航空自衛隊の仕事の話(特技指定)

自衛隊の思い出

前回は『航空自衛官の殆どはパイロットではない』という話からパイロット以外の隊員の仕事について書いてみましたが、今回も航空自衛隊の仕事について書いてみたいと思います。

ちなみに前回の記事はこちらから↓

今回はそのパイロット以外の仕事にどのように任命され、教育されるのか?という話をしてみたいと思います。

Table of Contents

教育隊で

職種や特技が決定するまでのプロセスを説明するためには教育隊時代の話からする必要があるでしょう。

航空自衛隊に限らず、自衛隊という組織に入隊するときには絶対に何らかの教育隊に行かなければなりません。

パイロットを養成する海上自衛隊と航空自衛隊の『航空学生』と、医師を養成するための『防衛医科大学校』は卒業後の職種がほぼ確定しているため職種を選択することはありませんが、それ以外の教育課程では必ず職種を選択する必要があります。

各教育課程では自衛官として必要となる共通の知識や技能についての教育の他、部隊研修や職種説明などで自衛隊の組織や職域・職種などについての教育の時間もあるので、このタイミングで自衛隊の職種について知ることが出来ます。

特に部隊研修では実際に職場に行って現役の諸先輩から職種の説明を受けることが出来るので職種を選ぶときの参考になります。

適性検査

職種は本人の希望や適性、部隊側のニーズなどが加味されて決定されますが、詳しいところは教育隊の班長をやったことがないのでわかりません…。

この辺りは学生側の視点 + 20年以上前の話になるので参考程度にしてください…。

教育隊では職種選定の前に適性検査を受けます。

私の時は知能検査や性格検査といった作業適正を見るための検査と、一般常識や知識?を測るような検査でした。

特に記憶に残っているのが“工具の名前あてクイズ”みたいなテストでした。

検査用紙にスパナやドライバー、水準器などの工具のイラストが20種類くらい描かれていて、工具の名前を解答用紙に書き込んでいくというテストだったと思います。

正直何の役に立つのか分からない問題でしたがどうもそのテストの正解率が高いと優先的に航空機や車両の整備職域に割り当てられるらしい?

他にも車両操縦適性検査というものもありました。

これはレコードプレーヤに車のハンドルがついたような検査機材で、レコード盤に書かれたコースからレコード針がはみ出さないようにハンドルを操作して運転適性を見るというもの。

自動車学校によっては似たようなものがトレーチャーとして設置されているかもしれませんね。

これの成績が良いとバスやトラックの操縦員や消防員に選ばれやすくなるそうですが、私はこのテストダメだったっぽいですね…。(この試験の成績が悪いと官費で免許を取らせてもらうことが出来ないそうで。)

希望調査

適性検査に並行して希望調査が行われますが、この時点で選べる職種はある程度ふるいにかけられてしました。

そもそも入隊するコースごとに行ける職種がある程度決まっているので入隊した時点である程度選択肢が絞られているんですが、そこに部隊側からのニーズと本人の適性が反映されているためはっきり言ってしまうとほとんど選択肢が無いような状態でした…。

一応希望調査があり、その段階では本人の適正に関係なくその年に行ける(部隊側から増員希望のある)職種の一覧表から本人の希望する職種を調査票に記入し、班長に提出するといった感じでした。

たしか私の時は第3志望まで記入するようになっていて…

1.電算機整備(レーダーサイトなんかのコンピューターの整備)

2.基地防空・高射電子整備(対空ミサイルの電子機器の整備)

3.機上電子整備(戦闘機や輸送機のレーダー機器の整備)

の3つを書いて提出した覚えがあります。

職種の決定

各種適性検査と本人の希望を元に職種が決定され、教育隊の卒業間際に発表というか個別に呼び出されて通知されます。

今思えばおかしな話ですが、中隊長から口頭で通知されただけで書面の類は全く存在しないんですよね…。

個人に辞令を交付するわけでもなく、指定された特技を掲示板に貼るわけでもなく、個別に口頭で通知されるだけ。

別に個人の職種は秘密でもなんでもないですし、当然後から同期と『俺○○になった!』とかいう話になるんでコソコソする必要は無いと思うんですが何だったんでしょうね?

今思えばなんとも不思議な話です。

ちなみに私が通知された職種は『ジェットエンジン整備員』でした。

そんな職種調査票に書いたっけ?

何一つ希望に絡んでませんが、班長や中隊長に文句を言っても仕方がないので『たぶん一番適性があるんだろう…』と思い込むことにして教育隊を卒業しました。

職種の変更

教育隊卒業後は自分が指定された職種についての専門的な教育を受けるために術科学校に入校しますが、この話はまた別の機会にでも。

術科学校卒業を卒業すると部隊に配属となり、基本的にはそこから定年まで指定された職種で勤務することにな値ますが、この後にも本人の希望や適性によって職種を変更するチャンスがあったりします。

例えばメディックとして知られる航空救難員は、部隊配属後一定以上の勤務経験(勤続年数や階級)を有する隊員の中から選抜されることになっていますし、輸送機の搭乗員であるロードマスターや政府専用機のフライトアテンダントである特別空中輸送員も自衛隊内の希望者からの選抜です。(ちなみに特別空中輸送員の選考基準には“容姿端麗であること”との文言があります)

部内幹部候補生からの幹部任官も広い意味で言えば職種変更になりますかね?

自分が所属する部隊の小隊長として帰ってくる可能性もありますが、上手くいけば全く別の職種に移動することも可能ですし、幹部の場合は能力拡大のための職種転換というのもあります。

というわけでもし教育隊で指定された職種が気に食わなかったとしても、部隊配属になってから職種を変更するチャンスは本人が希望さえすればいくらでもあります。

運が良ければ『宇宙作戦隊』のように全くの新規の職種(公開されている情報によると“宇宙”という特技が新設されています)に職種転換することが出来るかもしれません。

逆に職種が整理・統合された場合や、身体的・精神的な都合から強制的に職種転換させられるなんてことも…。

整備職域の隊員なんかは騒音環境下で作業をするため耳を悪くすることがあるのですが、稀に聴力検査に引っかかって整備職を外されて総務や人事といったデスクワークメインの職種に転換するなんてこともあったりしますね。

まとめ

私の場合はまったく希望していなかった職種に指定されたわけですが、やっぱり希望通りでないという不満は退職するまでありましたね。

とはいえ1年もすると仕事の面白さを見つけることが出来てそれなりに楽しく勤務することが出来ました。

ただ、適性検査の効果についてはいまだに疑問がありますね…。

手先が不器用な人間が飛行機の整備員ってどうなんでしょう?

現役時代によくぞ飛行機を落とさなかったもんです…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました