自衛隊への入隊方法 一般曹候補生

自衛隊のキャリアパス
111214-N-RM161-087 YOKOSUKA, Japan (Dec. 14, 2011) Enginemen 3rd Class Jermale Woody assists a Sailor from JDS Ikazuchi (DD 107) pick out Christmas ornaments for the tree USS Mustin (DDG 89) Sailors brought over as a token of friendship to her Japanese sister ship to share an American tradition during this Holiday Season. Mustin is one of seven Arleigh Burke-class destroyers assigned to Destroyer Squadron (DESRON) 15 and is forward-deployed to the U.S. Seventh Fleet operating out of Yokosuka, Japan. (U.S. Navy photo by Ensign Margaret Morton/Released)

アイキャッチ画像はWikipediaより引用

自衛隊に入隊するためには複数の方法があり、これを自衛隊では“入隊区分”や“出身区分”なんて言ったりします。

以前自衛官候補生として自衛隊に入隊する方法や、入隊後のキャリアについて解説してみましたが↓

今回は“一般曹候補生”について解説してみたいと思います。

Table of Contents

“一般曹候補生”とは?

一般曹候補生は自衛隊という組織の基幹となる“曹”と呼ばれる階級の隊員を養成するためのコースです。

入隊すると2等陸・海・空士に任命され、まずは教育隊で自衛隊で勤務するための基礎的な知識や技能を身に付けることになります。

自衛官候補生との大きな違いは

  • 入隊時から自衛官として採用されていること
  • 自衛官候補生のように任期が無い事

の2点でしょうね。

一般曹候補生出身者は自衛官候補生出身者の様に2年ごとに人気を更新する必要は無く、定年までの身元が安定しているというメリットがありますが、逆に言えばライフプランが変わって転職したいときに退職しづらいというのがデメリットになります。

一般曹候補生になるには?

一般曹候補士として自衛隊に入隊するためには、一般曹候補士採用試験を受験し、これに合格する必要があります。

募集受付期間

一般曹候補生は例年2回募集され

  • 1回目:3月~5月上旬
  • 2回目:7月~9月上旬

となっていますが、受験の相談自体は随時行っていますので、興味のある方は自衛隊地方協力本部に問い合わせてみてください。

陸・海・空のどの自衛隊に入るかは願書提出時に本人の希望により決定します。

応募資格

応募に当たっては

  • 日本国籍を有する事
  • 18歳以上33歳未満(32歳の者は、採用予定月の末日現在、33歳に達していない)

という条件が付きます。

性別や学歴や資格は不問なので中卒どころが小学校中退レベルでも応募は出来ますし、試験に合格さえすれば問題なく入隊できます。

採用試験

一般曹候補生の採用試験は

  • 筆記試験
  • 適性試験
  • 口述試験
  • 身体測定

の4つです

筆記試験

筆記試験は国語、数学、英語の3科目で合計15問。

回答方式は5者択一のマークシート方式となっています。

試験の難易度は高校卒業程度とそれほど難しくはありませんが、各科目の基礎力を問う問題が多いので、事前にしっかり勉強しておくことが必要でしょうね。

自衛官募集HPに過去の試験問題が公開されている他、過去数年分の問題集が出版されているので↓

これで過去問を解いてみたり、科目別の問題集↓

で試験対策をするのがいいでしょう。

適性検査

適性検査は自動車学校の入校の時に受けさせられる性格判定のテストや知能テストのような感じの検査です。

これは試験対策をしようが無いですね…。

余程性格や知能に問題がない限り適性検査で落とされる心配は無いので、落ちついてリラックスした状態で検査を受けましょう!

口述試験

口述試験となってはいますが、実際のところは高校受験や企業の採用試験でよくある面接試験です。

入隊の動機や、採用後の希望職種、任地、学生時代に打ち込んだことや、社会経験の事などについて聞かれるかと思います。

余程政治的に左右に振りきったことでも言わない限り落とされることは無いので、落ち着いて聞かれたことを簡潔明瞭に答えをしましょう。

聞かれていもいないことをベラベラ話すと印象が悪くなので気を付けて!

ここで面接官に『コイツになら私の部隊の一部を任せてみたいな!』とか『この人が補佐についてくれたら仕事しやすいだろうなぁ』と思わせることが出来れば勝ったも同然!

あと、自衛官は元気よくハキハキとしゃべる人が大好物なので、面接官から怒られるくらいに大声で話すと『アイツはうるせぇけど元気があるのでヨシ!』ってな具合に高評価になりますw

身体検査

身体検査の項目には一般的な健康診断のように体重や胸囲、血液検査などがありますが、明確な合格基準となる数値が設定されているのは身長(男子150㎝以上、女子140㎝以上)と視力(両側の裸眼視力が0.6以上又は矯正視力が0.8以上)くらいしかありません。

ただし、身長に関しては10代であれば2~3㎝くらい足りなくても『入隊後に伸びる可能性もある』ということで合格にしてもらえることがあります。

いわゆる『見込み入隊』というやつですね。

同じく体重についても合格基準は『身長と均衡を保っているもの』となっているので、余程太りすぎて歩くことすらままならないというレベルでもなければ「受験時は不均衡だけど入隊後に改善される可能性がある」ということで合格にしてくれる可能性があります。

ただし、長期の入院や毎日の通院が必要な持病がある、性病などの感染症を発症していて入隊までに完治の見込みがない、といった場合は身体検査で落とされる可能性があります。

