ようやくMicrosoft Flight Simulator(MSFS)の再インストールとアップデートが完了したので、今回から本格的にMSFSで妄想日本旅行をしていきたいと思います。
再インストール成功後の初フライトは福岡空港から陸上自衛隊の目達原(めたばる)駐屯地までのフライトです。
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目達原駐屯地
目達原駐屯地は佐賀県神埼郡吉野ヶ里町に所在する陸上自衛隊の施設で、敷地内には飛行場が設置されています。
飛行場コードは
- ICAOコード:RJDM
- IATAコード:無し
民間機の発着がないためIATAコードは付与されていません。
目達原駐屯地のルーツは1943年に旧日本陸軍によって開設された大刀洗(たちあらい)陸軍飛行学校目達原分校。
戦後は保安隊を経て陸上自衛隊が使用し、過去には佐賀県警航空隊も目達原駐屯地を拠点としていたようですが警察の方は佐賀空港に移転。
現在は陸上自衛隊のみが飛行場を利用しています。
目達原駐屯地配備の飛行部隊
目達原駐屯地には九州地区の陸上自衛隊部隊のロジスティクスを担当する“九州補給処”や、物資補給や医療支援などを行う後方支援隊が置かれる補給基地となっていますが、九州地区を管轄する西部方面隊と、第4師団に所属する航空科部隊も配備されています。
2021年の時点で目達原基地には
西部方面航空隊
- 西部方面ヘリコプター隊:UH-1J、UH-60JA、CH-47J/JA
- 第3対戦車ヘリコプター隊:AH-64D、AH-1S、OH-1
第4師団隷下
- 第4飛行隊:UH-1J
の3個飛行隊が配備されています。
飛行部隊の規模もかなり大きめで珍しいですが、陸上自衛隊の実戦部隊の配備されている駐屯地でここまで他機種を運用する基地というのも珍しいですね。
他機種を運用するとなると整備機材は補給品の確保が大変なんですが、その辺りは物資の補給や管理を行う九州補給処が同じ駐屯地にいることでカバーできてるんでしょうか?
目達原駐屯地のイベント
例年10月頃に目達原駐屯地創立記念行事が行われ、駐屯地が一般開放されます。
飛行部隊がいるのでヘリコプターの飛行展示や体験搭乗、装備品の地上展示が行われますが、目達原駐屯地ではAH-1ヘリコプターのフライトシミュレーターでの体験フライトが出来るとか。
なかなか本物のシミュレーターに乗る機会は無いので機会があればぜひ行ってみたいですね!
目達原駐屯地の飛行場施設
MSFSに収録されている目達原飛行場の滑走路は
- 滑走路長:1,945ft(約600m)
- 滑走路方位:04/22

MSFSではPrepar3Dのように滑走路の緯度経度や標高、設置されているILSの周波数やコールサインといった情報が一元的に表示されないですよね…。
シミュレーション上のグラフィックは良いんですが、この辺りのインターフェイスがイマイチよろしくないです。
収録されている飛行場施設は滑走路のみで、航法援助施設は存在しないようです。
フライトプラン
フライトプランの作成の仕方もPrepar3Dと違うため最初は少し戸惑いますが慣れてしまえば…。
とりあえずいつも通りVFR(有視界飛行方式)でVOR to VORの飛行経路を作ってみました。

出発地と到着地を指定して飛行方式を選択するだけで基本的なルートが自動生成されます。
ここまではPrepar3Dと変わりませんが、経由地を加えてルートの修正をする方法が若干違うみたいですね。
Prepar3Dでは
- 出発地と目的地を選択
- 自動生成されたルートの線をクリック
- ウェイポイントまたは任意の場所までドラッグ&ドロップ
という簡単な操作で経由点が自動的に追加されました。
MSFS2020の場合は
- 出発地と目的地を設定
- 地図上の任意の地点(飛行場か航法援助施設、ウェイポイント、ランドマークなど)をクリック
- 表示されたメニューの中から“ADD”(追加)をクリック
という操作でルートに経由点が追加されますが、経由地点を目的地側から順番に設定していかないとルートがおかしなことになります。
使い勝手としては悪くはないですが、Prepar3Dのフライトプランナーの方がシンプルで使いやすい気がしますね。

