MSFSアドオンレビュー:高性能なエアレーサー“VERTIGO”

フライトシムのアドオンレビュー

毎週1つづつのペースでMicrosoft Flight Simulator(マイクロソフト フライトシミュレータ、以下MSFS)に導入することのできる無償で入手可能なアドオンをダウンロードしてはレビューしています。

今回レビューするのは

“VERTIGO”という機体になります。

Table of Contents

今回レビューするアドオンの機体で遊ぶためにはMicrosoft Flight simulatorが必要になります。

アドオンの導入前にまずはこちらのソフトを購入・インストールしてください↓

ダウンロード

フライトモデルのダウンロードはこちらから↓

フリーウェアなのでダウンロードとインストールには一切お金がかかりません。

フライトモデルの導入方法はこちらを参考にしてみてください↓

機体について

実機の概要

一応実機というかモデルになったであろう機体がチェコのAvekoまたはJMBというメーカーの生産する“VL-3”と呼ばれる単発のレシプロ機。

デフォルトで収録されているこの機体です↓

カテゴリー的にはマイクロライトプレーンに分類される、かなりコンパクトで軽い飛行機のようですね。

滑らかな機体形状からもかなりのスピードを期待できますが、実際に2005年にFAI(世界航空連盟)の“ツーシーター、ウルトラライトクラス”での世界記録(274.78 km/h)を樹立しています。

搭載されているエンジンは101馬力と、コンパクトカー程度の馬力しかありませんが、マイクロライトプレーンを飛ばすには十分!

2人乗りのモデルなので自家用機として使用される他、高速性を生かしてエアレースに参加するために使用している人も多いのではないでしょうか?

フライトモデルの概要

実機もカテゴリーの中ではノーマルの状態でも最速ですが、このフライトモデルはエンジンをプラット&ホイットニー・カナダの製造する850馬力のターボプロップエンジン(PT6)に換装した上、プロペラはエンジン馬力の向上に対応するために3翅から6翅へ変更したという設定の架空の機体。

現実のベース機は水平対向4気筒で排気量1,211㏄というかなりコンパクトなエンジンを搭載しているようですが、実際に同じ改造を施そうにもエンジンベイのスペースの関係でPT6を積むのは無理なんじゃないですかね?

でもPT6を搭載したバイクがあるくらいだから無理すれば何とか乗るのかな?

ちょっとその辺りが気になって機体の3Dモデルを見てみたんですけど、モデリング上は搭載されているエンジンは実機と同じく水平対向のレシプロエンジンが搭載されているみたいですね。

プロペラは6翅に変更されてますが、エンジンの方は機体のコンフィギュレーションファイルを書き換えることで対応しているようです。

コクピットのレイアウトはここ最近の主流であるグラスコクピットで、基本的にはデフォルト機と同じレイアウト。

ただし、一部の計器やスイッチ類のポジションが違っていたりします。

かなり細かい所まで作りこまれていて、ごく一部のスイッチ類を除いてはマウスで操作することが出来、操作可能なスイッチ類にはキーボードのキーや外部デバイスのボタンを割り当てることも可能です。

テストフライト

セットアップ

スイッチ類が操作可能なので実機と同じようにスイッチをパチパチといじりながら機体の電源を入れてエンジンをスタートすることが出来ます。

専用のチェックリストもちゃんと用意されているので、初見でもチェックリストを確認しながら操作できますね。

セットアップ手順は車ほど単純ではありませんが、他のターボプロップ機に比べればかなりシンプルで、慣れれば5分も掛からずにエンジンスタートが出来ます。

タキシング

エンジンスタートが完了したら駐機しているエプロンから滑走路に向かってタキシングしていくわけですが、エンジン出力が強すぎるので、うっかりスロットルを出しすぎるとものすごい勢いで加速していきます。

チェックリストの記述を意訳すると、“タキシング開始時に計器パネルにあるプロペラトルクの数値が10%になるようにスロットルを操作し、後は必要に応じてスロットルを増減”といった感じになるんですけど、その10%というのがかなり微妙な調整量。

スロットルの位置を“アイドリングで0%、フルパワーで100%”とした場合、タキシング開始時のスロットル位置は大体5%くらい?

イメージ的にはほんの少しスロットルに触ったくらいで機体が動き出します。

“機体が動き出したら必要に応じてスロットル量を調整”という記述はありますが、スロットルをそのままにしているとどんどん加速して行ってしまうので、機体が動き出したらすぐにスロットルをアイドル位置にしてやらないといけません。

