自衛隊ゴハンとミリメシ 自衛隊は普段何を食べてるのか?

自衛隊の思い出

これから自衛隊に入隊しようという人や『自衛隊って何してんの?』なんて気になっている人たちの参考になればいいなということで、関係各所に怒られない程度に組織の内情を暴露していくシリーズ。

前回の記事はこちらから↓

ミリメシと自衛隊ゴハン

何年か前にミリメシブームというのがありました。

災害が起きた時に備蓄用の食料になるということで自衛隊のレーションが話題になったり、海上自衛隊の金曜カレーの風習がマスコミに取り上げられたりしましたね。

当時の私はまだ現役だったので、一般人の知人から「自衛隊っていつもカレーかレーション食べてんの?」なんて質問をよくされていましたが、そんなことはありません。

せっかくなので今回は意外と知られていない自衛隊の食事事情を書いてみたいと思います。

“レーション”てなんだろう?

一般の人のイメージでは「レーション=缶詰やレトルトのごはん」というイメージじゃないでしょうか?

ミリオタ的には米軍払い下げアイテムを販売しているサープラスショップで見かける“MREレーション”のイメージ?

私の父のように「レーションってのは進駐軍が配ってた缶詰だろ?」なんていう年配の方もいるかもしれませんね。

確かにどれもレーションで間違いないですが、米軍の規定では「レーション=軍隊で支給する食事」なのでMREレーションや缶詰だけでなく、基地の食堂で調理される食事もレーションということになります。(大昔は“ギャリソンレーション”なんて呼ばれてたみたいですね)

自衛隊の場合はレーションという呼び方はせず“糧食(りょうしょく)”と呼んでいたような記憶がありますが、意味合いは殆ど同じだったような?(専門職ではなかったのでこの辺の記憶は曖昧…)

普段食堂で食べるゴハンと区別するためか缶詰やレトルトを“非常用糧食”とか“戦闘糧食”としていましたが、ほどんどの隊員はこれらを缶メシとかレトルトメシと呼んでいました。

ミリメシブームの時には缶メシとレトルトメシがフォーカスされていたので「ミリメシ=缶詰=レーション」みたいなイメージが付いてしまったようですね。

自衛隊はいつも何を食べてる?

結論から言ってしまうと特に変わったものを食べているわけではありません。

ミリメシブームの時に誤解されていたように、いつも缶メシやレトルトメシを食べるというようなことは無くてですね、基本的には基地や駐屯地に置かれている隊員食堂で提供される、ごくごく普通のそのへんの定食屋で出てきそうな感じの“ご飯とおかずに汁物”といった感じの本当に普通の物を食べてます。

夢を壊すようで申し訳ないですが…。

自衛隊ゴハンを作る人達

海上と航空の場合は専門の教育を受けた“給養員”の人たちが調理します。

陸上はあまり詳しくないですが、彼らは駐屯地の各部隊から持ち回りで調理要員を差し出しているようですね。

陸上自衛隊の場合は演習や災害派遣の時に自分たちで調理しないといけないので、普段の食事の時から訓練として調理をしていると聞いたことがあります。

もっとも最近では人員不足からアウトソーシングが進み外部の人に調理してもらっているようで、古参の隊員からは「演習の飯が不味くなった」という文句が出ているとか。

どこで食べてる?

地上にある駐屯地/基地であれば基本的には隊員食堂で食べます。

仕事の都合で職場を離れられない人たちもいるのでそういう人たちのために運搬食というのもありますが、食堂のご飯を保温容器に入れて職場まで持っていくだけなので特別なメニューになるということもありません。

隊員食堂以外にも売店に併設されている食堂がありそこで食べることも出来ます。

こちらは駐屯地/基地に仕事で来ている人たちや見学の人たちも自由に利用できるので行ったことがある人もいるかもしれません。

最近は売店にファミリーマートやデイリーヤマザキなどのコンビニが入っているので、仕事の都合などで食べそびれた場合はコンビニ弁当にする時もありました。

海上自衛隊の護衛艦の場合は艦内にある食堂で食べるそうですけど私はあいにく護衛艦に乗ったことがないのでそれほど詳しくは…。

長時間のフライトをする必要がある哨戒機や早期警戒機、輸送機の乗組員の場合は、給養員が地上で作った機内食を冷凍して機内に持ち込み、乗組員が仕事の合間に機内の電子レンジで加熱して食べるようです。

輸送機の乗客の場合は機内食が用意されないので、所属部隊と調整して缶詰やレトルトの非常食を用意たり、自分で買った弁当を持ち込んだりします。

食費はタダ?

現役中は「自衛隊はタダで食事出来るんでしょ?」なんて聞かれたりしましたが、基本的には基地/駐屯地に住んでいる曹士自衛官(諸外国の兵と下士官に相当)は食費を請求されることはありません。

ただし、結婚や家庭の事情などで基地の外に出ると有料になります。

一方、准尉以上の幹部自衛官の場合は有料になります。

基地/駐屯地内で営業している喫茶店や食堂、隊員クラブ(基地によってはランチ営業してるところも)でも食べることが出来ますが、もちろんこちら食べるのが誰であろうと有料です。

隊員食堂の味は?

