8月の終わり頃から台風が連続して発生して日本付近を通過、または上陸するというような状況ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
これから台風や大雨などの自然災害が発生しやすい時期ですので、万が一の事態に備えて防災グッズを準備しておく、または点検するタイミングなのかもしれませんが、その際にこの記事を参考にして頂けたら幸いです。
ちなみに前回は非常食についての記事でした↓
不幸にして被災してしまった場合、まずは食料の確保が大事ですが次に重要なのが衣類の確保です。
普段から裸で生活する人もそうはいないとは思うので、少なくとも災害が発生して避難先に移動するときにはすでに何らかの服を着ているとは思いますが、避難した先で着替える服まではなかなか用意していないんじゃないですかね?
『着替えなんか無くたって…。』という人もなかなかいないとは思いますが、たかだか3日くらいでも着の身着のままは衛生的にもマズイですし周囲の人たちにも迷惑、さらに言えば本人のストレスにもなるので替えの衣類は下着に限らず必要になります。
とはいえあまりに沢山持っていくわけにもいかないので、ここでも食料と同じく『避難所で生活するのに最低限必要な分』を考えてみましょう。
内閣府のアンケートによると、東日本大震災での被災者の避難所への滞在日数は2~3日が最も多く33%、4日から2週間が16%、2週~1ヵ月が10%となっています。

東日本大震災では津波による家屋の流出や福島第1原発の事故による避難指示などがあり、津波を伴わない地震が発生した場合と比べて避難所での生活が長期化する傾向があったと思います。
もし津波が無ければ避難所生活は最長でも1~2か月程度で、仮設住宅への入居も大体それくらいの時期になると考えられます。
というわけで長く見積もって2ヶ月程度の避難所暮らしを想定して必要になりそうな衣類を考えてみたいと思います。
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最低4日分の着替えを用意する
衣類は食料品の様に消費期限はないですし、2か月程度では消耗するようなものでもありません。
避難先で洗濯すればそこまで大量に用意する必要はないと思いますので、洗濯しながら着まわすことを前提に準備しておきましょう。
まずはその時に来ている服が1セット、洗濯して乾燥中の物が1セット、乾いた衣類が1セット、乾かなかったときに備えて予備にもう1セット、という風に考えると服と下着や靴下などが最低でも4セットは必要になるのではないでしょうか?
というわけで4日分の着替えがあればかなり長期間の避難生活に耐えられるのではないかと思います。
ただし、服を4着も用意するとかなり嵩張りますよね…。
自衛隊時代の災害派遣や野外演習での経験や、実際に避難する場合の現実的な量を考えると…
- 下着:4セット
- 靴下:4足
- 寝間着:1着
- 作業服:1着
- スリッパ:1足
- スニーカ:1足
- 皮手袋:1束
をあらかじめ準備しておくと良いのではないでしょうか?
下着・靴下・寝間着・作業服は最低でも種類別にジップロックに小分けして圧縮して収納しておきます↓
ジップロックでなくてもチャック付きポリ袋なら何でも良いですが、単純にジップロックは頑丈で破れにくいのと衣類を洗濯するのにも使えるのでお勧めです。
ジップロックは食料品用だけでなく、衣類の収納用や旅行用に大判の袋も出ているので入手しやすいですしね。
下着と靴下
下着と靴下は購入した時の包装が嵩張るので包装を解いておき、すぐに着られる状態にしてジップロックに入れておきます。
化繊アレルギーなどが無ければポリエステル生地の下着がコンパクトにまとまるのでお勧め↓
女性用の下着はあまり詳しくないのですが、ブラなんかの形状記憶ワイヤーはジップロックで圧縮したときにダメになってしまうと思うので、避難用に準備するのはワイヤーや形状記憶のないタイプの物にしておきましょう。
靴下は5本指のタイプだと適度に汗を吸収してくれながらも蒸れないので快適に過ごせます↓
避難後も自宅の片づけなどの作業があるので、靴下は作業用の厚手の物がお勧め!
寝間着
『非常時に寝間着なんか…』と思う人もいるかもしれませんが、慣れない避難所生活でストレスレベルが高まっている時だからこそ安眠できる環境を作りましょう。
別にパジャマをわざわざ用意しなくても、普段寝るときに着ている服と似たような物であればスウェットでもジャージでもなんでもいいです。
ただし、着るとき以外はジップロックにしまっておいて絶対に濡らさない様にしてください!