NAVLOGのフォーマットもだいぶ変わりました。
予定されている飛行ルートを真横から2次元的に表現したグラフが追加され、指定高度到達後の巡航開始点や降下開始点もわかるようになっています。
今回のフライトプランでは
- RJFF(福岡空港)離陸
- IFO(福岡VOR/DME)で進路を195°に変針
- IFOから6マイルの地点で高度5000ftとなるように上昇
- さらに2マイル進んだところで降下開始
- 進路を保持してRJDM(目達原駐屯地)に進入
という感じです。
VFRなのできっちりこのプランを守る必要は無いのですが、こんな感じでフライトするのが一番燃費効率がいいようです。
目達原周辺の観光スポット
佐賀といえば毎年11月頃に開催される佐賀バルーンフェスタが有名です。
熱気球競技大会としては日本国内だけでなくアジア地区でも最大級の大会なんだそうで、毎年十数ヵ国の選手が70 – 80機(うち日本国内が50機程度)参加しているそうです。
大会期間中には観客向けのイベントも行われるそうで↓

あたりが暗くなったころに気球を地上に係留してトーチでライトアップする“ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン”なんてイベントもやってるみたいですね。
これはなかなか幻想的な感じでSNS映えしそう!
大会期間中は競技がメインとなるため一般客の体験搭乗は出来ないそうですが↓
(↑画像クリックで予約サイトにジャンプします)
大会期間外であれば通年で体験搭乗が行われているので、予約さえしていけば割と簡単に乗れちゃうみたいですね!
飛行機での空の旅も良いですが、気球に乗って風の向くままにのんびり遊覧飛行というのもまた味があって良いですよね。
地上に係留されている状態でのフライトなのでもちろん風に流されて変な所に行くことは無いそうなのでご心配なく!
(↑画像クリックで予約サイトにジャンプします)
高所恐怖症で気球の体験搭乗は無理だけど、気球がどんなものかは見てみたいという方にはこちら“佐賀バルーンミュージアム”がお勧め!
大会期間以外でもバルーンを体感できるバルーンミュージアムで、気球の飛ぶ方法や大会で何を競っているのかを解説してくれています。
ミュージアム内のスーパーハイビジョンの大画面では色鮮やかなバルーンが浮かぶ大空を、実際に眺めているような感覚で楽しめそうです。
1階のショップでは佐賀の工芸品、海産物、銘菓などが購入できるほか、2階にはミュージアムカフェであるそうなので家族で楽しむことが出来そうですね!
これ以外にも観光スポットがありますので気になる方はこちらで探してみてください↓
目達原駐屯地へのフライト
フライトプランを作成したところで早速飛んでみたいと思います。
今回使用する航空機はMSFS2020にデフォルトで収録されている“ビーチクラフト キングエア モデル350i”です。

キングエアはMicrosoft Flight Simulatorシリーズの中でもかなり昔からデフォルトで収録されているおなじみの機種。
ターボプロップエンジンを2基搭載したプロペラ機で、ビジネス機やプライベート機としても使用される割とメジャーな機種です。
一般向けだけでなく軍用の訓練機や連絡機としても使用されることも多く、陸上自衛隊が使用しているLR-2という連絡機もこのキングエアをベースにした機体になります。
Microsoft Flight Simulatorシリーズの過去のタイトルで収録されていたのはLR-2のベースとなった“モデル350”という少し古いモデルだったんですが、MSFSにはグラスコクピット化された最新モデルが収録されています。