ステアリングの方もスロットルに負けず劣らずの敏感さで、ほんの少しラダーペダルを蹴っただけでも急に機首が振られます。

スロットル操作を最小限にして、ラダーペダルではなく左右のブレーキの踏みわけでカーブするというのが上手くタキシングするコツですかね。

離陸

離陸時はフルパワーにせず、トルク計が75%程度になるようにスロットルを調整します。

もちろんフルパワーでも離陸できますけど、加速が良すぎてギアやフラップを破損することがあるみたいですね。

あくまでシミュレーション上の話なのでギアやフラップがぶっ壊れても大した問題ではありませんが、せっかくなので何も壊さず綺麗に乗りたいので素直に従っておきます。

トルク計で75%という事ですが、スロットル位置は大体50%ほど。

これでもすごい勢いで加速していき、あっという間に離陸速度に到達します。

私の場合は機体の設定をリアル寄りにしていて、プロペラファクターやモーメントも再現できるようにしているため、急にスロットルを操作すると…

機種が急激に右に向いてしまいます。

これを修正するために慌ててラダーを蹴るとラダーの効きが強すぎるために滑走路上で蛇行し、最悪ひっくり返してしまうことに…。

操作性を良くするために、ラダーの効きをかなり鈍くしてやったほうがいいかもしれませんね。

また、ラダーだけでなくスロットルの感度も調整してやると良いかもしれません。

フライト

エンジン出力がベースとなっている機体の8倍もあるため、ロケットのようなスピードで上昇していきます。

最大上昇率は8,000ft/m(毎分約2,400m)!

あっという間に高度40,000ft(約12,200m)まで到達しました。

下手な戦闘機よりも上昇性能が高そうですね。

このフライトモデルのベースとなっているVL-3の実機は間違いなくこの高度まで到達できないでしょう。

そもそもコクピットが与圧されていないはずなので、こんな急上昇をしたらパイロットが低酸素症になって気を失うことになります…。

ここから高度を落としてロールやループといったアクロバット飛行をしてみましたが、まぁこれは予想通り普通に問題なく出来ますね。

このアドオンの開発者によるとロールレートは毎秒150°という事なので、大体2秒で1回転ロールすることが出来るようです。

こういうタイプの機動性の高い飛行機は機体を安定して水平飛行させる“静安定性”を犠牲にして、つまりわざと不安定にすることで高い機動性を持つように設計されているため、原則的に安定性が低いものなんですが、Vartigoは高い静安定性と機動性を両立しているという不思議な飛行機です。

このため、水平直線飛行をするためのピッチトリムの調整が同じ機体規模の飛行機に比べてかなり少なくて済むほか、無風であればエルロンやラダートリムの調整もほぼ不要。

ピッチトリムをほんの少し調整するだけで思いのほか簡単に水平直線飛行が維持できるので、200ノット程度でまっすぐ飛ぶだけならオートパイロット無しでも手放しで飛ばせます。

旋回中の高度維持も他の機体に比べてはるかに簡単な印象を受けました。

着陸

着陸時の速度を見極めるために失速速度を簡単に調べたところ、フラップを最大まで展開した状態で48ノットまでは減速出来ることがわかりました。

厳密にいえば失速状態ではなく“直線飛行で高度維持が出来なくなり、失速警報が鳴り始める速度”ですが、大体この辺りの速度まで減速すると機体のコントロールが効かなくなり始めます。

少し余裕をもって60ノットくらいで滑走路にアプローチすればいいかな?

エンジンパワーがありすぎるので、アプローチ中のスロットル位置は10%程度に抑えておかないと速度がキープできず、操縦桿が敏感なため、修正操作がかなりシビアになります…。

ちなみに60ノットでもフラップポジションが3(最大展張)なら余裕で上昇出来るので、着陸滑走路の少し手前まで来たらすぐにスロットルをアイドル位置にして、滑走路上で失速警報が鳴り始めるように操縦すると上手く着陸出来そうです。

仮に滑走路の手前で失速し始めても、高度が100ft以上あればフルスロットルにすることであっという間にリカバリーできます。

この機体には一応リバースピッチが設定されていて、着陸後にフットブレーキとリバースを使う事でかなりの短距離で着陸することが出来そうです。

ただし、リバースも強力すぎるので、機体が停止する寸前にリバースをOffにしておかないと、機首が持ち上がって尻餅をついてしまいます…。

サマリー

小型軽量な機体に強力なエンジンを搭載した機動性が高く、戦闘機並みの機動が出来る面白い飛行機でした。

ターボプロップ機ながらスロットルのレスポンスがレシプロ機並みに軽く早いので、ストールからのリカバリーも容易で扱いやすいという印象ですね。

ただし、それはあくまで飛んでいる時の話…。

地上ではエンジンパワーとレスポンスの良さが仇になり、タキシングが非常にしずらいです。

それとこの機体の操縦に関しては絶対にゲームパットやジョイスティックなどの操縦のためのデバイスがあったほうがいい!

キーボードとマウスでも操縦できないことは無いかもしれませんが、機体のレスポンスがかなり敏感なので、ゲームパッドのように“ある程度入力量がリニアに調整できる入力デバイス”でもなければまともに操縦できないと思います。

飛行時の安定性が高く、軽快に機動することが出来るのでフライトシム初心者にはぜひこれで飛んでみてもらいたいですが、離着陸は別の飛行機、例えばデフォルトのセスナ152やボナンザG36で練習して、慣れた頃にVertigoの離着陸に挑戦してみることをお勧めします。

もちろんそれなりにフライトシムで遊んでいる人達にもお勧めです!

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