調子に乗って林道に入って行ったら行き止まり!
Uターンしようとしてワチャワチャしてたら立ちごけしてチェンジレバーが曲がってしまいました…。
幸い曲がったといっても軽く内側に倒れただけで、シフトチェンジに支障は無く、他の部品に干渉することも無かったのでしばらく放置していたんですが、微妙にシフトチェンジしずらいので交換することに。
ディーラーに頼んでしまってもいいんですが、構造や機構的にもそこまで難易度の高い作業ではないので自力で交換してみます。
Table of Contents
作業は他のバイクでもおおむね同じだと思うので、参考に準備や手順について書き残しておきます。
部品や工具の寸法など、数値的なものは2019年式のホンダ400X向けですが、手順はおおむね他のバイクでも同じなんじゃないでしょうか?
用意するもの
チェンジペダル前に次の物を用意しておきました。
交換用部品
チェンジペダル本体×1:24781-KRZ-J00
ステップ×1:24781-KR3-770
ダストシール×2:24706-MK3-770
計4点で8,000円ほど。
今回はすべての部品をディーラーに発注しましたが、物によってはネット通販サイトでも購入可能です。
ただし、部品によっては個人向けに販売していないこともありますし、販売価格はディーラーと変わらないようです。
せっかくなのでカスタムパーツへの交換も考えましたが、400Xに対応したチェンジペダルのカスタム品は無い?
工具
使用する工具は
オープンレンチ:13㎜、10㎜
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オープンレンチは10㎜と13㎜がセットになった両口のコンビネーションではなく、それぞれ1本づつ必要になります。
同じ径のメガネレンチがセットになったコンビネーションがあるとバイク周りの整備をする時に便利!
今回の作業ではそこまで力は必要ありませんが、少し長めのものを用意しておくと固いボルトやナットも取り外しやすいですね。
アレンレンチ(六角レンチ):6㎜
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アレンレンチはよく見るL字型でも十分ですが、今回の作業に関してはヘキサゴンソケットがあったほうがいいですね。
チェンジペダルを取り付けているボルトに締め付けトルクが予想以上に強かったので、外すのに結構力が要ります。
アレンレンチに鉄パイプか何かをかぶせてテコの原理で外してもいいんですけどね。
消耗品
潤滑用にシリコーングリスとモリブデングリスが少し必要になります。
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作業手順
マニュアル無しで行き当たりばったりの作業ですが、大体こんな感じでやれば問題は無いはず…。
間違いがあればコメント欄で指摘してください!
リンケージロッドの長さの確認

長さを図る場所はリンケージロッドの両端、ボールジョイントの回り止めナットの間の長さです。
が、これが結構長くて手持ちのスケールでは測れなかったので今回は裏技として↓

リンケージロッド下側の回り止めナットの上側に出ているネジ山の数を数えて覚えておきます。
取り付ける時に同じだけネジ山が出るように調整すれば、チェンジペダルは交換前と同じ位置に来ているはずです。
チェンジペダルの取り外し
チェンジペダルをバイク本体に取り付けているピボットボルトを取り外し、ミッションへ力を伝達するためのリンケージを切り離します。
今回はチェンジペダルを交換するだけなので、リンケージ下側のボールジョイントを取りはずすだけでOK。

上側を外す必要は無いですし、取り外してしまうと調整が面倒なので触らないように!
まずはボールジョイントの回り止めのナットを緩めてやるんですが、このナットを緩める時は必ずレンチを2本使いましょう↓

ナットだけにレンチを当てて緩めることも出来ますが、そうするとリンケージロッドにストレスがかかって曲がってしまったり、リンケージロッドが回ってリンクの長さが変わってしまうことがあります↓
ピボットボルトを取り外してやると↓

リンケージロッドが自由に動かせるようになるのでボールジョイントを切り離しやすくなります↓

取り付け部品の準備
チェンジペダルが外れたら取り付けのための準備をします。
といっても今回はピボットボルト以外の部品は新品に交換なので、準備といってもピボットボルトの洗浄と潤滑くらいなもんですけどね。

作業を外でやっていたんですが、作業中に突風が吹いて用意していた新品のダストシールが袋ごと風で飛ばされるというトラブルが発生…。
ダストシールはピボットボルトの両端に取り付けてあり、チェンジペダルの回転軸となる部分にグリスを封入するための物なので、ダストシールが無いとグリスが流れ出て潤滑が出来なくなってしまいます。
本当なら新品に交換したいところですが、肝心の新品が無くなってしまったのだからどうしようもないですね…。
さっきまで付いていたダストシールを点検して↓

ひび割れや摩耗、変形が無いことを確認。
素人目には問題なさそうなので再利用します!
流体が通る場所や、圧力のかかる部品でもないので多分大丈夫でしょう。
最悪ダストシールがダメになっていた場合、グリスが流れ出て潤滑が切れ、ピボットボルトが偏摩耗、するとシフトペダルがカタついてくるので、若干シフトチェンジしづらくなるのと、何らかの騒音が発生するということが考えられますが、すぐに走行に支障が出るということはまず無いでしょう。
ピボットボルトの摩耗が進めばチェンジペダルが脱落する可能性も無い話ではありませんが、恐らくそこまで摩耗が進むのは20年近くノーメンテで乗った場合ではないでしょうか?
たぶんそこに行きつくまでにチェンジペダルに違和感を感じて整備するはずなので、ダストシールを再利用しても致命的なトラブルまで発展することはまず無いでしょう。
ちなみにダストシールには裏表があるので組付け時には注意しましょう!