濡れた服を着ていると風邪をひくというのもありますが、体温を奪われるので著しく体力を消耗します。
睡眠中は代謝が落ちてただでさえ体温が低め。
そんな時に濡れた服を着ていたら体温を奪われ、最悪の場合低体温症で死ぬ可能性もありますからね…。
もし寝汗とかで濡れた場合は何が何でも翌日の日中に乾かすか他の乾いた服を着て寝ましょう。
乾いた服を着る目的は体調管理のためだけでなく、着替えることで気分転換を図るという目的もあります。
単調で変化のない生活になるのでちょっとしたことで生活に区切りをつけるというのがメンタルを維持するうえで意外と重要なんです。
わざわざパジャマを避難グッズとして用意するのも大変だと思うので、普段来ている寝間着をローテーションで使うのがお勧め。
例えば今使っている寝間着を選択したら箪笥の中でなくそのまま避難グッズに収納してしまい、次は収納していた寝間着を着る、って感じで回せば無駄に買い増す必要は無いです。
作業服
作業服は避難所生活の普段着として使うことを想定していますが、別に作業服にこだわる必要はなく『動きやすくて丈夫で汚れてもいい服』であればなんでもいいです。
被害復旧のため、または必要になった生活用品の回収のために自宅に行くことになるので、汚れてもいい服を1着は確保しておきましょう↓
作業服も色々なタイプがありますが、ツナギはお勧めできません。
ツナギは意外と通気性が悪く、夏場は熱がこもるので熱中症になる可能性が高まります。
それと復旧作業でケガをしないためにも手袋が必要になりますが、軍手を使うのはやめておいたほうがいいでしょう。
軍手は編み目が粗いため棘やささくれから手を保護することが難しいですからね…。
厚手の皮手袋をお勧めします。
細かい作業をするには向いていませんが、手を保護することを第一に考えると牛床革の皮手袋が頑丈でいいです↓
避難所・被災地での履物
室内履き
スリッパは他のアイテムに比べるとプライオリティが低そうですが、避難所での集団生活で水虫が蔓延するのを防ぐためにも結構重要なアイテム。
なかなか入浴できない不衛生な環境、しかも不慣れな生活でストレスが溜まって免疫力が低下していると、普段ならないような皮膚の感染症が簡単に伝染します。
『たかが水虫で大袈裟な…』と侮ってはいけませんよ。
水虫の患部から雑菌が入って蜂窩織炎を発症させた友人がいますし、状況によってはさらに悪化して足が壊死を起こして切断しなければならなくなることだってありますからね。
人から水虫を伝染されないようにするだけでなく、自分から広めないためにも重要なアイテムだと思ってください。
感染予防を考えると使い捨てのスリッパよりもゴムやビニールでできた丈夫で水洗いがしやすいものがお勧めです。
収納するときの容積と使用時の通気性を考えるとクロックスよりもビーチサンダルのような物が良いですね↓
上で5本指靴下をお勧めしているのも靴下を履いたままビーチサンダルを履けるようにするためだったりします。
また、最近はUSB充電タイプのマッサージスリッパもあるようなので、避難所で座りっぱなしになってしまうことで発生しやすくなるエコノミークラス症候群を予防するためにも、こういったスリッパを選択するのもいいかもしれません↓
安全靴・スニーカー
最後に避難所の外で履くための靴です。
もし寝ている時に地震が起きて家の外に出ないといけなくなった場合、状況によっては家の中に割れたガラスが散乱していることもあるため、家を出るまでの間にガラスを踏んで足を怪我することも考えられます。
それも考慮してスニーカーを防災グッズに入れていますが、これは防災グッズとは別にいつでも履けるように手の届く範囲においておきましょう。
足を怪我さえしなければ家の外に出るまではスリッパでも問題は無いと思うので、就寝中はいつもスリッパがベッドサイドにあるというのであればそれでも問題無いでしょう。
その場合は玄関にスニーカーがあれば良いですが、理想を言えば安全靴が1足欲しいところ。
最近はスニーカータイプの安全靴もあるので避難用に玄関先に1足準備しておくのはいかがでしょうか?
一昔前は安全靴というと専業メーカーの作るゴツイ編み上げのものしかありませんでしたが、今ではアシックスやミズノ、アディダスといったスポーツシューズを作るメーカーが市場に参入し、見た目だけでは安全靴には見えないようなものも販売されています。
私も色々試しましたが、個人的にはアシックスのウィンジョブシリーズが一番履き心地が良かったですね!
履き心地だけでなく、安全靴としての機能も申し分ないのでウィンジョブを用意しておけば間違いないでしょう!
まとめ
今回は2か月間の避難所生活を健康的に過ごすために必要になるであろう最低限の衣類を考えてみました。
とりあえず下着と靴下は4日分。
寝間着になる服と作業服を1着づつ。
スリッパとスニーカーが1足づつ。
皮手袋が1束。
という感じで揃えておけば小学生以上であればまぁ何とかなるんじゃないでしょうか?
そして最低でも下着と靴下、寝間着になる服はジップロックに個別に収納して絶対に濡らさないように!
濡れた服は体力を消耗させますからね。
少なくとも寝るときは乾いた服を着られるようにしておきましょう!
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