田舎への移住を考える

時事ネタ

新型コロナウィルスの世界的な流行のおかげで働き方に変化が起きています。

工場や実店舗でののような職場では無理ですが、オフィスでの仕事はリモート化が進みネット環境さえ構築することが出来れば、極端な話国際宇宙ステーションまで含めた世界中で仕事ができる環境になっているのではないでしょうか?

これを機に『どこに行っても人が多く、ゴミゴミとした都市部から離れて田舎でのんびり働きたいなぁ』なんて考えている人もいるようですが、実際に田舎でのリモートワーク経験をもとに、田舎暮らしの現実を書いてみたいと思います。

ちなみにトップの画像は私の住んでいる集落ではありません!田舎のイメージです!

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まずは私の住んでいる地域について簡単に説明したいと思いますが、地域差が大きいと思いますので参考程度に見てください。

住居

私が住んでいる地域は浜松市中心部から車で1時間程度の所です。

この辺りに来るとマンションどころかアパートすらなく、住居といえば基本的には戸建てになります。

30年くらいのローンを組めば地方都市のマンションの家賃くらいの負担で家が建てられるのでマイホームが欲しいという人はこういったところに家を建てるのも悪い話ではないかもしれません。

“一坪3,000円”なんて単価の土地もありますが、極端に土地代の安いところはいわゆる原野や山。

そんな所に新しく家を建てるとなると家までの道路の建設や水道管の敷設、電気工事なども必要になってくるので安いからと言って変な土地を買うと費用がとんでもないことになります…。

私の知り合いはあえて山を買い、重機をどこかから安く買ってきて電気と電話以外のインフラをすべて自力で構築してましたが、ここまでできる人でもないと家を建てるために山を買うのはやめておいたほうがいいでしょうね。

私の住む集落ではこの20年で過疎化が進み管理されていない空き家が目立つようになってきているので、下手に土地を買ってゼロから家を建てるよりも古い民家を土地ごと買い取ってリノベーションするほうが安く上がりそうです。

私の家の裏に住む人はこのパターンで空き家を別荘として使用しています。

交通

交通の便ははっきり言って悪いです。

私が子供のころは路線バスが運行していていましたが10数年前に路線廃止となりました。

もっともその当時も1日6本程度しか便が無く、バスで浜松市内に行くためには乗り換え待ちの時間も含めて約2時間くらいかかっていたのでバスは“無いよりまし”といった感じ。

最寄りの鉄道駅は天竜浜名湖鉄道(天浜線)の某駅になるんですが、ここまで行くバスの路線が今も昔も存在しないので天浜線を使う場合は車で駅まで行くしかありませんし、その車でも30分近くかかる。

これじゃあ徒歩や自転車で駅まで行こうとも思えませんよね…。

まぁ天浜線に乗ったところで浜松の街中には行けないので西鹿島駅で遠州鉄道線に乗り換える必要があるわけですし、天浜線の駅周辺のお店や施設に用事があったとしても天浜線に乗らずに初めから車で行きますよ…。

こんな感じでバスや鉄道といった公共交通機関が非常に使いづらいため、ある程度の年齢になったら一人一台は車を持つのは当たりまえ。

というか車が無いと買い物もままならない。

農家さんなんかは作業用の軽トラとレジャー用のミニバンの2台持ちなんてのも全く珍しくありません。

通信環境

一応固定電話が引かれていますが、光回線ではなく昔ながらの一般加入電話回線なのでネット環境としては最悪です…。

さすがに携帯電話のサービスエリアには入っているので、ポケットWi-Fiやスマホのテザリングを使えばPCがネットにつながるため、リモートワークもギリギリ出来ないことは無いですね。

通信制限がないキャリアのポケットWi-Fiを使えばネット会議で映像を送受信したりデスクトップの共有をしたりできるので普通に仕事ができますけど、どうしても大容量のファイルの送受信に時間がかかる。

田舎に移住するYoutuberがちらほらいますが、ウチの集落ではほぼ無理ですね…。

ポケットWi-Fiで3GBの動画をYouTubeにアップするのに4時間くらいかかるので、私の場合はある程度まとめて動画を作成してから街中のネカフェでYouTubeにアップするようにしています。

