古くからフライトシミュレーターで遊んでいるオールドファンにはお馴染みですが、PC向けのフライトシムはアドオンと呼ばれる追加ソフトを入れることで飛ばすことのできる機体や地上の風景、便利な機能などを追加する事が出来ます。
MSFS2020へのアドオンの導入は以前のタイトルに比べればだいぶ簡単にはなったものの、システムフォルダの深部にアクセスする必要があったりするのでフライトシムで遊び始めたばかりの人には少々敷居が高いかも?
という訳で今回は初心者向けにアドオンの入手と追加方法について解説していきたいと思います。
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注意
滅多にありませんがアドオンのデータと既存のデータが競合し、ゲームシステムが不具合を起こす可能性があります!
アドオンデータの導入前にバックアップを取ったり、アドオンデータの保管場所を記録したりなどして、不具合が発生した場合にロールバック出来るように準備しておきましょう!
はじめに
フライトシムの“アドオン”とはなにか?
まず“アドオン”は英語表記にすると“add on”となり、『~に追加する』、『付け加える』といったニュアンスを持つイデオムで、あるソフトウェアへ機能を追加したり拡張するためのソフトウェアやアプリケーションの事を“アドオン”と言ったりします。
最近のゲームではMOD(Modification、モッド)なんて呼ばれることが多いですかね?
似たような物にダウンロードコンテンツ(DLC)がありますが、内容としてはDLCよりも広範囲で、販売・開発が公式にサポートしていないソフトが多い、というか基本的にはサポートがないため、ユーザーが自己責任で導入するものです。
フライトシム界隈では古くからユーザーがこの手の機能拡張用のソフトを開発、導入してよりリアルなフライトを求めてきたという歴史があり、開発元もアドオンの開発と導入をある程度は容認していたりします。
この開発環境を使用したり、プレイヤーの有志がソフトをリバースエンジニアリングしてあらゆる種類のアドオンが日々リリースされているわけですが、大まかにジャンル分けすると
・機体データー
・リペイント
・シーナリー
・ユーティリティ
といった感じに分けられます。
機体データ
その名の通りフライトシムで飛ばすための飛行機そのもののデータです。

個人的にはアドオンというとまず思い浮かべるのはこの機体データですかね?
デフォルトで収録されていない様々なタイプの飛行機が存在します。
基本的には実在の飛行機がモデルアップされることがおおいですが、中にはスターウォーズシリーズの宇宙船や、LEGOやマイクラ風な外観の飛行機など、さまざまなモデルがリリースされています。
リペイント
機体データの外観を書き換えるアドオンで、旅客機向けに世界中のエアラインのリペイントソフトがリリースされています。

リペイントファイルは機種毎にリリースされているので、リペイントのアドオンを導入する前に対応している機体データを導入しておきましょう!
昔これを知らずにリペイントだけ導入してしまったことがありますが、リペイントだけ持っていても何も起こりません…。
リバリーなんて呼ぶこともありますね。
シーナリー
デフォルトでは収録されていない地形や地上の建物などを追加するためのアドオンです。
MSFS2020はデフォルトの状態でも地形や建物がかなりリアルに表現されていますが、意外と抜けている場所が多いので、これを補完する目的で導入する人が多いですね。
たとえば小笠原諸島の硫黄島にある硫黄島飛行場はデフォルトでは収録されていないんですが↓

アドオンを追加する事で飛行場を丸ごと追加する事が出来たり↓

シーナリーには空港だけでなく、都市やランドマークなどの他、デフォルトでは正確に反映されていない海岸線や川岸、標高のデータをより正確にするものもあったりします。
ユーティリティ系
画質や音質を向上させたり、外部のデバイスを接続したり、元々なかった機能を追加したりと色々な物が出てます。
入力デバイスのキーアサインを補助するアドオンや、飛行機のプッシュバックや地上支援機材のアニメーションを外部から操作するもの、コクピットの表示をタブレットにミラーリングしたり、タブレットからMSFS2020を操作するためのアプリケーションなど、“無くても困りはしないけど、あると物凄く便利”なソフトがあるので、アドオン導入に慣れてくるとだんだんと欲しくなってくるジャンルですね。
アドオンの入手先
アドオンの入手方法はいくつかありますが、大まかに分けると
・MSFS2020のマーケットプレイスで購入
・サードパーティーのサイトから購入
・フリーウェアの入手
の3つの方法があります。
マーケットプレイスから