とはいえ病状によっては入隊を認められる可能性もありますので、持病があるという人は一度地方協力本部の募集担当官に相談してみてください。

自衛隊への入隊

入隊先

入隊試験の合格すると陸海空の各自衛隊の教育隊に入隊することになります。

入隊時期は毎年3月下旬から4月上旬。

入隊先は陸・海・空自衛隊で異なり

  • 陸上自衛隊…各地方(方面隊)の教育隊
  • 海上自衛隊…横須賀、舞鶴、佐世保、呉教育隊
  • 航空自衛隊…熊谷、防府にある航空教育隊

のいずれかに入隊することになります。

教育・訓練

基本的には以前解説した自衛官候補生と似たような内容になるんですが、自衛官候補生と比較すると教育期間が数週間長くとってあり、自衛官候補生よりもほんの少しだけ深い所まで教育を受けます。

キャリアのところでも説明していきますが、一般曹候補生は将来的に下士官となることを前提に採用されるため、10人程度の小規模な部隊の指揮を執るために必要なリーダーシップについての基礎的な教育が含まれているわけです。

一般曹候補生のキャリア

入隊から3曹昇任まで

自衛官候補生の基礎教育期間中は防衛省の定員外の職員という扱いで階級が与えられませんが、一般曹候補生として入隊した場合は入隊直後から二等陸・海・空士に任命されます。

昇任に関しては2士から士長までは教育隊の成績に関係なく横並びに昇任し、士長になると曹昇任試験の受験資格が発生するのも自衛官候補生と同じですが、一般曹候補生は自衛官候補生と違って任期がありません。

3曹への昇任は自衛官候補生として採用された人たちと同じ昇任試験を受験する必要があります。

こう聞くと一般曹候補生で自衛隊に入隊するメリットが無いように見えますが、昇任のプライオリティは一般曹候補生>自衛官候補生なので、試験の点数や勤務成績が同じであれば同じ年に入隊した自衛官候補生よりも早く昇任できます。

3曹へ昇任しないと一般曹候補生として採用した意味が無いですからね!

とはいえ自衛官候補生より昇任しやすいとはいえ、普段の素行が悪かったり、昇任試験で合格の基準点を取れない、昇任試験合格後の曹候補生課程を卒業できないとなれば、いくら一般曹候補生としての採用であっても3曹になれないため、依願退職を迫られることがあります…。

3曹昇任以降

ここから先は自衛官候補生の出身者とほとんど変わりません。

3曹昇任後4年勤務した段階で部内幹部候補生選抜試験の受験資格が発生するので、希望者は幹部の道へ。

これ以外にも年齢制限をクリアしていれば一般曹候補生で入隊した直後から防衛大学や航空学生、部外幹部候補生などを受験することも出来ますし、合格すればそちらに進むことも当然できます。

また、陸上自衛隊だけの制度として陸曹航空操縦学生という陸上自衛隊のヘリコプターパイロットの養成課程がありますが、これは受験資格が“3曹昇任後1年以上の部隊勤務経験のある26歳以下の隊員”が対象という事なので、3曹昇任時の年齢的に一般曹候補生出身者が受験対象になりやすいんじゃないでしょうか?

自衛官候補生と比較した場合一般曹候補生の方が幹部になりやすい傾向があるように感じましたが、これは一般曹候補生出身者を優遇しているわけではなく、本人の能力やモチベーションの違いなんでしょうね。

幹部自衛官への任官後は小隊長などの初級指揮官を経て、昇任しながら徐々に大きな部隊の指揮や幕僚としての勤務経験を積んでいきますが、やっぱり防衛大学や部外幹部出身の人達には昇任のペースが敵わないようです…。

若くして幹部に任官し、余程優秀な勤務成績を収めていれば定年時に2佐ぐらいにはなってるのかな?

幹部にならないという選択をすれば部隊の屋台骨となる陸・海・空曹として勤務しつつ、1曹、曹長、あるいは准尉まで昇任して定年を迎えるといった感じですかね?

曹の昇任に関しては入隊区分ではなく、昇任試験の成績や曹候補生課程の成績に左右されるので、自衛官候補生と一般曹候補生ではあまり差が無いはずなんですが、昇任に対するモチベーションの違いがあるようで一般曹候補生の方が昇任ペースは速いようです。

ただ、あくまで本人の意欲の差なので、同じ時期に3曹に昇任した自衛官候補生よりも昇任ペースが遅いなんて人も別に珍しくもありません。

それと本人がどれだけ優秀で真面目に勤務していたとしても所属する部隊が何らかの問題を起こしたり、隊内政治だったりとかでその年に昇任可能な人数の枠がよその部隊に行くこともありますからね…。

ある程度以上の階級ともなると本人の努力だけでなく、多少は運も絡んでくるのが難しい所です。

まとめ

一般曹候補生は

  • 入隊当初から階級が与えられる
  • 任期が定められていない

という点が自衛官候補生とは違う所。

3曹へ昇任するためには自衛官候補生と同じく昇任試験を受ける必要がありますが、昇任の枠が自衛官候補生に比べて多いようなので、比較的昇任しやすい?

曹へ昇任してからは本人の希望により幹部自衛官へなるための選抜試験を受験して、合格すれば幹部の道へ。

もちろん幹部を目指さず、縁の下の力持ち、あるいは屋台骨として部隊の先任下士官を目指すという道もあります。

自衛官候補生は任期更新のタイミングで退職しやすいので、将来的にやりたい仕事のための資金稼ぎや、逆に将来が決まっていないといった人にはお勧めでしたが、一般曹候補生は任期が無いので辞めづらいんですよね…。

『定年まで自衛隊で働きます!』っていう人にはお勧めですが、『なんかよくわからないけど自衛隊に入ってみようかな?』って感じでフワフワしたイメージを持っている人にはあまりお勧めできません。

まぁそんな人でも入隊後にスイッチが入って幹部にまでなっちゃう人もいるので何とも言えませんが…。

取りあえず迷ったら最寄りの地方協力本部に行ってみてください!

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