↑こんな感じでU字形状の断面をしているので、U字の上がチェンジペダルの外側に来るように組付けます。

チェンジペダルの外側から水などの液体が侵入してきた場合、圧力差でシールが広がるためにシール性能が高まるという理屈なんですが、もし違ってたらごめんなさい…。
チェンジペダルの取り付け
ピボットボルトとダストシールを潤滑したら新品のチェンジペダルに組み付けてバイクに取り付けます。

まずはボールジョイントとリンケージロッドを接続。
取り外したときに覚えておいた“回り止めのナットから出ているネジ山の数”をここで仮に合わせておいて

ピボットボルトを手で締め付けられる所まで仮付け

この状態でバイクに跨り、チェンジペダルの位置を確認しましょう。
取り外し前とネジ山の数が同じならチェンジペダルの位置はほとんど変わっていないはずですが、もし違和感があればピボットボルトを取り外し、ボールジョイントを回してチェンジペダルの位置を調整します。
ボールジョイントのネジを緩める方向に回すとチェンジペダルの位置が低くなり、逆に締める方向に回すとチェンジペダルの位置が高くなります。
調整したらまたピボットボルトを仮付けして、バイクに跨って位置を確認。
チェンジペダルの位置がしっくり来たらピボットボルトとボールジョイントの回り止めのナットを本締めします。
本来なら締め付けトルクが決まっていますが、メンテナンスマニュアルが手元にないのでこの辺は適当に…。
嘘かホントか知りませんが、ボルトやナットを締め付けていき、座面に接触したところから1/8回転ほど回すと大体適正なトルクになるとか?
チェンジペダルの位置の微調整
上の方法でチェンジペダルの位置がしっくりこない場合は、面倒ですが上側のボールジョイントの回り止めのナットも緩めてリンケージロッドを回転させてリンケージロッドの有効長さを調整してやります。

↑リンケージを時計回りに回すと有効長が縮み、反時計回りに回すと有効長が伸びていきます。
伸ばしすぎるとリンケージロッドと上下のボールジョイントが外れてしまうので気を付けましょう!
また、強度を保つためにも最低でも4山分(4回転)はリンケージロッドのネジ山を上下のボールジョイントに噛ませておく必要があります。
リンケージロッド有効長の調整ができたら回り止めのナットを締めつけるのをお忘れなく!
もし締め忘れると、走行中の振動でリンケージロッドが緩んでチェンジペダルのリンクが外れる可能性があります。
ステップの取り付け
ステップのゴムが異様に硬いので、新品のチェンジペダルをバイクに固定してから取り付けることにしました。
いくら押し込んでも入って行かないので、ダメもとでステップの内側にシリコーングリスを塗ったらすんなりと入って行ってくれましたが、シフトチェンジするたびにステップが回転するのでなんか変な感じ…。
ブレーキクリーナーでシリコーングリスを洗い流せばいいんでしょうけど、あんな狭い所に浸透するのか?
意外とCRCスプレーで潤滑してやれば十分だったかもしれません。
CRCならしばらく走っているうちに雨とかで流れていきそうですからね。
増し締め
交換後の調整が済んだらボルトやナットを本締めしますが、走行中の振動で緩んだりすることもあるので数百キロ走った後で締め付け状態の確認も兼ねて増し締めしておきます。
走行後に一度増し締めするとネジの座りがよくなるようで、不思議とボルトナットが緩まなくなりますね。
これでチェンジペダルの交換が完了です!
こうして文章にすると長いですが、実際は20分程度の軽作業↓
今回の記事と動画を見れば作業の参考にしやすいんじゃないかと思います。
チェンジペダルの交換作業は恐らくだれでも出来るようなレベルの簡単なものだと思いますが、少しでも作業に不安があれば迷わず整備工場へ搬入しましょう!
自分で部品交換するとバイク本体についていたメーカー保証が切れたりすることもありますし、交換部品単体での保証もありません。
整備工場に依頼していればメーカー保証なしの中古車でも交換部分だけ何らかの保証をしてくれる場合もあります。
『簡単な作業で工賃とられるのも癪に障る』なんて人は自分でやればいいですが、その場合は何があっても自己責任ですからね!
整備工場やディーラーだって伊達や酔狂でお金とってるわけじゃないんですよ…。
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