(優先する)※cede(譲る・引き渡す)
- re-(再び):revisit(再び訪れる)※visit(訪れる)
名詞に付くプリフィクス
- anti-(反、非、対):antisocial(反社会的な)※social(社会的な)
- bi-(2つ):bicycle(自転車)※車輪が2つあることからbi-がプリフィクスとなっているそうです
- in-(反対の):inability(無能)※ability(能力)
- tele-(距離):telecommunication(遠距離通信)※communication(通信・伝達)
といった感じですかね?
プリフィクスを赤の太字、ルートを青で表示してみましたが、いかがでしょう?
それぞれ4つづつ単語を取り上げてみましたが、ルートの単語も合わせれば倍の8個の単語をいっぺんにおぼえらる計算になりとっても効率的!
さらにここから同じプリフィクスやルートの単語もリンクして覚えることが出来るので、少ない労力で多くの単語を身に付けることが出来ます。
例えば
bicycle(自転車)→bipod(二脚)→tripod(三脚)→centipede(ムカデ)→century(世紀)…
三脚からムカデの辺りが強引ですが、沢山脚があるというつながりで…。
(ちなみにpedeもpodと同じく足という意味合いの単語。pedicureの“pedi-”はpedeが変化したものだそうで。)
サフィックス(接尾辞)
サフィックスはルートとなる単語の後ろに付けることで単語の品詞を変える働きをします。
例えばacceput(受け入れる)という動詞がありますが、これにサフィックスを付けることで
- -able(形容詞化):acceputable(受け入れられる)
- -ance/-ence(名詞化):acceptance(受け入れ)
といった感じに形容詞や名詞に変化させることが可能です。
“-able”や“-ance/-ence”の他にもいくつものサフィックスがありますが、こちらもプリフィクスと同様に、ルートと絡めて覚えると一度に複数の単語を覚えることが出来るので効率的!
こんな感じでプリフィクスとサフィックスに絡めて単語を覚えていけば、案外簡単に多くの単語を同時進行的に覚えることが出来るわけです。
もう一つ付け加えると、一つ一つの単語を独立して覚えるよりも、こんな感じに連想ゲーム的な覚え方をしたほうがはるかに簡単に覚えられます。
そしてこの方法に慣れると、何らかの英文を読んでいる時に今まで見たことの無い単語に出くわしたとしてもプリフィクスからおおよその意味合いを、サフィックスから品詞を、文章の流れからルートの意味を推測することが出来るようになるため、辞書が無くてもなんとなく意味合いをつかめるようになったりします。
もちろん正確な意味を調べるために後から辞書を引く必要がありますが、簡易的に翻訳するならこれでも充分です。
まとめ
という訳で、覚えるのがめんどくさいと思っていた英単語も
- 発音からスペルを推測する
- プリフィクスで大まかな意味をつかむ
- サフィックスから品詞を判断する
という事が出来れば意外と簡単に覚えられます。
また、今まで見たことの無いような単語が出てきてもスペルから発音が推測できますし、単語の中に見慣れたプリフィクスとサフィックスがあればなんとなく意味を推測することもそこまで難しくはなくなってくる。
ここまで来れば長文を読むのもそれほど苦ではなくなってくるので洋書で読書が出来るようになったり、英文で書かれたサイトもある程度読めるようになってくるはず!
そうすれば必然的にさらに多くの単語を読み、未知の単語に出くわす可能性もたかくなるので、これらを読み下しているうちに飛躍的に英語の読解能力が向上していきます!
とはいえとっかかりの『発音からスペルを推測する』が出来るようになるまでが長いんですけどね…。
まずは気長に絵本の読み聞かせを書き起こすところからになるかと思いますが、やってみる価値は十分あると思いますよ!
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