アドオン導入で一番簡単なのがこれ。
MSFS2020のマーケットプレイスでアドオンデータを購入してダウンロードすると自動で導入されます。
購入にはマイクロソフトストアのアカウントが必要ですが、MSFS2020をプレイできるなら既にアカウントがありますよね?
マーケットプレイスで購入すれば不具合があった場合のサポートもそれなりにしてくれるので安心感はありますね。
MSFS2020本体やアドオンにアップデートがあった場合にも対応しやすいので、ソフトウェアの知識がない人にはマーケットプレイスからの購入がお勧め。
ただし、アップデートの通知は無いので、定期的にコンテンツマネージャーを確認する必要があります。
サードパーティーのサイトから購入
アドオンを開発している会社からアドオンを購入してダウンロードする方法もあります。
購入方法はAmazonや楽天などと同じで、アドオンメーカーのサイトでアカウントを作る必要があります。
サードパーティー製のアドオンの場合は、購入するとインストーラーがダウンロードされることが多いので、導入の難易度はそこまで難しく無いです。
マーケットプレイスでの購入と違い、アップデートが発生した場合はメールで通知が来るという所が多いですかね?
アップデートへの対応は基本的に無償で、インストーラーの再ダウンロードか、既存のインストーラーが自動で差分ファイルを書き換えることで対応してくれます。
稀にインストーラーが無く、自力でアドオンデータを所定の場所に格納する必要がある場合も…。
有名どころだとAerosoftとか↓
Just Flightとか↓
AerosoftはMSFSのマーケットプレイスにもアドオンを出品している界隈ではかなりメジャーなデベロッパーです。
Jusu Flightの方はアドオン専門の通販サイトのような感じ?
基本的にはダウンロード販売なんですが、中にはDVDやUSBといった物理的な媒体で販売しているものもあったりします。
フリーウェアの入手
タダで色々なデータを入手できますが、ほとんどの場合ダウンロードしたデータを自力で所定の場所に格納する必要がありますし、場合によってはデータの書き換えも必要になることがあるため、初心者には比較的難易度が高いです。
データによっては有志によるソフトウェア開発の実験的な要素もあったりするため、導入したからと言って確実に動作する保証も無いですし、最悪MSFS2020本体に悪影響を及ぼして再起不能になるなんてこともあったりなかったり…。
さらにはサポート体制が全くないので、自力でどうにか出来るような人でないと…。
と、散々脅かしてみましたが、今のところ深刻な問題を起こすようなアドオンは見つかってません。
サポート体制はマーケットプレイスやサードパーティーほど充実していませんが、MSFS2020のフォーラムやSNSを見るとトラブル対処の方法が書かれていることがありますし、そういったところでビルダーやユーザーに質問することも出来ます。
ただし、すべて英語ですが…。
フリーウェアは所謂ベータ版相当の状態でリリースされることが多いため、導入したのはいいもののまともに飛ばないなんてこともあったりしますが、いずれアップデートされるので気長に待ちましょう。
たまに開発が放棄されるアドオンもありますが、もともとタダですからね!
勝手に自分で開発を継続するくらいの気概があったほうが楽しめると思いますよ。
ちなみにアップデートが発生しても何の通知も来ないので、定期的にアップデートの状況を確認する必要があります。
稀にサードパーティー製のアドオンのようにインストーラーがアドオンファイルの差分管理をしているなんてものもあったりしますが、そういうのは本当に稀ですね。
フリーウェアをダウンロードできるサイトは色々とありますが、個人的にはFlightsim.toと↓
Simviationがお勧め↓
Flightsim.toはMSFS2020向けに特化したサイトで、取り扱っているアドオンはすべてフリーウェアとなっています。
カテゴリー分けがかなり細かいので初めは若干使いづらいですが、慣れると案外検索がしやすいですね。
SimviationはMSFS2020だけでなく、P3DやFSX、X-Planeむけのアドオンも扱っている老舗ですので、フライトシムファンにはお馴染みですかね?
基本的には無料ですが、一部有料版のアドオンも扱っています。
アドオンの導入方法
マーケットプレイスで購入すれば自動でアドオンが導入できるので特にユーザーが操作する必要はありません。
ここではそれ以外の方法でアドオンを入手した場合の導入方法を解説していきます。
インストーラーで
サードパーティー製や一部のフリーウェアのアドオンが該当します。
アドオンデータは基本的にzipファイルやrarファイルでダウンロードされるので、あらかじめ解凍ソフトを入手しておきましょう↓
ダウンロードしたアドオンを任意の場所に解凍するとインストーラーの.exeファイルが出現するので、これをダブルクリック、または管理者として実行します。
後はウィザードに沿ってインストールを進めるだけなのでそこまで難しくも無いんじゃないかと思います。
インストール先はMSFS2020の本体の“Community”や“One Store”フォルダになるんですが、MSFS2020の初回のデータベースのインストール先をデフォルトから変更している場合はインストールできないことがあるかも…。
その場合はインストール先を変更してみてください。
自力でインストール
殆どのフリーウェアのアドオンはインストーラーが付属しないので自力で所定のフォルダにアドオンデータを格納する必要があります。
まずはダウンロードしたzipまたはrarを任意の場所に解凍します。
解凍したフォルダを↓に移動すればOK
C:\Users\〔ユーザーネーム〕\AppData\Local\Packages\Microsoft.FlightSimulator_8wekyb3d8bbwe\LocalCache\Packages\Community
ですが、これはあくまでデフォルトの状態。
もしMSFS2020のデータベースを別の場所にインストールしていれば、対応する場所にある“Community”フォルダにアドオンデータを入れる必要があります。
機体データであれば↓

