Microsoft Flight Simulator(MSFS)に収録されている日本の空港をあちこち飛び回るシリーズ。
今回は長崎県の北松浦郡の小値賀島にある小値賀空港を出発して南松浦郡の頭ヶ島(かしらがしま)にある“上五島空港”までフライトしてみました。
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上五島空港
上五島飛行場は長崎県南松浦郡新上五島町の頭ヶ島にある地方管理空港。
飛行場コードは
- ICAOコード:RJDK
- IATAコード:無し
上五島空港の開港は1981年。
五島列島には頭ヶ島よりも大きな島があるのになぜそれほど大きくもない頭ヶ島に空港が建設されたのかというと、上五島を構成する島々はいずれも山岳地形で平地が少ないため飛行場のように広大な平面を必要とする施設を建設するのが難しかったから。
島の周辺を埋め立てて空港を建設するというプランもあったようですが、費用対効果の問題から却下され最終的には頭ヶ島東部の山を削って空港用地を造成することになります。
とはいえ元々の島の面積が狭いので長大な滑走路を整備することは出来ず、計画時から滑走路の短いSTOL(短距離離着陸)機用の空港として整備することになったようです。
当時は世界的にSTOL実験機の研究開発や飛行試験が盛んだった時期で、日本でも飛鳥という実験機が試験中。

飛鳥は上五島空港のような滑走路の短い飛行場でも運行可能な次世代のSTOL旅客機を設計・開発するための試験機として開発されましたが、結局のところ飛鳥プロジェクトのゴールとして設定されていた“乗客100人クラスのSTOLジェット旅客機”は実現しませんでした。
その後の機体開発には大なり小なり飛鳥の実験結果が生かされ、多少短い滑走路でも離着陸可能な飛行機が就航していますが…。
当時の情勢を踏まえると飛鳥のようなSTOL旅客機の就航を前提として見切り発車的に建設された地方空港も多分あると思うんですよ。
飛鳥の量産機を想定して1便当たり乗客80人前後、1日当たり5~10便の発着で採算性を検討して空港建設にGOが出ちゃってたりすると悲惨ですよね…。
飛鳥以外の機体でこのサイズの空港を発着できる旅客機となると、搭乗可能な乗客数は10~15人程度。
仮に便数が計画通りでも利用者数は計画の1割程度になりますし、着陸料や駐機料といった空港使用料も機体重量によって変わってくるので空港の収益が当初の計画よりもかなり減るはず。
こんな感じでSTOL機の運用を前提にして建設したものの、STOL機の開発中止によって採算が取れずに破綻した飛行場ってのは案外世界中にあるのかもしれません。
ちなみに上五島空港は1981年の開港時から長崎航空(現在のオリエンタルエアブリッジ)の定期便が就役していましたが、1990年代に長崎港と中通島を90分で結ぶジェットフォイル船の旅客便が就航すると、船に対する飛行機の時間的なアドバンテージを失い利用者数が大幅に減少。
飛行場周辺の天候や気流が安定していないため、就航率が80%程度だったというのも利用者の減少に拍車をかけることとなり、オリエンタルエアブリッジは2006年に上五島飛行場から撤退。
それ以降定期旅客便は就航していません。
近年の利用実績としてはは自衛隊の災害派遣や急患搬送訓練、自家用機を含めた民間機の離発着などで50回程度、大体週に1度くらい利用されているようです。
上五島空港の飛行場の施設
MSFSに収録されている上五島飛行場の滑走路は
- 滑走路長:2,579ft(約780m)
- 滑走路方位:17/35

今までも離島の小規模な飛行場に降りてますが、場外飛行場は別として地方管理空港の中でも1,2を争う程の小ささではないでしょうか?
飛行場周辺には航法援助施設は無く、着陸誘導用のLOC DMEも無いので視界不良時には着陸出来ません。
海沿いかつ山に近いという環境なので霧の発生で視界不良になったり、乱流が起こり易かったりするでしょうから、旅客機の運行にはかなり気を使っていたんじゃないでしょうか?
フライトプラン
小値賀飛行場から上五島飛行場までは直線距離にして約22㎞。
今回は何の捻りも無く直線的に飛行します。

今回は飛行距離が短いので使用する機体はヘリコプターにしてみました。

以前レビューしたことのある機体ですが、あれからバージョンが上がってかなり操縦しやすい機体に仕上がってます。
上五島飛行場へのフライト
今回はどこにも寄り道せずにまっすぐ目的地へ。
あちこち寄り道したいのですが、あいにくヘリコプターの操縦に不慣れなので、あんまり変な飛び方をすると墜落する危険性が…。
という訳で慣れるまではシンプルに直線的な飛行をしていきたいと思います。
とはいえこの機体はバージョンアップするたびに飛行特性が微妙に変わるので、なかなか操縦に慣れないんですけどね。

ヘリコプターなので駐機位置から垂直に上がってしまってもいいんですが、練習も兼ねてランウェイまで律義にタキシングします。
タキシングがもう少しスムーズに出来るようになればフライト中に地上の気になるポイントに自由に接近できるようになるはず…。

最初期のバージョンはコクピットに6つあるディスプレーのすべてに姿勢指示器が表示されていましたが、バージョンが上がるごとに表示が改善されていき、この時のバージョンではナビゲーション用のマップもちゃんと使えるようになっていました。
洋上のように参照物が無い所を飛ぶ場合は何らかのナビゲーションが無いとすぐに迷子になってしまいますが、マップが表示されていればどこを飛んでいるかリアルタイムで分かるので、迷子になる心配もありません。

着陸前に上五島飛行場を上空から確認。
滑走路が海面に近い高さにあるものだと思っていましたが、近づいてみると意外と滑走路の標高が高いんですね。
まぁ山を削って飛行場を作ったという事なので、掘削を最小限にした結果がこれなんでしょう。

少し乱暴な感じになりましたが上五島飛行場のランウェイ17へ着陸。
駐機場までタキシングします。

サマリー
今回は長崎県の五島列島にある小値賀飛行場から上五島飛行場までフライトしてみました。
いつもは小型のレシプロ機を使っていますが、今回はようやくそれなりに操縦できるようになったヘリコプターを使っています。
洋上を直線的に飛ぶだけなので動画を見てもそれほど面白くも無いかもしれませんが、操縦する側からするとまっすぐ飛ぶのに精いっぱいで面白いことをする余裕が無いんですよ…。
それでも今回のフライトでだいぶ操縦のコツをつかめたような気がするので、ハンドメイドのランドマークやフリーのシーナリーを入れた場所をフライトする時にはまたヘリを使ってみようかと思います。
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