一番の変化点は液晶モニター3基を配置したグラスコクピットになっているという点ですかね?
統合コクピットとなっているため状況が判断しやすいです!
キャプチャー画像や動画からは伝わりづらいですが、物理計算エンジンの変化やPCの処理能力の向上でシリーズ前作よりリアルさが増しているためか操縦が難しくなってるような気がします…。
以前のタイトルでは安定性が高くて操縦しやすい機体というイメージがあったんですが、MSFS2020では縦方向の安定性があまり良くはなく、ピッチトリムを合わせるのがなかなか難しい…。
単純に私が下手なだけということもあるんでしょうけどね。
経験を積んで飛行特性に慣れるしかなさそうです。
そして飛行特性以上にリアルになっているのが地上の景色!
景色を楽しむために今回は計画していた飛行ルートから外れて博多エリアの上空を飛んでみました。
9月下旬にリリースされた日本のシーナリーでいくつかの都市の3Dモデルがよりリアルに強化されているそうですが、残念ながら博多は対象外だったようで。

Bingマップベースの地上テクスチャから福岡ドームが確認できますが、3Dモデルにはなってませんね…。
まぁ自動生成でよくわからない謎の平屋建ての建物になるよりかはマシか。
ちなみにGoogleマップの3Dモデルを取り込んでMSFS2020のシーナリーにすることも出来るらしいんですが、手順がめんどくさそうなのとやりだしたらストレージに保管するデータ量がとんでもないことになりそうなんで手を出すのに躊躇してます。
やっても地元とか思い入れのある土地くらいですかね?

博多上空を飛んだあとは予定していたルートに戻って目達原を目指します。
今回は距離が短いのであっという間に到着すると思ったんですが、GPSナビを使っているにもかかわらず目達原周辺でロストポジション!
高度を下げて周辺を旋回しつつ目達原の滑走路を探し、どうにか目達原の滑走路を見つけだしました。
飛行場情報の所でも触れましたが目達原の滑走路は600mしか無いのでキングエアでの着陸はギリギリ?

失速ギリギリの速度まで減速したら、滑走路の手前に叩きつけるように接地し、ブレーキを踏みこんで急減速!
滑走路の長さには少し余裕がありましたが、燃料の搭載量や乗客、貨物の搭載量によっては止まり切れなかったかもしれませんね。

サマリー
やっぱりMSFSは素晴らしい!
ビジュアルに関してはありとあらゆる面でPrepar3Dを凌駕していますし、それでいてPCに要求される性能はPrepar3Dほど高くもなく、動作も安定しているうえにソフトの価格も安いとなればMSFSを選ばない理由がないでしょう。
とはいえMSFSはスタンドアローンではフライトどころか起動も出来ないのでネット環境によってはPrepar3Dの方がいいかもしれません。
ビジュアル、特に地上の景色に関してはPrepar3Dもアドオンを導入すればリアルになりますし、デフォルト機やアドオン機のバリエーションも今のとことはPrepar3Dの方が有利。
収録されている機体データはデフォルトでも第1次大戦後の戦間期のレシプロ旅客機から最新のステルス戦闘機やドローン、さらには潜水艦まで収録しているので『とにかく色々な飛行機を飛ばしてみたい!』という人にはPrepar3Dの方がいいのかもしれません。
ちなみにこの記事を書いている時点ではMSFSにヘリコプターが収録されていないので、ヘリコプターを飛ばしてみたいという人はMSFSは選択肢に入らないでしょうね。
シーナリーが革命的に綺麗になっているからこそヘリコプターで地上オブジェクトの近くをゆっくりとフライトしたいんですが…。
マイクロソフトの公式発表によるとヘリコプターは今後のアップデートで対応することになるようですが、現時点ではそれがいつになるかは未定とのこと。
なんだかんだで公式よりも先にサードパーティーやユーザー有志がヘリコプターの機体データをリリースしそうなので、とりあえずMSFSをインストールしてそれを待つというのもありかもしれません。
次のフライトはこちらから↓
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