この7つのフォルダとファイルが格納されているフォルダ(一般的にはフォルダのタイトルが機種名となっている)を移動します。
アドオンフォルダの移動後にMSFS2020を起動して、インストールしたデータが反映されていればOKですが、反映されていない場合はアドオンファイルのフォルダ構成をもう一度確認してみましょう!
その他
ユーティリティ系のアドオンの一部にはCommunityフォルダに移動する必要がなく、必要な時に都度exeファイルを起動するというものもあります。

この手のアドオンはCommunityフォルダに移動しても何も起こりません。
まぁ間違えてCommunityフォルダに移動しても悪影響を及ぼすことはありませんが、せっかくダウンロードしたのに使えないのも勿体ないですからね…。
これらのファイルは起動しやすい場所に置いておきましょう。
導入時の注意事項と導入後の確認
アドオンは必ず1つづつ導入しましょう!
1つのアドオンを導入したら必ずMSFS2020を起動して機能を確認しておきます。
機体データであれば
・ハンガーに表示されるか?
・コクピットのスイッチ類や計器類は表示され、操作が可能か?
(↑アドオンによっては非対応の場合あり!)
・機体電源や補助動力装置、メインエンジンは起動できるか
・地上滑走できるか?
・離着陸ができるか?
といったことを一通り確認しておきましょう。
アドオンを導入すると競合が発生して最悪の場合MSFS2020がクラッシュしたり、音が再生されなかったり、グラフィックが正常に表示されないといったことが発生することがありますが、いっぺんに複数のアドオンを導入してしまうと原因の特定に手間取りますからね…。
導入する順番を変えると正常になったりすることもありますが、基本的には原因となるアドオンを取り除くことで解決します。
有償のアドオンならまず競合問題は発生しませんが、フリーウェアはたまに他のデータと競合して不具合が発生することがあるので気を付けたほうがいいかもしれません。
まとめ
MSFS2020はリアルな地形やグラフィックが売りですが、アドオンを導入することでさらにリアルな世界を再現することが出来ます。
2021年3月時点でもかなりの種類のアドオンがリリースされていますが、今後もどんどん増えていくでしょうね!
今のところは世界各国の詳細な地形や都市のデータ、現代の飛行機のデータが多いですが、将来的には過去や未来の都市や飛行機のデータ、飛行機以外の乗り物などのデータもリリースされたりするかも?
以前のタイトルでは有償版と無償版でグラフィックに大きな違いがありましたが、MSFS2020では殆ど違いが無くなってきているので、お金を掛けずにリアルなアドオンを楽しめるというのも良いところ。
お気に入りの飛行機をお気に入りのエアラインの塗装にして飛んだり、高精細で再現された街を探検してみたりと、アドオンを導入することでフライトシムでの遊びの幅が飛躍的に広がっていきます。
多少の面倒はありますが、お試しに導入してみるというのはいかがでしょうか?
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