やりようによってはYoutuberもやれないことはありませんが、ライブ配信は当分無理でしょうね。

ダメもとでこの地域に光回線を敷設している通信会社に加入申し込みをしてみましたが、エリア外のため加入できないとの回答が来ました。

ついでに「いつになったらエリアになるんですか?20年後くらい?」と聞いてみると『まぁそれくらいかもしれないし、もう少しかかるかもしれません…』といわれたので、光回線のサービスインは絶望的です…。

光回線が来るのが先か、過疎により集落がなくなるのが先かのチキンレースといった感じ。

ちなみに総務省主導でこうしたネット環境の劣悪な田舎に光回線を引くための助成事業があり、私の住む地域もこの助成で光回線が敷設されるようですがこれも毎年のように市のHPに掲載されてますけどほとんど事業が進んでいないようです。

数年前には2kmほど離れた隣の集落にまで光回線のサービスエリアが広がったんですが、そこから先に進む気配がありません…。(まぁ全国的に有名な某大企業のデータセンターのために敷設したおまけのようなので、基本的にはそこから先に延伸することは無いんでしょうけどね)

物価

ここからは私の住んでいる地域ではなく、全国的な田舎の傾向というか現状について書いてみようと思います。

『田舎は地産地消みたいところがあるから野菜とか安いんでしょ?』なんて聞かれることがありますが、そんなことは全くありません。

たしかに農協の直営店とか規格外の野菜を売っているような無人売店がちらほらあるので、そういう所に行けば安く手に入ることはありますが、それなら大都市圏の郊外に行けばありますよね?

『田舎に行くとそういう店多そうじゃん』と言われることもありますが、そもそも人口が少ない上にニーズも無いため店舗数が少なく、取り扱う商品も少ないというのが現実です。

今のサプライチェーンだとたとえ地元で生産された野菜でもいったん大都市圏の青果市場に集約され、そこから大手スーパーや問屋が各地方の小売店に配送するため、商品価格に上乗せされる輸送コストや中間マージンは都市部とそうそう変わりません。

昔は田舎のローカルチェーンのスーパーや八百屋に行けば地元の市場で安く仕入れた野菜が手に入りましたが、そういった地域のお店は軒並み廃業し、今あるのはほとんどが全国展開しているスーパーですからね。大量仕入れができるため値段が安くできますが、残念ながら値段は全国的にほぼ同じなんじゃないでしょうか?

野菜をはじめとした食料品は都市部でも田舎でもそうそう変わらないと思いますが、家電製品に関しては田舎の方が若干高いです。

家電量販店が少ないので価格競争が起きづらいですからね。

多少高くても選択肢がないのでそこで買うしかないですし、2,3日待てるならばAmazonや楽天で買ったほうが安いので客がネット販売に流れてしまうため、店舗側もどんどん商売っ気がなくなっているように感じます。

人間関係

たぶん地方への移住を考える人が一番気にしていることだと思いますが、田舎の人間関係都市部に比べるとは濃密で距離感が近い感じがします。

私の場合は地元に帰ってきているのであまり違和感はないですが、田舎暮らしをしたことがない人にはなかなかストレスフルなんじゃないでしょうか?

もっともこの辺りは県民性や地域性、さらに言うと個人の性格が強く反映されるので、地域によっては『田舎なのに都会の人以上に隣人に無関心』といったところもあるかもしれません。

ところで田舎暮らしの実態を知らない人に『田舎の人たちは陰湿で、すぐよそ者を排除する』なんてことを言われたことがありますが、はっきり言っちゃうと“その人が陰湿だから同じように扱われている”ってだけです。

移住当初は同じ集落の色々な人が様子を見に来たり世話を焼いてくれるため、多くの人はここで『田舎の人たちはおせっかいで距離感が近すぎて疲れる…』と思うようですが、別におせっかいでも距離感がわからないわけでもなく単純に“新参者が珍しいので好奇心で近寄っている”だけ。

移住した人の人となりがわかってしまえば物珍しさがなくなるので急に誰も来なくなりますが、これだけで『田舎者は陰湿だからすぐのけ者にする』と思ってはいけません!