昔所属していた基地では“基地司令があまりのまずさにキレて給養員全員異動させて入れ替えた”という伝説がありましたが、そのころは給養員に変なプライドがあって「俺たちはお前らに食わせてやってんだ!文句があるなら食うな!」というスタンスでしたからね…。

そんなこと言ってたらほんとに食べる人が減って残飯処理の費用がかさみ、同時に食材の購入金額が減って次年度以降の予算申請に影響が出そうになったため、これを解決するために給養員を全員とは言わないまでもある程度移動させたんじゃなかろうかと。

当時の先輩方は「ある日を境に急に食べられるようになったよ」なんて言ってたのと、当時の給養員が退職後に開いた食堂がことごとく短期間でつぶれているので、やはり相当なものだったのでしょう…。

今の給養員はもっと意識もレベルも高いので普通のメニューであれば割と美味い物作ってくれますし、競技会を開いて技量アップを図ったりしているので、たまに街中の食堂よりも美味い時がありますね。

ただ、意識が高すぎてたまに外国の聞いたことも無い料理を出してくれたり、たまに謎の創作料理を作ってくれるんですが、たいていこういうのは失敗するんでなかなか油断できません…。

アレルギー対策について

ソバや甲殻類などのメジャーで重症になりやすいアレルギーには対応してくれているのと、月または週単位のメニューを食堂に張り出してくれたり部隊に配布してくれたりするので、アレルゲンの入ったメニューを回避しやすいと思います。

エビ・カニが主菜であれば少数ですが別メニューを用意していますし、うどんとそばは必ずどちらか選択できるようになっていますが、除去食レベルの物は難しいかな…。

どうしても短時間で大量の食事を用意しないといけなくなるので、きめ細やかな対応は難しいのではないかと思います…。

食べる災害派遣?

基地の近くで家畜伝染病が流行ると不思議とその家畜の肉や玉子を使ったメニューが増えることがあるんですよ…。

某基地の近所で鳥インフルエンザが発生した時は「防疫作業へのご協力ありがとうございました!お礼に…」ってな感じで大量の鳥肉と玉子を近傍の養鶏業者さんの組合からいただきまして、それから1月くらい毎日1食鳥料理、毎食1個ゆで玉子を食べる羽目になりました。

牛の伝染病の時も「防疫でお世話になりました」ってことで大量のステーキ肉が…。

ステーキ自体は月1くらいでメニューに上がるので珍しくも無いのですが、その時は肉のレベルが違いましたね!

厚さがいつもの倍くらいで大きさも1周りくらい大きく、適度にサシが入ったかなり良い肉でお店で食べると4~5,000円はしそうな肉ですがこの時は無料でした!

流石に伝染病に感染した家畜の肉や玉子は処分されているので、基地で食べたのは感染した家畜の物ではないと思いますが、あんまりいい気はしないですよね…・

まぁこんなことは滅多に無いので、経験したことのある人はかなりレアなんじゃないでしょうか?

一般人も食べられるの?

駐屯地/基地見学以外でも自衛隊関連のイベントや防災関係のイベントで炊き出しをしていることがあるのでこういったところで食べることが出来ます。

まぁ大体カレーですが…。

「カレー以外の物を隊員さんたちと一緒に食べたい!」という人は駐屯地/基地見学の時に事前に申し込んでおけば有料になりますが食べることが出来ると思います。

駐屯地/基地によっては対応してたりしてなかったりするので事前に公式HPで確認してみてください。

ミリメシとして話題になった自衛隊の非常食は実は市販品のパッケージ違いのものが多いです。

ご飯の缶詰なんか↑がそのまま出てきますよ。

このご飯の缶詰とセットでおかずの缶詰も受け取るんですが、大体サンマの蒲焼とかサバの味噌煮とか、その辺で売ってる普通の缶詰です。

レトルトパックの場合は、サトウのごはんに市販の牛丼の素や中華丼の素のレトルトパックをセットにしただけ。

なので自衛隊のレーション、ミリ飯といっても中身はその辺のスーパーやコンビニでも手に入る民生品で、自衛隊員向けに開発された特別なものは何一つ無かったりします…。

まとめ

結構勘違いされてますが自衛隊は普段から非常食を食べてるわけではありません。

もちろん災害派遣などがあれば出先で食べますが、普段は隊員の作ったごくごく普通の、その辺の定食屋で出てきそうなものを基地/駐屯地にある隊員食堂で食べています。

最近は基地の売店にコンビニが入っていることが多いため、仕事の都合やアレルギーなどで食堂の食事が食べられない場合コンビニ弁当で済ませることもありますが、たまにそういうのとは関係なしに売店に入っている食堂で食べることもあります。

味については総合的には良い方だと思いますが、たまにアレな時も…。

一般の方も手続きすれば基地内で隊員と同じものを同じところで食べることができますが、非常食に関しては市販品と同じなのですでに食べてるかもしれません。

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