これも“見慣れて来て新鮮味がうすれて飽きたから”というだけの、非常にシンプルな反応です。

この辺で疑心暗鬼になって同じ集落の人に冷たい対応をとると本当にのけ者にされますよ…。

それと田舎は基本的にギブ&テイクで人間関係が構成されています。

毎日の挨拶は返さなければだんだんとされなくなってきますし、おすそ分けだって返さなければ回ってこなくなります。

移住でトラブっている人は『貰える物はありがたく貰うけど、ご近所付き合いが面倒だから返さない』って人が多いんじゃないですかね?

『隣人は自らの行いを写す鏡である』とまでは言いませんが、自分を良く扱ってほしいなら周りにもよくしないとダメですよ!

『己の欲せざることを人に施すことなかれ』とも言いますしね。

まぁ田舎に限った話ではなく会社のようなクローズドなコミュニティでも同じことが言えると思いますけど。

自治会

これも結構トラブルになる人が多いようですが、これは移住した先の自治会によるとしか言えません…。

『町内会費払わないとゴミ捨て場使えない』系の話は全国的に聞きますが、あれだってゴミ捨て場として設定されている土地の持ち主に手当を与えたり、ゴミ捨て場の維持・管理費用を徴収する必要性から町内会に入ってくれという話。

どうしても町内会に入りたくなければ自分で市役所や町役場と交渉する必要がありますがひたすら面倒ですよ?

あと『地域の奉仕活動に参加したくない…』ってのも聞きますね。

『奉仕活動に参加できないのであれば代わりに清掃費用を収めることで免除とする』なんて規約がある町内会に所属する人が事情で奉仕活動に参加できないという時に清掃費用を払おうとしたら「あの人はサボろうとしてる」と陰口を言われたりなんてことがあるそうで。

こんなの郊外でそこそこ人口の多い新興住宅街での話。

本当の田舎に古くからある町内会の場合は『年寄ばっかりで大変だし、若手も少ないから今年からお金集めて業者に頼みましょう』って感じになりますし、みんなサボりたいから積極的に奉仕活動をしようとすると変な目で見られる。

お金を払いたくなければ自力で割り当てられたところの掃除や草刈りをすればいいんですけど、引くぐらい広かったりするので素直にお金払ったほうがいいですよ…。

まぁ田舎に行けば兼業農家が多かったり自宅周辺の草刈りもしないと行けなかったりして刈り払い機は一家に一台必ずあるので、最悪近所の人から借りてくれば問題ないですけどね。

あとは自治会役員の問題ですかね?

過疎化が進む集落に若い人が移住して自治会に加入するとかなり高い確率で何らかの役付きになり、数年後には自治会長を任せられることになりますが、こればっかりはしょうがない…。

仕事は集落の住民と市役所とのパイプ役なのでそこそこ大変ですが、過疎化が進んで人口が少なくなると選挙ではなく持ち回りで自治会長が決まるパターンが多いので長く住んでいればいずれやることになります。

あまり仰々しく考えず、学級委員に毛が生えたくらいの仕事だと思っておけばそこまで負担でもないかも?

ちなみに自治会によっては自治会長になるといくばくかの手当てが出るところもありますが、年間数万円程度の所が多いようですね。

雀の涙程度の報酬には期待できませんが、上手く立ち回れば市町を通じて地元の政財界とコネクションを作ることが可能なので、個人事業をやっている人や将来的に政界に進出したいという人は将来の足掛かりにできるかもしれません。

まとめ

冒頭部分は私の住んでいる地域の現状を、後半は私の地元や他の地方の田舎に住んだ経験をベースに書いてみましたがいかがでしょうか?

色々とネガティブなことを書いてしまったような気もしますがそもそもネガティブな面が嫌で住民が流出して田舎になっているわけで、良い所しかなかったら田舎にはならないはずなんですよ。

色々と夢を見て地方移住を考える人は移住先を考える前に『田舎なんか基本ろくな所じゃない』ということを頭の片隅にでも置いておいてください。

たぶんほとんどの人が我に返って『そんなろくでもないところにわざわざ移住する意味があるか?』となって移住を断念するでしょうが、多分そういう人は仮に田舎に移住しても地域になじめずに失敗します…。

それでも田舎に移住したいという気持ちが変わらないのであればたぶん田舎暮らしになじむと思いますよ!

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